Today's Insight

2018/11/6 11:30作成

米中間選挙後のドル円について

■ 世論調査では上院は共和党が過半数を維持し、下院は民主党が奪還する見込み
■ 政局を巡る不透明感が後退すればドル高圧力がかかるか

 11月6日に米中間選挙が行われ注目される。今回の選挙で想定されるケースは主に2つある。1つ目は、上院、下院ともにトランプ米大統領率いる共和党が過半数を維持するケースが予想される。仮に、共和党が選挙に勝った場合、市場ではサプライズと捉えられるだろう。「ねじれ議会」が回避されれば、今後も政策を打ち出しやすくなるとの思惑や、同大統領が述べた中間所得者層を対象とした10%の追加所得税減税案が実現する可能性が高まろう。米国経済の成長を後押しするとの見方からドル高圧力がかかるとみている。

 2つ目は、上院の過半数を共和党が維持し、下院を民主党が奪還することが想定される。トランプ米大統領が率いる共和党は、下院で退任する議員数が1992年以降で最大の38人となっている。現職議員の再選率が近年9割近くに達していることから共和党に不利な情勢であると考えられ、世論調査からも下院の過半数の議席を民主党に奪われる公算が高い。そうなれば、政策運営が停滞するとの懸念から、短期的にはドル安圧力がかかる恐れがあろう。ただ、同調査ですでに下院での民主党の優勢が報じられていることを鑑みれば、ある程度市場には織り込まれているだろう。また、過去直近5回の米中間選挙後のドル円の値動きでは2014年11月の際は上昇を維持し、同年を除く直近4回の平均値では、中間選挙を境に明確にドル安に転じる傾向はみられなかった。

 上記のことを勘案すると、今回の米中間選挙を境にドル安基調に転じる公算は小さいと予想。目先は政局を巡る不透明感が後退し、12月の米連邦準備理事会(FRB)の利上げが意識されるなか、好調な米国経済を背景にドル高・円安に振れるとみている。ドル円は10月4日高値114円55銭を上値メドに堅調に推移する展開か。


投資調査部
マーケットアナリスト
池田 崇明