Today's Insight

2026/2/16 10:30作成

欧州株:2025年10-12月期決算 中間レビュー

■ 米関税引き上げの影響が依然として欧州企業の業績拡大に逆風となっている
■ 高水準の利益成長は株価に織り込まれ株価水準は割高で、株価は高値圏でもみ合うか

 金融情報会社LSEGの集計(12日時点)によれば、ストックス欧州600構成企業のうち、四半期売上高を発表予定の399社の2025年10-12月期売上高は前年比3.4%減と(発表済み企業は実績、未発表企業は市場予想)、3四半期連続で減収となる見込み。全10セクターのうちエネルギー(同22.5%減)、不動産(同9.6%減)など7セクターが減収となり、公益(40.5%増)、情報技術(IT、同1.4%増)など3セクターが増収となるとみられる。また、四半期一株当たり利益(EPS)を発表予定の341社の2025年10-12月期EPSは前年比1.1%減と、決算発表直前の1月初め(同3.7%減)の事前予想から上振れしているものの、7四半期ぶりに減益となる見込み。不動産(同119.8%増)、公益(同26.5%増)など4セクターが増益となる一方、一般消費財(同28.9%減)、資本財(同17.8%減)など6セクターが減益になることが予想されている。依然として米国の関税の影響が企業の生産活動や設備投資の重しとなっている様子がうかがえる。

 市場では、同指数の2026年の四半期EPS成長率(前年比)に関して、1-3月期が1.2%、4-6月期が5.7%と、緩やかな伸びが想定されている。指数構成比率の高い金融セクターが底堅く推移するなか、4-6月期以降は素材や資本財などの増益ペースが加速することが見込まれる。欧州各国の防衛・インフラ関連投資の追い風が徐々に強まり、2026年通年のEPS成長率は11.1%増と高い伸びが見込まれている。ただ、2026年予想EPSに関して、アナリストが過去1カ月間に予想を上方修正した銘柄数の比率から下方修正した銘柄数の比率を差し引いた「リビジョン・インデックス(RI)」は先週末時点でマイナス3.9%となっており、市場の利益見通しは悪化基調が継続している。世界的にAIの社会実装が進むことに伴い企業利益が伸び悩むとの懸念が広がるなか、業績改善期待が高まり株価上昇がけん引される構図を当面は想定し難い。また、向こう1年予想株価収益率(PER)は15.3倍と、2018年以降の平均水準となる14.0倍を上回る。欧州中銀(ECB)の大幅な利下げ観測は強まりにくく、米国資産からの資金シフトによるPERの押し上げ圧力を加味しても相当に割高な水準にあると判断される。同指数は当面、企業利益の拡大が実現するかを見極めつつ、高値圏でもみ合う展開になるとみる。


投資調査部長
山口 真弘

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