Today's Insight

2018/11/5 12:00作成

10月米雇用統計の評価

■ 雇用情勢は良好だが、賃金上昇ペースが加速と判断するのは早計
■ 米国債利回りの上昇余地は限定的。平均時給の動向には引き続き注目。

2日に10月の米雇用統計が公表された。非農業部門雇用者数は前月比25万人増と事前予想(20万人)を上回ったほか、失業率は3.7%と前月と同水準であるものの、労働参加率が62.9%に上昇するなかでも約48年ぶりの低水準を維持した。雇用情勢が引き続き良好であることを示す内容と評価できる。一方、平均時給は前年比3.1%増と9年半ぶりに3%台に乗せたが、比較対象となる前年の水準がハリケーン(ハービー、イルマ)の影響などにより低いことによる公算が大きい。前月比では0.2%増と前月(0.3%増)を下回っていることも踏まえれば、賃金上昇ペースが加速したと判断するのは早計であろう。

2日の金融市場で、米10年国債利回りが一時3.22%台を付けたことで、日米金利差拡大を背景としたドル高と割高感が意識された株安が発生したが、上記の雇用統計の評価をもとにすれば、こうした動きは持続性を欠くと思われる。来月の雇用統計においても、引き続き平均時給の動向に注目しておきたい。


投資調査部
シニアマーケットアナリスト
山口 真弘