Today's Insight
2026/9/28 11:10作成
新興国:南アフリカ、メキシコの政策会合レビュー
■ 南ア中銀は7.25%への利上げ、メキシコ中銀は6.50%での据え置きを決定、ともに市場予想通り
■ 両中銀の決定とその背景から、キャリートレードの運用通貨としてはメキシコペソが優位とみる
南アフリカ(南ア)中銀(SARB)は9月23日に、メキシコ中銀(Banxico)は9月24日に、それぞれ金融政策会合(以下、政策会合)の結果を公表した。SARBは2会合ぶりの利上げを決定し、政策金利を昨年5月以来の高水準である7.25%とした。また、Banxicoは3会合連続で政策金利を6.50%で据え置き、ともに市場予想通りの決定だった。9月はいったん南アランド高・メキシコペソ安となっているものの、政策決定の背景を踏まえると、キャリートレードの運用通貨としては、南アランド(ランド)よりメキシコペソ(ペソ)が選好されやすいと想定する。
南アでは、民間部門PMIは直近の8月分にかけて3カ月連続で好況とされる50超を記録したものの、4-6月期の実質GDP(季節調整済)は前期比0.2%減と、約2年ぶりのマイナス成長へ落ち込んだ。鉱物性燃料を輸入に頼る同国にとって、中東紛争の長期化と原油高による景気への悪影響が顕在化しつつある状況と言えよう。また、8月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比4.4%と、SARBの物価目標レンジ(2-4%)からの上振れを示す。そうしたなかで今回SARBは、前回7月の決定(金利据え置き賛成が4票、利上げ賛成が2票)からの政策転換を示した形だが、早期のインフレ抑制を狙うことで後々のランド安を抑えたい意向があると推測している。今回発表した声明では、インフレの「二次的影響」への警戒やSARBの役割として「通貨の価値を守ること」が新たに言及された。スタグフレーションリスクに対する警戒を抱えるなかで、SARBの金融政策運営の舵取りは難しい時間帯が続きそうだ。
対して、現時点でBanxicoは南アほどスタグフレーションと通貨安への警戒を示していない。メキシコでは、4-6月期の実質GDP(季節調整済)は前期比1.4%増と、1-3月期のマイナス(同0.3%減)から回復した。また、8月のCPI上昇率は総合が前年比3.26%へ加速したが、依然Banxicoの物価目標レンジ(2-4%)内に収まっている。Banxicoは今回の声明で「政策金利を現行水準に維持することが適切」との文言を削除し、フォワードガイダンスを修正した。世界的にエネルギー価格上昇が物価上昇につながると警戒される環境下で、今後はインフレを政策判断の中心に据える「データ次第」の姿勢を示し、Banxicoは従来の中立から引き締めへ一歩姿勢を転換したと解釈する。9月のペソの重しとなった対米貿易交渉の不透明感が和らげば、次第に高水準の実質金利へ注目が戻り、ペソ安一服につながる見込み。
投資調査部
シニアマーケットアナリスト
合澤 史登



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