Today's Insight

2019/3/14 10:30作成

2月の市場環境を振り返る

■ 2月は年初来の流れが継続し、先進国のリスク資産の価格が底堅く推移
■ 個別の資産クラスでは、中国株(上海総合指数)の突出した上昇率に市場の注目が集まった

 2月は年初来の流れが継続し、先進国のリスク資産の価格が底堅く推移した。当行のモデルポートフォリオを構成する6つの資産クラス(米ドル建て)の騰落率をみると、最も上昇したのは「先進国株式(+3.0%)」、続いて「先進国ハイイールド債券(+1.5%)」、「新興国債券(+0.6%)」、「新興国株式(+0.2%)」となり、最も下落したのは「先進国債券(-0.9%)」だった。

 2月も市場全体の注目は以下の3点に集約され、いずれもリスク資産の価格を下支えする方向に作用した。すなわち、(1)米連邦準備理事会(FRB)の政策スタンス、(2)米中通商協議の行方、(3)英国の欧州連合(EU)離脱を巡る議論である。(1)では、複数のFRB当局者が、引き続き追加利上げに「辛抱強く」対応するスタンスを表明した。併せて、2月26-27日に開催された議会証言では、パウエルFRB議長が「年内のバランスシート縮小停止」に大きく踏み込んだ意見表明を行い、市場へ安心感をもたらした。また、(2)では2月中旬以降、米中間の協議が断続的に行われた結果、3月2日に予定されていた制裁関税の引き上げが延期された。加えて、(3)では、これまで頑なに3月29日の離脱期限延期を拒否していたメイ英首相の方針変更を受けて、「合意なき離脱」回避への期待感が高まった。

 個別の資産クラスでは、中国株の値動きに市場の注目が集まった。2月の上海総合指数は+13.7%(現地通貨ベース)と、他の資産クラスと比較して突出した上昇率となった。また、年初来の2月末時点の上昇率は+17.9%(同)であり、2018年通年の下落を半分以上取り戻した形。これは、米中通商協議を巡る期待感や、中国当局による景気刺激策が奏功している結果と考える。加えて、来年にかけて中国株式市場へ資金流入継続が見込まれる点を指摘したい。2月末には、米MSCIが自社の株式インデックスで中国株の組み入れ比率を従来の4倍へ引き上げるタイミングを、当初の今年8月から同5月へ前倒しすると公表した。他にも、英FTSEや米S&Pなども主要インデックスへ中国株の組み入れを開始すると既に公表している。インデックスファンドなどを通じた資金流入の継続期待は株価を支える材料として残るとみられる。

 ただ、新興国株式に対する当行の見通しは「中立」を維持。中国株についても、目先は上記のような好材料が並ぶものの、年後半にかけては景気減速圧力が高まるであろう点を重要視している。上昇基調の維持には、良好な需給環境のほかに景気の好転が必要ではないか。



投資調査部
マーケットアナリスト
合澤 史登

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