Today's Insight

2022/5/10 12:05作成

クロス円のカギ

■ クロス円の下落基調が強まるなか、豪ドル円とNZドル円は4月下旬以降で6%超の下げに
■ 来週末にかけて公表される主要国のインフレ指標にも注目し、クロス円に底入れ感が広がるか

 今朝のアジア市場でも、主要通貨に対する円買いが加速している。クロス円は概ね4月下旬をピークに下落基調が継続。日銀は4月27、28日の金融政策決定会合で、「指し値オペ」の運用を明確化したものの、ゼロコロナに向けた中国政府の規制強化は同国をはじめ世界経済の減速感を強め、円売りの勢いにブレーキをかけた。ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格高騰を背景に資源国通貨の上昇が際立ったが、豪ドル円は3月22日以来の豪ドル安・円高水準を付け心理的節目とされる90円割れ。ニュージーランド(NZ)ドル円は3月18日以来の81円台後半へ急落し、いずれも4月下旬以降で6%超の下げをみせている。また、英国のスタグフレーションリスクが指摘されるなか、ポンド円は160円ちょうど近くまで「往って来い」の動きとなっている。

 ユーロ圏も景気後退への懸念はくすぶるが、欧州中銀(ECB)のインフレ見通しに対する過小評価が修正され、複数のメンバーが6、7月に政策金利を引き上げる可能性を示唆。また、9日の対ドイツ戦勝記念日では、ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵攻を正当化したが、戦争宣言はせず今後の趨勢を見極めることとなった。ユーロ円も137円ちょうど近くまで軟化しているが、日銀会合直前の水準134円台後半を下値、4月21日高値140円ちょうどを上値に持ち合い相場の印象が強い。ユーロ円が4月27日安値134円77銭を下値メドに持ち堪えれば、クロス円にも底入れ感が広がるとみている。世界的にインフレが高止まりするなか、各国中銀の引き締めペース加速が景気見通しをさらに悪化させており、米中で明日公表の4月の消費者物価指数、来週末にかけて英豪など主要国で公表されるインフレ指標にも注目したいところ。

投資調査部
シニアFXマーケットアナリスト
二宮 圭子

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