トルコ中銀は予想を上回る利上げを決定

■ トルコ中銀は17.75%から24.0%へ利上げ。引き上げ幅は市場予想を上回った
■ 懸念されていた中銀の独立性はいったん守られた格好

 昨日開催されたトルコ中銀(CBT)の政策決定会合は、政策金利を17.75%から24.0%へ引き上げることを決定、声明文で「必要なら一段の金融引き締めを行う」と表明した。市場予想は21.0%への引き上げだったため、この決定は好感され、トルコリラは対米ドルで6.55リラ台後半から6.01リラ台後半へ急伸、足元は6.13リラ台後半で推移する。

 今回のCBTの決定は様々な面で注目されていた。まず、今年初めからの通貨リラの下落に伴い、トルコでは物価が高騰している。直近8月の消費者物価指数(CPI)は前年比17.9%上昇と約15年ぶりの高い伸びになった。CPIは2016年12月以降、インフレターゲットである5%±2%(3-7%)をはるかに超えて推移しており、CBTは利上げを続けてきた。ただ、6月の大統領選で再選されたエルドアン氏が選挙活動中より景気支援の利下げを強く主張し、当選した場合にはCBTへの関与も強くすると公約。これが中銀の独立性を損なうとして海外の投資家から嫌気され、さらなるリラ安を招く悪循環となっていた。こうしたなかエルドアン氏の再選後初となる7月24日の金融政策会合では、利下げこそ回避したものの、政策金利据え置きを決定し、リラは対ドルの過去最安値を連日更新することとなった。8月のCPIが発表された今月3日にCBTは「物価安定への重大なリスクに対応する」との声明を発表。事実上の利上げ予告と市場は受け止めたが、政策発表の直前にエルドアン大統領が「金利を引き下げるべきだ」と発言するなど最後まで波乱含みの展開となった。

 通貨安に歯止めがかかり、物価上昇が落ち着くにはしばらく時間がかかるうえ、トルコ経済の問題は他にも山積しているものの、CBTの独立性は一応守られたといえよう。ただ、エルドアン大統領は再任後、中銀総裁・副総裁の任命権を握っており、今後のCBTとの関係にも注視が必要だ。

※本資料記載のマクロ経済見通しは、当行がライセンス契約を結んでいるCiti Researchの予測を参照しています。

投資調査部
シニアマーケットエコノミスト
白鳥 朋子