Today's Insight
2026/7/2 12:30作成
足元のドル高・円安の着地点
■ ウォーシュFRB議長による政策運営の実現は、ドルの信認を取り戻す一因となろう
■ ドル円は上昇チャネルを形成中で、トレンド継続・転換の見極めとなるミッドラインに注目
1日、ドル円は1986年12月以来の高値となる162円83銭まで上伸した。本邦当局による為替介入への市場の警戒感は緩んでいないとみられるが、片山財務相や三村財務官の円安けん制は大規模介入の実施が始まった4月下旬と比べてトーンダウンした印象を受ける。政府が7月中旬に閣議決定の予定と伝わる「骨太の方針」の概要を踏まえ、市場では日銀の追加利上げのハードルは高いとの受け止めが広がっている。政策金利は日銀の推計する中立金利(1.1-2.5%程度)を下回る水準にあることを踏まえると、為替介入が再び実施されて大幅に円高が進行しても持続性は乏しいだろう。
足元の為替市場はドルインデックス(DXY)が6月下旬に13カ月ぶりの高値となる101.80の高値を付けた後も高止まりし、ドル高の展開である。ウォーシュ米連邦準備理事会(FRB)議長は1日のパネルディスカッションで、ここ数週間におけるインフレ期待の低下とインフレリスクの後退を指摘、またFRBの独立性と物価安定の実現をコミットした。6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では金融政策に関わる情報発信を減らす方針を示すことで市場の思惑を排除し、指標や経済情勢を注視分析していく構えである。こうした政策運営の実現はドルの信認を取り戻す一因となろう。市場では9月の利上げ織り込みが65%程度と金利先高観は根強い。
今晩、米国で公表される6月の雇用統計が市場予想を下回れば、3日が独立記念日の振替休日となる三連休前の持ち高調整と思しき動きも相まって、足元のドル高に一服感が広がる可能性もある。また、本日は債券市場が短縮取引となるなど、薄商いでの為替介入も意識される。テクニカル分析上、ドル円は2月安値152円25銭と5月6日安値155円02銭を結ぶサポートラインと平行になるように、3月30日高値160円46銭に合わせたレジスタンスラインを引いた上昇チャネルを形成中である。チャネルの中間値(ミッドライン)はトレンドの強弱をはかる重要な基準線といわれ、トレンド継続もしくは転換かの見極めの目安となる。2日現在、ミッドラインは160円台前半で推移、7月下旬には161円台前半へ切り上がる点に注目したい。
投資調査部
シニアFXマーケットアナリスト
二宮 圭子



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