Today's Insight
2026/9/8 10:50作成
円相場:9月2日以降の円高進行について
■ 9月上旬のドル円下落は、8月以降も積み上がった投機筋の円売りポジション解消が主因と推測
■ 2024年夏の動向と今年9月の予定を踏まえると、投機筋はさらなる円買い戻しに動く可能性も
直近のドル円下落の値幅は、本稿執筆時点で9月2日高値(160円39銭)から8日安値(153円13銭)にかけて約7円まで拡大した。値幅こそ今年4月下旬に実施された円買い介入時を上回るが、今回の円高進行は投機筋による円売りポジションの解消が主因と推測している。
米商品先物取引委員会(CFTC)のデータのなかでも投機筋が多くを占めると推察される「レバレッジドファンド」のポジション動向を参照する。足元でネットポジション(円買いー円売り)は円売り超であり、今年の最大値は6月30日終了時点(ドル円終値:162円54銭)に記録した約11.5万枚だったが、7月下旬の実弾介入実施後に一時約5.3万枚まで減少した。ただ、最新のデータである9月1日終了時点(同:160円17銭)では約10.2万枚まで、投機筋は再度円売りポジションを急速に積み増した。日銀審議委員の発言や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資産構成見直しへの思惑を受けてそうした短期的なポジションが解消に向かい、9月上旬の円高進行の主因になっているとの見立てだ。なお、同じ既存ポジションの解消でも、8月26日発行のPRESTIA Insight*で紹介した海外投資家の日本株投資関連での為替ヘッジ解消が、今般の円高進行をもたらした可能性は低いとみる。TOPIX(東証株価指数)の先週の下げ幅は最大で約3.0%にとどまったうえ、先週安値(4070.64)は7月安値(3859.13)と比較してもまだ距離がある。そのため、海外投資家による日本株からの資金流出は今後も注視すべきではあるが、現時点では本格的な到来には至っていないと考えられる。
2024年7月上旬から9月中旬にかけてドル円が162円ちょうど付近から140円割れまで下落した場面と直近にかけてのドル円下落幅(7円程度)を踏まえると、現時点でも投機筋の円買い戻し余力は大きいとみたい。2024年夏当時、米利下げ観測の急浮上に伴うドル安進行などを背景に、最大で約11.0万枚だった円売り超の投機筋のポジションは同年10月15日終了時点で約1.0万枚の円買い超に転換した。来週9月18日に日銀金融政策決定会合が終了すると、日本では23日まで連休を控える。2022年以降の実弾介入は日本の祝日に実施されるケースが多く、追加介入への警戒から投機筋は再度の円売りを仕掛けづらいのではないか。当方のメインシナリオではないが、9月下旬までは一段の円高進行への警戒を残しておきたい。
*「PRESTIA Insight 2026.08.26_円相場:海外投資家による日本株投資の影響」を参照
投資調査部
シニアマーケットアナリスト
合澤 史登



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