Today's Insight
2026/6/30 11:50作成
6月の外国為替相場:米ドル高が進行、その要因
■ 6月の外国為替相場では米ドルが上昇、6月FOMCと年内の米利上げ観測がポイントと推測
■ 投機筋の米ドル買いポジション積み増しも米ドル高の要因に、ただし7月は米ドル高一服と想定
本稿では、6月の為替相場の動向を整理したい。世界で最も取引量が多いG10通貨{米ドル、ユーロ、ポンド、円、スイスフラン、カナダ(加)ドル、豪ドル、ニュージーランド(NZ)ドル、ノルウェークローネ(NOK)、スウェーデンクローナ(DKK)}に対する米ドルの騰落率(5月末から6月29日終了時点)を確認すると、プラス7.40%となった対NOKを筆頭に米ドルが全面高となった。ドルインデックスは、1日安値(98.919)から24日高値(101.800)まで一時上昇し、昨年5月12日高値(101.977)以来となる高水準圏に入った。時間帯とイベントでみると、中旬の16、17日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)がドル高進行のポイントだったとみる。
PRESTIA Insightの18日発行分*1と22日発行分*2で確認した通り、米連邦準備理事会(FRB)議長にウォーシュ氏が就任して初めてのFOMCでは、「経済見通し概要(SEP)」がタカ派的(=金融引き締めに前向き)と解釈されたほか、コミュニケーション、バランスシート政策などの5つのタスクフォース立ち上げが公表された。そうしたなか、米短期金融市場では9月の利上げ実施が約6割織り込まれるなど、年内利上げ観測が浮上した。
同時に、6月の米ドル高進行は投機筋が主導した面が大きいと捉えている。投機筋の一部ポジションを反映するとされる米商品先物取引委員会(CFTC)の非商業部門データでは、主要8通貨(ユーロ、円、ポンド、加ドル、豪ドル、NZドル、メキシコペソ、スイスフラン)に対する米ドルのネット買いポジション(買いから売りを引く)が、5月26日終了時点の約16.6万枚から6月23日終了時点で約40.3万枚まで膨らんだ。これは、2025年1月14日終了時点(約41.9万枚)以来の高水準。つまり、6月FOMCを受けて米国の年内利上げが意識されるなか、投機筋が米ドル買いポジションを一段と積み増したことが米ドル高の流れを強めた、との整理となる。
ただし、投機筋主導の米ドル高は7月に一服する公算が大きいと想定する。すでに、メキシコペソとユーロ以外の6通貨のネットポジションは米ドル買い超に傾き、投機筋による米ドル買いが継続するには、追加の材料が必要の可能性もある。7月は、足元の原油価格下落とともに資源輸入国通貨の巻き戻しがあり得るかもしれず、注目したい。
*1 PRESTIA Insight 2026.06.18 「米国:6月FOMCレビュー」を参照
*2 PRESTIA Insight 2026.06.22 「米国:フォワードガイダンス撤回で得るものと失うもの」を参照
投資調査部
シニアマーケットアナリスト
合澤 史登



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