Today's Insight
2026/6/10 12:20作成
ドル円:ドル主導の展開から一段高か
■ 原油先物価格は下落基調が続くが、ドルインデックスは高止まり、ドル円はじり高の展開に
■ 日銀の年内複数回の利上げ観測による円高は強まらず、米景気の底堅さを確認する時間帯に
9日、原油先物価格(WTI)は前日比3.4%下落し、1バレル88ドル台前半で取引を終えた。前日にはイラン・イスラエルが相互攻撃を停止したことを受けて、86ドルを割り込む場面もみられた。その後、イランが米陸軍ヘリコプターを撃墜すると、トランプ米大統領が報復を示唆。WTIは10日のアジア時間序盤に89ドル台前半へ小反発しているが、5月18日に109ドル台前半をピークに下落傾向を保っている。テクニカル上でも20日移動平均線(9日時点:96.06ドル)からの下方乖離が進む。ただし、中東紛争前の水準(2月27日終値:67.02ドル)には遠く及ばず、インフレ圧力はくすぶり続ける。
米エネルギー情報局(EIA)は9日、「短期エネルギー見通し(月次)」を公表。イラン紛争に起因する供給途絶を受けて、世界主要国の石油在庫は記録的ペースで取り崩され、少なくとも2003年以降で最低水準に落ち込むと警告した。ホルムズ海峡を通過する海上輸送は2027年初めまで紛争前の水準には戻らないとの想定を基に、在庫取り崩しは向こう数カ月の原油価格急騰を招く土台を形成していると指摘した。北海ブレント先物価格も前日比3.0%安の1バレル91ドル台前半で取引を終えたが、EIAは6、7月には平均105ドルに達すると予想する。
こうしたなか、ドルインデックス(DXY)は99.90と前日比で小幅安となったものの、約2カ月ぶりの高値圏で推移し、20日移動平均線(9日時点:99.28)を上回り上昇基調を維持。ドル円は4月30日高値160円72銭を視野に入れるドル高・円安の展開となっている。日銀は15、16日の金融政策決定会合で政策金利を引き上げる公算が大きく、10-12月に追加利上げに踏み切るとの見方も浮上しているが円高の勢いは強まらず。米連邦準備理事会(FRB)が9月にも利上げに踏み切るとの織り込みからドル買い意欲は根強い。今晩公表される5月の消費者物価など物価指標や、週末から来週にわたる経済指標を受けて、インフレ加速の兆しが表れるなかで米景気の底堅さを再確認する時間帯となる。ドル円は目先、ドル主導の展開となれば一段高か。
投資調査部
シニアFXマーケットアナリスト
二宮 圭子



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