Today's Insight
2026/6/1 12:15作成
日本:6月以降に相次ぐ財政イベント
■ 6月、7月には食料品消費減税の中間とりまとめ、骨太の方針発表など、財政イベントが相次ぐ
■ 補正予算を巡る市場の懸念は一旦後退したものの、財政拡張への警戒感は再び高まる恐れも
政府の補正予算を巡る財政拡張懸念や物価上振れへの日銀の政策が後手に回ることへの警戒感から、10年国債利回りは、5月20日、一時1996年10月以来となる2.80%前半をつけた。その後、高市首相がエネルギー補助の延長・拡大のための補正予算について、「3兆円強を目途とし、税収上振れ分などを活用することで追加的な赤字国債増発は回避する」と発表したことを背景に過度な財政悪化懸念は一旦後退し、利回りの急速な上昇も落ち着いた。しかし、6月以降は財政に関する重要イベントが多く予定されており、財政悪化への市場の警戒感が再び高まる恐れがある。以下では注目点となる(1)食料品消費税減税の中間とりまとめ、(2)経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)について、簡単に確認したい。
(1)食料品消費税減税の中間とりまとめ:超党派の「社会保障国民会議」が6月中に示す中間とりまとめの内容を踏まえて、おそらく6月中にでも高市首相が消費減税実施の有無を最終判断するだろう。報道では、消費税率0%よりも、レジシステム改修短期化により早期の導入が可能となる税率1%の案が有力となっているようだ。最終判断がなされれば、高市首相は早期に税制改革法案を提出するとみられる。7月17日までが会期となる特別国会中に法案を提出できれば、2027年度から減税実施に間に合う可能性がある。消費減税案は、所得給付付き税額控除のつなぎとして2年間実施される時限措置とされ、財源も赤字国債に頼らない方針だ。しかし、市場では減税の恒久化への懸念はくすぶる。後継措置とされる所得給付付き税額控除については、税額控除を先送りし、所得水準に応じた給付を先行させる方向性で進んでいる。今後の消費減税の出口戦略についての議論も注目されよう。
(2)経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針):政権の重要課題や翌年度予算編成の方向性を示す方針であり、例年6月頃に閣議決定される。今回は発表が7月に遅れる可能性があるようだ。今回の骨太の方針には、首相の肝入りとなる成長戦略が盛り込まれることから大きく注目される。成長投資については複数年度予算とされていたが、つなぎ国債での調達となると報じられた。つなぎ国債とは、将来的に確実に入ることが見込まれる償還のための財源(増税や新たな保険料収入など)をあらかじめ法律で担保して一時的に発行する国債であり、財源確保までの資金繰りをつなぐ役割がある。ただし、最終的に普通国債として発行され、予算の一部に財源をつけたとしても財政懸念の払しょくにはつながりにくい。骨太の方針で財政規模への言及はないだろうが、市場で財政懸念が長期化する可能性は残ろう。
投資調査部
シニアマーケットエコノミスト
米良 有加



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