Today's Insight

2019/3/13 12:30作成

豪ドルへの向かい風が強まっている

■ 豪企業マインドがすぐに回復するのは難しいか
■ 消費者は豪経済の先行きに慎重な見方を強めている

 3月12日に発表された2月のNAB(ナショナルオーストラリア銀行)企業景況感指数、同信頼感指数は2018年央から下落基調で1月はいったん持ち直したものの、再び低下。それぞれ4、2とどちらも前月(7、4)を下回り、景気減速の兆候を示す内容となった。企業の設備稼働率は直近3カ月で大きく低下しており8つの工業セクターの内6つが減少、特に鉱業、建設、小売業の低下が目立った。先行きの注文も減少しており、企業マインドがすぐに回復するのは難しいだろう。一方、前月と同水準を維持した雇用指数に関して、NABは「ひと月で1万9000人の雇用者数増が示唆され、昨年ほどの力強さはないものの、最近の失業率の低下を維持するには十分である」と指摘。雇用の伸びが消費をサポートし、労働市場の逼迫が賃金の上昇圧力を強めるとした。ただ、足元の労働市場の回復は昨年初めの経済成長が時間をおいて作用していると解釈され、足元の景気減速がこの先の労働市場に下押し圧力となる恐れがあるとの認識を示した。金利先物市場から算出される豪州準備銀行(RBA)の年内利下げ確率は73.9%(3月12日時点)となっている。現状の労働市場を巡る企業調査を鑑みれば利下げまでは行き過ぎていると思われるものの、今後雇用の伸びが鈍化し、失業率が上昇する可能性には注意する必要があろう。

 今朝公表された3月のWestpac消費者信頼感指数は、2月に103.8と楽観・悲観の判断の分かれ目となる100を上回ったものの、再び低下し98.8と2017年9月以来の低水準を付けた。特に消費者の先行き1年の経済見通しが変化しており、前月比6.9%低下した。また、14日に中国で1-2月の主要経済指標が発表される。市場予想によれば、固定資産投資は伸びが高まるものの、小売売上高と鉱工業生産は軟調な結果になる見通しで中国の景気減速懸念が強まる恐れがあろう。上述した要因を踏まえると、豪ドルへの向かい風が強まっているとみられ、目先の豪ドル米ドルは節目の0.70米ドルちょうど付近、豪ドル円は3月8日安値77円73銭辺りで下げ渋れるか注目したい。

投資調査部
マーケットアナリスト
池田 崇明

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