Today's Insight

2019/3/15 9:30作成

高まる日銀の追加緩和期待

■ 本日まで開催の日銀政策決定会合は政策据え置きと景気判断下方修正が予想される
■ 日銀の追加緩和期待は高まっており、景気判断が維持されても、円安傾向は当面根強いと予想

 3月15日まで開催中の日銀政策決定会合では、政策据え置きの決定が市場のコンセンサスだ。Bloombergの調査でも、46人のエコノミスト全員が据え置きを予想している。ただ、日銀の次の政策変更については、前回1月の調査時点では「追加緩和」が9人に対して、「引き締め」が41人と圧倒的だったが、今回は17人が「追加緩和」、29人が「引き締め」と答えており、「緩和」と「引き締め」の差は急激に縮小した。「追加緩和」の時期については、2020年末までが8人と最も多く、来年にかけて世界景気が減速するとの見通しが優勢となるなか、日銀は来年追加緩和に踏み切るとの予想が勢いを増していることがうかがえる。そもそも、2月21日に日銀黒田総裁が2%の物価目標達成に向けた勢いが失われれば、「当然、追加緩和策を検討する」と述べたことが、市場予想が大きく転換したきっかけと考えられる。

 米連邦準備理事会(FRB)に始まり、欧州中銀(ECB)や豪州準備銀行(RBA)など主要中銀が景気判断を下方修正した流れに日銀も加わると市場はみている。実際、昨年10-12月期の日本の実質GDPは前期比年率0.5%増と定義上の景気後退となる2期連続のマイナス成長こそ免れたものの低調、1月の景気動向指数の基調判断は「足踏み」から景気後退局面に入ったことを示す「下方への局面変化」に引き下げられた。景気変調を示す材料は米国以上に目立ち、今回日銀は「着実な成長」とした海外経済、「増加基調」とした輸出と生産の判断を下方修正すると考えられる。追加緩和手段としては、市場では他と比較すれば副作用が少ないとされるETFを買い増すとの期待も出ているが、今回の政策決定会合では景気判断の下方修正にとどまるだろう。ただ、決定会合の結果発表前から追加緩和期待の円安が進み、ドル円は再び節目の112円を目指す展開となっている。日銀が景気判断を維持した場合は巻き戻しが予想されるが、その場合も追加緩和期待がくすぶるなか、下値は日足一目均衡表基準線の110円88銭辺りまでに限られるだろう。


投資調査部
シニアマーケットエコノミスト
白鳥 朋子

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