Today's Insight

2026/2/2 10:15作成

日本:衆院選の結果による金融市場の反応を整理する

■ 衆院選で高市首相の政権基盤が強まれば、「高市トレード」への思惑が強まる見込み
■ 高市政権が財政不安の高まりに十分配慮し、「高市トレード」の勢いが削がれる可能性も

 衆院選が1月27日に公示され、2月8日に投開票が行われる。報道各社が衆院選の情勢調査を行い、複数の報道機関から自民党が単独過半数をうかがう勢いと伝わるなど、与党優勢で進んでいるようにみられる。ただ、衆院解散から投開票までの期間が戦後最短の16日となったほか、立憲民主党と公明党が中道改革連合を立ち上げるなど、異例ずくめの選挙とされる。選挙情勢を巡る不透明感がくすぶり、日本の金融市場には選挙結果を巡る思惑が十分に織り込まれないまま投開票を迎える公算が大きい。衆院選では与党(自民党と日本維新の会)並びに自民党の獲得議席数により政権基盤の安定度合いが変化するとみられ、それに伴う金融市場の反応を整理する。

 (1)与党で絶対安定多数(全常任委員会で委員長ポストを独占したうえで過半数が確保できる議席数、261議席)や自民党の単独過半数(233議席)など与党大勝となった場合には高市政権の政権基盤が強化され、財政拡張策の実現への思惑が高まり株高・金利上昇・円安が生じるだろう。

 (2)与党が安定多数(全常任委員会で委員長を出せ国会運営が円滑になる議席数、243議席)を確保し勝利した場合には政権基盤が安定化し、(1)と同様の金融市場の反応となるものの、反応の強さは相対的に小さくなるだろう。

 (3)与党が過半数を確保するにとどまるなど辛勝となった場合には、政権基盤の不安定感が継続する。株価は短期的にはこう着し、連立相手や野党の財政拡張的な政策を受け入れる必要があることから、金利上昇、円安圧力がかかるだろう。なお、(1)-(3)のケースでは、国債利回り上昇が日本から米国に波及することに米財務省から苦言を呈されたことを受けて、高市政権が財政不安の高まりに十分配慮する姿勢を強め、上記の金融市場の反応が限定的となる可能性も相応にあるとみる。

 (4)与党が過半数割れとなった場合には高市内閣が退陣し、政治的不透明感が強まるなかで財政不安が高まり、大幅株安、金利上昇、円安となろう。ただ、現時点での選挙情勢を踏まえると、当該ケースはリスクシナリオと位置付けられよう。


投資調査部長
山口 真弘

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