贈与税とは
贈与税は個人からの贈与によって取得した財産に課税されますが、相続税とも密接な関係があります。
贈与財産の価額は課税時期(贈与時)の相続税評価額で判断すること、形式上は贈与でなくても贈与と同様の経済的利益を受けた場合には「みなし贈与」として課税されること等、類似点も多いです。
贈与税の課税方式
贈与税の課税方式には暦年課税と相続時精算課税制度があります。
暦年課税の仕組み
1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額(課税価格)から基礎控除額を差し引いた残額に贈与税が課せられます。

390万円 ×(特例税率)15% −(控除額)10万円 = 贈与税額48.5万円
相続時精算課税が選択できる場合
※年齢は贈与の年の1月1日現在のもの
贈与者 → 60歳以上の者(父母や祖父母等)
受贈者 → 18歳以上で、かつ、贈与者の直系卑属(子や孫等)である推定相続人および孫
相続時精算課税制度の選択有無によるちがい
相続時精算課税制度を選択する
- 贈与財産の価額から控除する金額
基礎控除額 年110万円
最高2,500万円の特別控除額前年までに特別控除額を使用した場合には、2,500万円からすでに使用した額を控除した残額が特別控除額となります。
- 税率
特別控除額を超えた部分に対して、
一律20%の税率を適用
相続税
贈与者の相続時に精算
相続財産の価額に相続時精算課税を適用した贈与財産の価額(贈与時の時価)を加算して相続税額を計算します。その際、すでに支払った贈与税相当額を相続税額から控除します。控除しきれない金額は還付されます。孫が相続人以外の場合は2割加算されます。
相続時精算課税制度を選択しない
- 贈与財産の価額から控除する金額
基礎控除額 毎年110万円 - 税率
基礎控除後の課税価格に対して、贈与者と受贈者との続柄および受贈者の年齢に応じ、
「一般税率」または「特例税率」を適用。特例税率:直系尊属から子や孫等に贈与される場合で、贈与を受ける者がその年の1月1日において18歳以上の場合。
一般税率:上記に該当しない場合。
相続税
相続開始前7年以内に贈与を受けた財産の価額(贈与時の時価)については相続財産に加算しなければなりません。その際、その財産のうち相続開始前3年以内に贈与により取得した財産以外の財産については、その財産の価額の合計額から100万円を控除した残額を加算します。また、すでに払った贈与税額を相続税額から控除します。ただし控除しきれない金額は還付されません。
贈与税の申告・納付期限
贈与税の申告は、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までに行います。
申告書は受贈者の住所地の所轄税務署長に提出しなければなりません。
贈与税の納期限
贈与を受けた年の翌年の3月15日まで。
納める贈与税額は、それぞれの課税方式(暦年課税・相続時精算課税)に区分して計算した額の合計額となります。
延滞税について
納付が遅れた場合には、納期限の翌日から納付の日までの延滞税をあわせて納付する必要があります。
- 納期限の翌日から2月を経過する日まで:年「7.3%」と「特例基準割合※+1%」のいずれか低い割合
- 納期限の翌日から2月を経過した日以後:年「14.6%」と「特例基準割合※+7.3%」のいずれか低い割合
たとえば、令和5年1月1日から令和5年12月31日までの期間について 1は年2.4% 2は年8.7%の割合が適用されます。
- ※
特例基準割合
各年の前々年の9月から前年の8月までの各月における銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を12で除して得た割合として、各年の前年の11月30日までに財務大臣が告示する割合に年1%の割合を加算した割合。
ご注意ください! 規則的な連年贈与に一括課税も・・・
毎年決まった額を決まった時期に贈与するような規則的な連年贈与は避ける方が多いです。
「定期金に関する権利」とは、ある期間にわたって定期的に金銭等の給付を受ける権利のことで、年金が典型例です。
税務署が「定期金に関する権利」と判断して連年贈与を受けていた金額について一括で課税するリスクがあります。
贈与の方法はさまざま。所轄税務署または税理士等の専門家に相談しましょう。
- 贈与の時期、金額を毎年変える
- 現金や有価証券等贈与財産に変化をもたせる、等
平成27年分以後の贈与税の実効税率
①贈与財産の評価額 | 200万円 | 300万円 | 400万円 | 500万円 | 600万円 | 700万円 | 800万円 | 900万円 | 1,000万円 | 1,500万円 | 2,000万円 | 2,500万円 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
②贈与税額 | 9万円 | 19万円 | 33.5万円 | 48.5万円 | 68万円 | 88万円 | 117万円 | 147万円 | 177万円 | 366万円 | 585.5万円 | 810.5万円 |
③実効税率(②/①) | 4.5% | 6.3% | 8.4% | 9.7% | 11.3% | 12.6% | 14.6% | 16.3% | 17.7% | 24.4% | 29.3% | 32.4% |
- ※前提条件:親から子、孫への贈与として特例税率で計算実効税率は小数点第1位未満四捨五入
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本資料に関するご留意点
- この資料の内容は、2024年1月現在の税制に基づいて作成しております。今後の税制改正等に伴い内容が変更となる可能性があります。なお、税金に関するご相談については所轄税務署または税理士等にご確認ください。
- この資料は、情報提供を目的として作成したものであり、特定の投資信託・生命保険・株式・債券・信託商品等の売買・契約申込を推奨・勧誘するものではありません。
- この資料の内容は2024年1月現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
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