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Today's Insight

2020/3/31 10:30作成

2月の国内投信市場動向と3月下旬の株価急反発

■ 2月の国内投資家は、海外株式へ投資するファンドとバランス型ファンドを選好
■ 3月第4週の株価急反発は、四半期末を控えた投資家の機械的なリバランスが背景の一つか

 本稿では、2月の国内投信市場動向から国内投資家の投資姿勢を確認し、3月下旬の株価急反発の背景を考える。前提として2月の金融市場動向を振り返ると、中旬を境に市場のムードはリスク選好からリスク回避へ一転した。中旬までは欧米株への選好が強まるなか、米国株と欧州株の株価指数はともに過去最高値を更新。その後、欧米で新型コロナウイルスの市中感染者増加が嫌気されるなどして、世界同時株安の流れに覆われた。

 そうしたなか、2月の国内投信市場は約2300億円の流入超と、2カ月連続の資金流入超が観測された。流入が顕著だったのは海外株式へ投資するファンドであり、約1800億円の流入超に。中でも、北米を中心としたグローバル株式へ投資するファンドに対しては、合計で約2600億円の流入額を記録するなど、昨年の株安局面で国内株式へ資金流入が集中した点との違いがみられた。他方、共通点としては、バランス型ファンドへの選好が続いた点だ。2月は約1400億円の資金流入超となっている。また、国内株式へ投資するファンド全体では約100億円の資金流出となったものの、インデックス型ファンドに対しては資金流入超となった模様。

 2月の結果からは、昨年5月、8月、今年1月と同じく、株安局面で国内投資家が株式の「押し目買い」に動いたと推測できる。2月中旬までの欧米株選好という市場の流れにも整合的な投資行動だったと言えよう。ただ、2月末から3月第3週までの騰落率を確認すると、米国株式(S&P500)がマイナス22.0%、日本株式(TOPIX)がマイナス15.1%、新興国株式(MSCIエマージング指数-米ドル建て)がマイナス20.0%など、株価指数は軒並み大幅下落を記録している。本稿執筆時点では、今回の短期的な「押し目買い」は不発だったという評価になる。

 一方、3月第4週は世界的に株価が急反発した。背景は各国政府や中央銀行による景気刺激策などがあるが、他にも月末を控えた投資家の機械的なリバランスの動きを指摘したい。3月第3週までの株価調整を考慮すると、月末にかけてバランス型ファンドなどで相応に「債券売り、株買い」のリバランスが必要だった可能性が高い。ただ、直近の株価反発がリバランスに支えられたと仮定した場合、4月に入ると株価押し上げ要因が一つ剥落する。3月中旬以降に株価は底値固めに入ったように見えるが、明確な反発局面に転じたとの評価は早計か。



投資調査部
マーケットアナリスト
合澤 史登

注目のチャート

2020/3/30 10:00

新型コロナウイルス 過去の事例は参考になるか

新型コロナウイルス 過去の事例は参考になるか

 今年1月に中国武漢市で大規模な感染が始まったとされる新型コロナウイルス(COVID-19)は、瞬く間に世界中に広がった。1月末にイタリアが非常事態宣言を行い、3月13日には米国、14日にスペインなどが続き、アジアから欧米に流行の中心は移動した。こうしたなか3月11日、世界保健機関(WHO)は「パンデミック(世界的流行)」であると表明、3月29日時点の世界の感染者数は66万人を超える。トランプ米大統領は非常事態宣言の際に欧州から米国への渡航の30日間停止を決め、欧州連合(EU)も外国人の域内への入国を30日間原則禁止で応酬した。3月中旬辺りから国際的な人の移動や大型イベントがほぼ停止の事態となっている。
 新型コロナウイルス流行で最も影響が大きいとされる航空業界の団体、国際航空運送協会(IATA)によると、2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)、2015年の中東呼吸器症候群(MERS)など過去の大規模な感染症流行時には、発生から3カ月が最も旅客数が減少し、6-7カ月後には平常に戻っていた。今回も同様になるとのシナリオに基づき、IATAは新型コロナウイルスにより、2020年の旅客数が19%減少、1130億ドルの損害と試算している(3月24日時点)。
今回もSARSやMERS同様にコロナウイルス系の感染症であることを踏まえ、早期に流行が起こった地域では4月頃までが最悪期となり、夏場の鎮静化を期待する向きも多い。一方、感染地域がこれまでと比べ格段に広いことから、過去の例は参考にならない可能性も高まっている。


投資調査部
シニアマーケットエコノミスト
白鳥 朋子

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