Today's Insight

2025/10/7 13:00作成

ドルインデックスは本格的上昇に向かうかどうか

■ 高市新総裁の政策推進力は未知数で、円下落(円安)への思惑は一巡するとみている
■ ドル円の続伸はドルの自律反発によるところが大きく、目先はドルインデックスのトレンドに注目

 ドル円は3日終値147円44銭と6日始値149円19銭が乖離して取引が始まる「窓(ギャップ)」を開けた。ギャップは月曜日に起こりやすく、一定の方向に対する強い売買を示唆する市場の過熱感の表れでもある。ギャップは、後に価格が元の水準に戻る「窓埋め」を狙うのに時間を要することもあり、埋まらないケースもある。ドル円は7日のアジア時間でも150円台後半でじり高に推移し、8月1日高値150円91銭を視野に入れる展開となっている。高市新総裁の選出は積極財政や金融緩和を意識した円安に拍車をかけている。自公連立与党は衆参両院で議席数が過半数に届かず、10月半ばの臨時国会召集や首相指名選挙など目白押しの政治日程に向けて野党との協議や連携は欠かせない。新総裁の政策推進力は未知数で、財政悪化懸念や利上げ先送りを巡る円下落(円安)への思惑は一巡するとみている。ドル円の続伸はドル高に転じるかがカギを握るだろう。

 主要通貨に対するドル指数を示すドルインデックス(DXY)は9月17日に96.218で下げ止まると反転し、同25日には98.605まで上値を伸ばした。年初からの下落トレンドは継続しているものの、昨日終値98.108は1月を起点とする上値抵抗線を超えており、DXYは底入れの兆しが表れつつある。雇用統計など米政府が公表する経済統計の発表遅延によりドル相場は方向感を欠き、足元はフランスの政局・財政不安に伴うユーロ安や高市新総裁誕生に伴う円安がドルを押し上げている印象が否めない。米政府機関再開に向けてつなぎ予算案が成立するか進展が待たれるなか、目先は8日公表の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨や10日公表の10月ミシガン大消費者信頼感指数速報値がドルの自律反発を促すきっかけとなるか注目したい。こうしたなか、DXYが9月25日高値98.605を明確に上回れば本格的な上昇局面に向かい、ドル円の上昇を後押しする可能性もあろう。


投資調査部
シニアFXマーケットアナリスト
二宮 圭子

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