Today's Insight

2026/3/31 12:40作成

投資家心理悪化に伴う有事のドル買い進展

■ VIX指数とDXYがそれぞれ30と100を越えたのは、米関税政策発動の「解放の日」以来
■ 中東での停戦合意が見通せるまでは投資家の不安心理が高まりやすく、有事のドル買いは進展

 米シカゴ・オプション取引所がS&P500種株価指数を対象に見込むオプション取引のボラティリティを下に算出したVIX指数は、投資家の不安心理を表すとされ、20を超えると警戒感が高まっていると判断される。中東での武力衝突が一段と激しくなり紛争長期化が意識され、27日には終値で31台まで急騰後も高値圏で推移、3月9日に付けた高値35台に迫る勢いをみせている。

 こうしたなか、ドルインデックス(DXY)はドル全面高の展開となり30日には100.614まで上昇し、2025年5月以来の高値を付けた。米・イスラエルがイランへの攻撃を開始した2月28日以降のVIX指数とDXYの上昇は顕著で、VIX指数の30越えとDXYの100越えが同時に発生したのは、トランプ米大統領が「解放の日」として全世界からの輸入品に10%の基本・追加関税を発動した2025年4月2日以来である。当時、貿易摩擦による景気悪化懸念が高まるなか、米大統領は米連邦準備理事会(FRB)議長の解任を示唆しドルの信認が低下したが、DXYは高止まり。2025年4月2日以降から足元までのVIX指数とDXYの相関係数は0.60と相応に強い正の相関が確認された。
 
中東情勢が混迷を極めるなか米国は幕引きを急ぐが、イスラエルは強硬姿勢を貫き両国の思惑にズレが生じている。一方、イエメンの親イラン武装組織フーシ派はイスラエルへの攻撃を宣言し、中東紛争は拡大の一途をたどっている。米国・イスラエルとイランの停戦合意が確実に見通せるようになるまで、当面はVIX指数が平時の20まで戻りづらく、DXYも高値圏で推移し「有事のドル買い」が進展しよう。

投資調査部
シニアFXマーケットアナリスト
二宮 圭子

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