豪ドルには底入れの兆しも

■ 豪労働市場は引き続き堅調だが、早期利上げの可能性は低い
■ 豪ドル米ドルには上値の重さが残り、中国をはじめ新興国市場にも目配りする展開へ

本日発表された8月の豪雇用統計で雇用者数は前月比4万4000人増と1-8月平均(同2万1800人増)を大幅に上振れたほか、正規雇用者も同3万3700人増と3カ月連続でプラス基調を維持した。失業率は5.3%と前月と変わらず2012年11月以来の低水準を維持、労働参加率は65.7%へ前月から0.1%ポイント上昇した。豪州準備銀行(RBA)は9月4日の理事会声明で雇用情勢の先行きに自信を示していたが、低賃金がしばらく続く可能性も示唆。昨日発表された9月のウェストパック消費者信頼感指数は100.5と前月比3.0%低下、先月末の党首選に伴う与党自由党の結束力に対する不透明感と市中銀行による相次ぐ住宅ローン金利の上昇が家計マインドの悪化につながり、伸びは2カ月連続でマイナス圏に落ち込んだまま。労働市場は総じて堅調であることが確認されたが、18日公表のRBA理事会議事要旨では早期利上げに慎重姿勢であることを改めて認識することとなろう。

本日の東京市場では豪雇用統計が市場予想を上回り、豪ドル買いが加速。米中通商交渉への期待感も再燃し中国株も上昇、豪ドル米ドルは0.72米ドルちょうど付近、豪ドル円は80円台前半へ上値を伸ばしている。市場予想では、中国で明日発表される8月の小売売上高や鉱工業生産の伸びは低調だった7月と同水準が見込まれており、これらの指標が市場予想をも下振れれば、豪ドルは上伸を阻まれる可能性もある。ただし、目先はそれぞれ9月11日安値0.7085米ドル、7日安値78円69銭で底入れの兆しも表れており、豪ドルの反発力が試されよう。いずれも日足一目均衡表の基準線0.7269米ドル、80円67銭を上抜ければ豪ドルは反転上昇に向かうとみている。上値メドは7月以降の下げ幅に対する半値戻し0.7285米ドルと81円31銭辺り。基調的には米ドル高・円安地合いを受けて、豪ドル円よりも豪ドル米ドルに上値の重さが残り、中国をはじめ新興国市場にも目配りする相場展開が続くことになる。


※本資料記載のマクロ経済見通しは、当行がライセンス契約を結んでいるCiti Researchの予測を参照しています。

投資調査部
シニアFXマーケットアナリスト
二宮 圭子