Today's Insight

2020/2/19 10:00作成

トルコ中銀は当面利下げ続行か

■ 市場予想によると、トルコ中銀は2月も利下げを決定、政策金利を10.75%とする見通し
■ 中銀は物価が次第に落ち着くとの見通しに沿って、政策金利を1桁台へ引き下げていくとみられる

 日本時間19日20時、トルコ中銀の政策決定会合の結果が発表される。市場予想では、0.5%の利下げを決定、政策金利は10.75%となる見通し。市場予想通りであれば、6会合連続の利下げとなる。

 中銀は今年から政策決定会合を毎月開催するうえ、トルコリラ安などにより、物価上昇率が加速しているため、利下げペースは緩やかになると市場ではみられていたが、引き続き積極的な利下げを行うとの見方が再び優勢になっている。消費者物価上昇率は昨年10月に前年比8.55%まで落ち着いていたが、直近1月は同12.15%へ加速しており、通常であれば物価高騰に拍車をかける恐れもあり、利下げは慎重に行われるところ。だが、1月22日にウイサル総裁が、物価上昇率は今年半ばまでに10%を切るところまで落ち着くとの見通しを示し、「金融政策はこの見通しに沿って進めていく」と述べ、注目されている。2018年10-12月期から2019年4-6月期まで3期連続でマイナス成長が続いていた脆弱なトルコ経済のテコ入れが必要なこともさることながら、エルドアン大統領が「2020年には1桁台の金利と物価上昇率を達成する」と繰り返し表明していることが背景にあるとみられる。利下げに抵抗した前総裁は更迭され、ウイサル総裁は2019年7月の就任以来、全会合で利下げを決定している。大統領からの圧力は強く、1桁台に向けて当面は利下げが続く公算は大きい。

 こうしたなか、中銀の独立性が疑われ、トルコリラは弱含みが続いている。足元では、ロシアとの協調体制を維持していることで米国をはじめ北大西洋条約機構(NATO)諸国との関係が悪化するなか、昨年10月に軍事侵攻したシリアのアサド政権との戦闘でトルコ軍に犠牲者が出るなど地政学的リスクも高まっている。昨日、トルコリラは対ドルで6.07リラと昨年5月以来の安値を付けた。2018年に付けた過去最安値7.2リラにはまだ距離があり、突発的なリラ安を回避する姿勢を中銀が維持しているものの、リラの先安観は強いと考えられる。

投資調査部
シニアマーケットエコノミスト
白鳥 朋子

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