Today's Insight
2026/8/24 11:20作成
日本:海外投資家の国債・株式売買動向
■ 海外投資家が超長期債を安定的に買い越す動きは4月以降に転換
■ 日本株投資は増加基調が一巡しているものの、年初来では高水準の買い越しが保たれている
海外投資家の国債売買動向を、20日に更新された公社債店頭取引売買高をもとに確認する。7月の海外投資家の利付債売買高(一般売買)は10年超が13.3兆円、10年が18.5兆円と高水準を維持した。経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)、中東情勢の悪化による原油価格上昇、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による国債投資増加観測、日銀の早期利上げ期待などの材料を手掛かりに、7月の国債利回りは20年(3.664%→3.681%)、10年(2.687%→2.791%)ともに高水準で高下し上昇するなか、海外投資家は積極的な売買を行った様子がうかがえる。売り買いの差し引きでは、10年超が8898億円の売り越し、10年が1394億円の買い越しとまちまちな結果なっており、利回り曲線(イールドカーブ)の形状変化を見越した取引が主導したとみられる。海外投資家は2025年1月から2026年3月にかけて10年超の国債を安定的に買い越してきたが、4月以降は売り越しに転じる月もみられる。財政拡張や日銀の追加利上げペースの加速による金利先高観が意識されている面もあるだろう。2027年度予算編成や内閣改造などが重なる今秋にかけて、海外投資家は引き続き柔軟に売買していく姿勢が見込まれ、超長期国債利回りが上昇した場合の歯止めとなるか注目される。
次に海外投資家の日本株売買動向を確認する。東京証券取引所がまとめた2市場(東京証券取引所、名古屋証券取引所)投資部門別売買状況によると、海外投資家は7月第1週(6月29日-7月3日)から8月第2週(8月10-14日)に現物株を累計で2661億円買い越しているが、7月中旬以降は週ごとに買い越しと売り越しが入れ替わっている。世界的な半導体株の調整で日経平均が下落基調になるなかでも押し目買いが入っていた模様で、7月第5週(7月27-31日)以降は先物で1.5兆円超買い越している。8月第2週までの年初来累計(現物のみ)では約10兆円の買い越しとなっており、6月中旬のピーク(10.9兆円)を下回るものの高水準が維持されている。半導体株の急ピッチな上昇は一巡したものの、人工知能(AI)関連需要に伴う需要の強さは継続するとの期待は保たれ、海外投資家がかつてのように日本株市場から急速に資金を退避させる可能性は低いだろう。
投資調査部長
山口 真弘



Japanese
English
