Today's Insight

2020/7/2 12:00作成

ドル円の膠着商状は続こう

■ 企業マインドの改善を受けて、米景気先行きへの期待は高まるが、雇用回復には時間が掛かる
■ 6月米雇用統計の結果に伴い、ドル円は振幅しようが、107-108円台をコアレンジに膠着か

 ドル円は昨日の東京市場で3週間ぶりに108円台を回復した。6月30日は月末・四半期末特有の需要が相場を押し上げたとの見方もあったが、昨日は市中銀行の仲値決裁後に一転急落し、欧米市場では107円台前半まで押し戻された。本日の東京市場では107円台前半から半ばで小康状態となっている。こうしたなか、ドルの相対的価値を表すドルインデックスは1週間ぶりの水準へ低下しているが、ユーロ円などクロス円は概ね下げ渋る動きとなっており、今のところ、全般的な円高が進行している様子はうかがえない。

 昨日の海外市場ではリスクオンに伴うドル安の一因とされた、6月の米ISM製造業景況感指数が52.6と4カ月ぶりに好不況の分かれ目50.0を超え、昨年4月以来の高水準を付けた。一方、内訳の雇用指数は42.1と4月(27.5)を底に2カ月連続で上昇したが、11カ月連続で50.0を下回る状況が続く。2008年金融危機の際がそうであったように、雇用指数は総合指数の好転を後追いし、雇用回復には時間が掛かることが確認された。市場予想では、今晩発表の6月米雇用統計で非農業部門雇用者数(NFP)は前月比300万人増へ伸びが加速、失業率は12.3%へ改善する見込み。

 6月5日に発表された5月米雇用統計では、NFPが市場予想に反して大幅増となるなど労働市場の急回復が好感され、ドル円は109円台後半へ急伸した。今晩も、市場予想の上振れや下振れに伴い、ドル円は振幅することが想定される。ただ、米カリフォルニア州では感染者急増を受けて行動制限が再導入されるなど、経済活動再開への期待が後退している。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(6月9、10日)では、「あらゆる手段を講じる」との認識が示され、低金利維持の指針明示が検討されたが、長短金利操作への支持は少なかったという。これらに鑑みれば、ドル円は目先、日足一目均衡表の基準線107円95銭と転換線107円11銭を上下メドに居所を探るが、上伸しても同雲上限108円78銭で上値の抵抗を受けよう。

投資調査部
シニアFXマーケットアナリスト
二宮 圭子

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