POINT 1

海外資産への日本の相続税の課税について

海外資産が日本の相続税の課税対象となるかは「居住地や移住時期」がポイントになります。

  • 被相続人または相続人が日本国内に住所を有している場合は海外資産も相続税の対象になります。
  • 被相続人・相続人ともに海外に移住した(日本国内に住所を有しない)場合は、移住時期によって、相続税の課税対象が変わります。
海外資産について 被相続人
(日本人)
相続人
(日本人)
日本の
相続税の対象
居住地 国内 国内 対象
国内 海外 対象
海外 国内 対象
海外 海外
(被相続人の死亡から10年以内に被相続人、相続人のいずれかが日本国内に住所あり)
対象
海外 海外
(被相続人の死亡から10年以内に被相続人、相続人のいずれもが日本国内に住所なし)
対象外

POINT 2

日本と米国の相続手続きの違い

日本の相続財産は相続が発生すると、遺言書または遺産分割協議書に基づいて受遺者または相続人が承継しますが、米国では相続財産はいったん遺産財団に帰属し、プロベートと呼ばれる裁判所監督下の清算手続きが行われた後に受遺者または相続人に承継されるため、日本とは全く違う手続きになります。

日本と米国の相続手続きの違い

プロベートとは

米国の裁判所が関与する清算手続きをプロベートといいます。被相続人の相続財産は、いったん遺産財団に帰属します。裁判所から選任された人格代表者(遺言書がある場合は遺言執行者、遺言書がない場合は遺産管理人)が遺産財団の清算手続きを行います。

重要

相続をスムーズに進めるための確認事項

  • プロベート手続きは一般的に1~3年程度かかります。
  • 一方、日本の相続税の申告・納付は被相続人の死亡を知った日(通常は死亡日)の翌日から10ヵ月以内です。
  • 相続税の申告期限に遅れると「無申告加算税」、納税期限に遅れると「延滞税」の対象になります。
  • 原則として期限内の分割(遺言書その他の下記生前対策または遺産分割協議書)及び申告がない場合は、「相続税の配偶者の税額軽減」「小規模宅地の特例」等の適用が受けられません。
  • ただし未分割で相続税の申告をし、「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付することで、分割後4ヵ月以内の「更正の請求」によってこれらの特例を受けることができます。

一旦特例を受けない状態(未分割)で相続税を申告するため納税資金が高額になる可能性があります。さらに現地の弁護士費用が高額になるケースや、言葉の壁もあるなど、相続人への負担が大きくなることが予想されます。そのため、米国財産についても遺言書その他の下記生前対策をおすすめします。

解決策

プロベートを事前に回避・軽減する主な生前対策

プロベートを回避する生前対策として以下の方法が検討できます。

  1. 合有財産権(Joint tenancy)による不動産や銀行口座の共同保有
    不動産や銀行口座を2名以上の共同名義で保有する制度です。共同名義者に相続が起きた場合、亡くなった人の権利は死亡時に消滅し、他の権利者の単独所有となります。共有名義に変更する際(不動産の場合)など、贈与税の対象になる可能性があります。
  2. 死亡時支払口座(Payable On Death:POD)など
    預金口座の名義人の死亡時に、プロベートを経ず、予め指定した受取人(beneficiary)に預金が払い戻される条項付の口座です。生前に金融機関との間でPOD契約を結び、相続発生後に被相続人の死亡証明書を金融機関に提出することで利用できます。証券口座も同様の口座(Transfer On Death:TOD)があります。日本在住者の場合に認められるかは金融機関によります。また、州によっては、不動産について死亡時譲渡証書(Transfer on Death Deed)が認められており、死亡時の取得者を生前に登録しておけば、死亡時にプロベートは不要となります。
  3. リビングトラスト(Revocable living trust)
    生前のうちに信託契約書を作成し、ご自身の財産(不動産、銀行口座、証券口座等)を信託名義に変更する手続です。ご自身が信託設定者(Settlor)であると同時に受託者(Trustee)でもあることに特徴があります。そして、ご自身が亡くなった時のために、承継受託者(Successor trustee)を信託契約書の中で指定しておきます。ご自身のご相続が発生したときは、承継受託者がその権限において、不動産の売却や金融機関への照会、納税等を行って、信託契約書で指定された受益者(Beneficiary)への遺産の分配を行うこととなります。
  4. 海外遺言書の作成
    あらかじめ遺言書を作成することで、プロベート手続きの負担を軽減することが可能となる場合があります。日米それぞれで遺言を作成する場合は日本の遺言書には「日本の財産に限る」と書いて、米国の遺言書には「日本国外にある財産に限る」と書くことで、トラブルが起きないようにします。

他にもこんな方法も

  • 生命保険、遺言代用信託による納税資金の確保
  • 生前に米国資産を売却し、売却資金を日本に送金
  • 日本国内の財産については、遺言信託を活用

ご留意点

2024年7月現在の法律等に基づいて作成しております。また、内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取扱を記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取扱がなされる場合がありますのでご留意ください。
相続対策の立案・実行は税理士・弁護士等の専門家と充分ご相談のうえ、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。特に海外における法律・税務上の取扱については当該国における税理士・弁護士等に相当する専門家にも合わせてご相談いただき、本邦と対象国との間での租税条約の有無・内容等についてもご確認のうえ対策を検討くださいますようお願い申し上げます。

監修:東京ヘリテージ法律事務所 弁護士/ニューヨーク州弁護士 中田朋子

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留意事項

  • この資料は2024年4月1日現在の法令・税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取扱を記載しております。諸条件により本資料の内容と異なる取扱がなされる場合がありますのでご留意ください。
  • 対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
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