Today's Insight
2026/8/31 11:10作成
NZ・カナダ:9月金融政策会合プレビュー
■ 加中銀は政策金利を2.25%で据え置くと予想、市場では利上げ再開は来年上期と織り込まれる
■ NZ中銀は利上げ実施を予想、注目は金融政策報告で3%超への利上げ見通しの有無とみる
9月は主要国中銀による金融政策会合が多い。その先陣を切って、9月2日にニュージーランド(NZ)中銀(RBNZ)とカナダ(加)中銀(BOC)が金融政策会合の結果を発表する。政策金利を巡る市場予想では、BOCが2.25%で据え置き、RBNZは2.75%へ25bpsの利上げ実施との見通しが多数を占める。なお、本稿執筆時点の短期金融市場では、BOCは来年1-3月期に利上げを実施した後、来年末までに政策金利を3.00%へ引き上げると織り込まれ、RBNZは年内に3.00%まで利上げ実施後、来年末まで3.50%までの利上げが織り込み済みである。
BOCが来年以降に利上げを再開との市場の見方は、8月に公表された加経済指標が背景とみる。7月消費者物価指数(CPI)上昇率は、総合が前年比3.0%へ加速しBOCの物価目標レンジ(1-3%)上限に達した。また、7月雇用統計では就業者数が前月比7.5万人増、失業率が6.4%へ低下して2024年7月以来の最低水準を記録。4-6月期実質GDPは前期比年率3.3%増へ伸びが加速など、BOCが利上げへ向かうとの思惑を高めたといえよう。ただし、物価面ではBOCが注視するCPIトリム値が前年比1.9%と、エネルギー価格上昇による二次的影響は限定的との見方が可能だ。また、雇用面ではサッカーワールドカップ北中米大会の開催に伴う一時的な回復との評価がある。加えて、BOCが懸念している対米貿易を巡り追加関税の応酬に陥っている点から、現時点ではBOCの利上げへ向けた姿勢転換は難しいだろう。
NZでは、4-6月期のCPI上昇率が前年比4.1%まで加速したことで、RBNZが7月会合に続き「金融緩和のさらなる縮小が必要」と判断し、2会合連続の利上げを実施するとの見方は根強い。6日発行のPRESTIA Insight*で紹介された通り、4-6月期のNZ失業率は5.6%と約11年ぶりの高水準に達したが、RBNZの物価動向に対する警戒は大きい。RBNZは今回、四半期に一度の金融政策報告(MPS)提出で、景気・物価・政策金利等の見通しを更新する。中東紛争が5月時点で想定されたほどエスカレートするとの懸念は和らいでおり、ターミナルレート(利上げの最終到達点)見通しは5月時点で想定した水準から引き下げられる可能性もある。金融市場におけるNZの金利先高観を巡る動向では、ターミナルレート水準がRBNZの推計する中立金利中央値である「3.0%」を超えるとの見通しが維持されるかどうか、に注目したい。
*「PRESTIA Insight 2026.08.06_RBNZ:労働市場の緩みが意識されるも追加利上げへ」を参照
投資調査部
シニアマーケットアナリスト
合澤 史登



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