Today's Insight

2021/12/2 12:00作成

豪景気減速は一時的

■ 7-9月期実質GDPは前期比年率7.5%減と5四半期ぶりのマイナス成長に転じた
■ 個人消費の復調や設備投資の回復を見込み、10-12月期はプラス成長に戻る見込み

 豪統計局が公表した7-9月期の実質GDPは前期比年率7.5%減と5四半期ぶりのマイナス成長となった(2020年4-6月期は同24.5%減)。純輸出は同4.2%増と6年ぶりの高い伸びを記録したが、GDPの50%超を占める個人消費が同9.8%減へ大幅に減速したほか、設備投資が同0.3%増と低調になるなどして成長を押し下げた。新型コロナウイルス感染拡大を阻止するため、政府がニューサウスウェールズ州(NSW)、ヴィクトリア州(VIC)、オーストラリア首都特別区域(ACT)での都市封鎖を長期化したことが響いた。特に、人口500万人のメルボルンでは、VIC州政府がワクチン接種を強化するため、2020年3月以降から断続的に導入した都市封鎖が累計で9カ月近くに及び世界最長と報道された。

 7-9月期の家計貯蓄率は19.8%と前期(11.85%)から急上昇、10月の小売売上高は前月比4.9%増と前月(同1.3%増)から伸びが加速した。豪全土の都市封鎖は段階的に解除され、10-12月期以降の個人消費の復調が期待される。ANZ/ロイ・モーガンが公表した11/28週の消費者信頼感指数は106.0と、11/7週(109.0)をピークに家計マインドの改善に歯止めが掛かる兆しが表れており楽観視はできない。ただ、現時点では政府が都市封鎖など厳格な措置を取らず、コロナウイルス抑制の予防的対策を継続するとしており、内需回復が成長を下支えしよう。市場予想によれば、10-12月期の実質GDPは前期比年率7.4%増、2022年1-3月期は同8.0%増と景気拡大が見込まれる。


投資調査部
シニアFXマーケットアナリスト
二宮 圭子

ご登録はこちら