Today's Insight
2026/8/5 11:00作成
米国株:4-6月期決算 中間レビュー
■ 大規模クラウド業者(ハイパースケーラー)の設備投資が収益増につながる姿が確認された
■ 物色の中心は半導体株からハイパースケーラーにシフトすると見込まれる
米主要企業の4-6月期決算発表は先週末で前半の山場を越えた。金融情報会社LSEG I/B/E/Sの集計(7月31日時点)によれば、S&P500構成企業のうち6割を超える304社が決算発表を終え、このうち85%にあたる258社の1株当たり利益(EPS)が市場予想を上回った。AI関連需要の拡大を背景に半導体関連企業が好決算を発表したものの、業績拡大の持続性に対する懸念が拭えず、株価上昇のきっかけとはならなかった。大規模クラウド事業者(ハイパースケーラー)の決算発表では、一部で純現金収支(フリーキャッシュフロー、FCF)が赤字に転落し、自社株買いなど株主還元の逆風となることが嫌気された。ただ、過去の設備投資がクラウドサービスの利益拡大につながっていることが確認された。この先も小売や半導体大手が続き、8月26日のマグニフィセント・セブンの残り1社の半導体大手に至るまで、決算発表を手掛かりに個別銘柄が動意付く局面もみられよう。
S&P500構成企業の4-6月期予想EPS成長率(決算未公表企業は市場予想値)は前年比47.7%と、今次決算発表直前の7月初め(同24.4%)から大きく上方修正されている。セクター別ではエネルギー(同116.0%→127.9%)や情報技術(IT、同65.5%→70.5%)などが想定通りの高い伸びとなっている。また、ハイパースケーラーが含まれるコミュニケーション・サービス(CS、同8.0%→108.8%)や一般消費財(同5.5%→88.8%)は市場予想から大幅に上振れた。寄与度をみるとITが16.7%ポイント、CSが11.9%ポイント、一般消費財が7.3%ポイント、エネルギーが5.2%ポイント、金融が4.2%ポイントと、著しい利益成長を示すセクターと伸び悩むセクターで二極化が鮮明になっている。
ハイパースケーラーの株価は年初から伸び悩んでいたが、設備投資の収益性に対する懸念が後退し中期的な利益成長期待が注目され、今後は出遅れを取り戻す動きとなるだろう。巨額の設備投資に伴い需要拡大が継続することが期待され、半導体株の調整は一巡すると見込まれる。ただ、需要の急増を織り込み株価が急騰した4月から6月にかけて生じたような上昇ペースは期待できず、利益成長見通しに沿ったペースの上昇が想定される。この先、ハイパースケーラーの2027年の設備投資計画や世界半導体市場統計(WSTS)が11月に発表するとみられる半導体売上高見通しが注目される。
投資調査部長
山口 真弘



Japanese
English
