Today's Insight
2026/6/16 11:30作成
ポンドドル相場:利上げ観測と政局不安の狭間で
■ 英中銀は18日の金融政策委員会で政策金利を3.75%に据え置き、利上げ観測が高まるか注目
■ 与党・労働党は18日の下院補欠選挙で辛勝しても、政局不安が金利上昇を招き財政悪化懸念か
英国では17日に5月の消費者物価指数(CPI)、18日には2-4月の雇用統計が公表されるほか、英中銀(BOE)が金融政策委員会(MPC)を開く。BOEが注視するサービス業CPI上昇率は前年比3.7%と前月(同3.2%)から加速すると見込まれている。一方、2-4月の失業率は5.0%の高水準にとどまり、就業者数は前月比7.5万人増、平均賃金(ボーナス除く)は同3.2%増へともに伸びが鈍化する見通しで労働市場の減速感はくすぶる。ベイリーBOE総裁は5月の議会財務委員会で、中東紛争が経済に与える影響を見極める時間的余裕が生じたとして利上げを急がない姿勢を示しており、BOEは政策金利を4会合連続で3.75%に据え置く公算が大きい。中東紛争終結に向けて、北海ブレント先物価格は1バレル83ドル台と前回MPC時点(4月30日終値:114ドル)から急落しているが、中東紛争前(2月27日終値:72ドル台)の水準を超え続けている。今回のMPCで9名のメンバーのうち利上げ支持者が1名から複数に増えれば年内の利上げ観測が高まり、金利先高観がポンド高につながるとみている。
18日には下院補欠選挙も実施される。5月7日の統一地方選挙での歴史的大敗を受けて、与党・労働党内でのスターマー首相の求心力は低下している。次期首相候補でマンチェスター市長のアンディ・バーナム氏は国政復帰を目指すが、公共サービスの拡充を重視しており、緊縮財政の修正を図るか注目される。財政拡張が意識されれば、金融市場への影響は避けられない。また、公約には掲げていないが、過去の発言から同氏は英国の欧州連合(EU)再加盟に前向きであるとみられている。一方、2016年のEU離脱を扇動した野党・右派ポピュリズム政党のリフォームUKは同統一地方選挙で大勝。労働党と保守党の二大政党の支持率は低迷しており、18日の下院補欠選挙は事実上、バーナム氏とリフォームUKの候補者ロバート・ケニヨン氏との一騎打ちとなる。世論調査ではバーナム氏が優勢な模様だが、政局不安が長期金利の上昇を招けば、財政悪化懸念が再燃しポンド安が強まる可能性もある。対ドルは利上げ観測と政局不安の狭間で、当面は1.33-1.35台でこう着商状が続くとみている。
投資調査部
シニアFXマーケットアナリスト
二宮 圭子



Japanese
English
