Today's Insight

2019/1/16 11:30作成

決算内容だけでなく、株価の反応に注目

■ 米国では足元の決算内容のみならず、業績見通しの内容も吟味する必要。
■ 日本では業績見通しの下方修正が先行。決算発表が株価上昇のきっかけとなる可能性も。

 米中貿易摩擦が世界経済に悪影響を及ぼしていることが確認され始めているほか、米国では金利上昇を受けて住宅などの金利敏感セクターの活動が鈍化。原油価格の下落で、この先のエネルギーセクターの収益見通しが暗転する恐れもある。こうしたなか、米国や日本では主要企業の決算発表が行われる。情報会社Refinitivの集計によれば、S&P500株価指数構成企業の昨年10-12月期および2019年通年の一株当たり利益(EPS)見通しはそれぞれ前年比14.0%増、6.2%増と、昨年10月時点(同20.1%増、10.2%増)から下方修正されているが、こうした流れが続いているように思われる。米国では足元の決算内容のみならず、業績見通しの内容も吟味する必要があり、結果次第では株価下落につながろう。

 一方で、日本株に関しては若干状況が異なる。企業業績は株価形成において根本的な要素であり、業績見通しの上方修正は株高の、下方修正は株安の材料とされるのが一般的だ。しかしながら今年に入り、業績見通しの下方修正が株高につながるケースも見られ始めた。これは、下方修正を十分に織り込んだ水準まで株価がすでに下落しており、業績発表を受けた先行き不透明感の解消を見据えた株価形成がなされ始めていることを示唆している可能性がある。日米株価指数の予想EPS(向こう12カ月)の推移をみると、米S&P500株価指数は低下基調にある反面、日経平均株価は上昇に転じる兆しがみえている。1月最終週から本格化する本邦企業の決算発表においては、足元の業績や今後の見通しのみならず、発表後の株価の反応を注意深く見極めたい。


投資調査部
シニアマーケットアナリスト
山口 真弘