Today's Insight

2020/9/15 11:00作成

8月の国内投信市場動向は、7月の流れが継続した

■ 8月の金融市場と国内投信市場は、概ね7月と同じ流れが続いた
■ グロース株調整を踏まえた上で投資家の海外グロース株選好が変わるか、9月の結果に注目

 本稿では、8月の国内投信市場動向から国内投資家の投資姿勢を確認する。大まかにまとめると、金融市場も国内投信市場も、概ね7月と同様の流れにあったと整理する。まず、8月の金融市場では、新型コロナワクチン開発に対する期待感や米連邦準備理事会(FRB)の金融緩和姿勢がリスク資産を支えた。また、株式市場ではグロース株優位の展開が続くなか、S&P500とナスダック総合が過去最高値を更新するなど、米国株が市場を牽引した。

 そうしたなか、8月の国内投信市場は約1000億円の資金流入超と、2カ月連続で流入超過となった。7月に比べて資金流入額が減少したのは、新規設定ファンドへの投資額が少なかったためだろう。最も流入額が膨らんだのは、7月に続き海外株式へ投資するファンドに対してであり、約3300億円の流入超だった。対して、国内株式へ投資するファンドからは約2000億円、海外債券へ投資するファンドからは約700億円の資金流出超を記録した。中でも、国内株式へ投資するファンドのうち、グロース型からの資金流出額は約1600億円となるなど、「海外グロース株買い・国内グロース株売り」の流れも含めて、金融市場の動向と同じく国内投信市場全体の傾向も、7月までと大きく変わっていないことが確認できた。

 ただし、個別ファンドにまで落とし込むと、海外株式へ投資するファンドを巡る資金の出入りが活発だったことが確認できた。8月も、資金流入上位10ファンドのうち7ファンドが主に海外グロース株へ投資するファンドであり、投資家の選好姿勢が示された。一方で、資金流出上位10ファンドを確認すると、5ファンドが海外グロース株へ投資するファンドだった。つまり、海外グロース株へ投資するファンドの中で、既に投資対象による選別が起こっていたと言える。折しも、9月上旬にはグロース株の代表である米国の主要ハイテク関連銘柄を中心に価格調整が起こった。金融市場の変調を受けて、9月の国内投信市場でも投資家による海外グロース株選好姿勢が続くかどうか、注目したい。この点について、筆者は本稿執筆時点で、今般の株価調整が、8月までの株価上昇に伴う過熱感という、景気や企業業績の動き以外の要因をきっかけとして起こったとみている。そのため、9月も国内投資家の海外グロース株選好は変わらないと考えている。



投資調査部
マーケットアナリスト
合澤 史登

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