Today's Insight
2026/7/27 10:40作成
欧州株:4-6月期決算プレビュー
■ 欧州企業の利益成長はエネルギーや金融など一部セクターに偏る
■ 企業利益の成長ペースに沿った緩やかな株高を想定、中東情勢の変化を引き続き注視
金融情報会社LSEGの集計(22日時点)によれば、ストックス欧州600指数構成企業のうち、四半期売上高を発表予定の386社の4-6月期売上高は前年比11.5%増と、前期(同0.9%減)までの減収から5四半期ぶりに増収に転じる見込み。全10セクターのうち、エネルギー(同44.2%増)や公益(同23.5%増)など、不動産(同12.8%減)と生活必需品(Consumer Non-Cyclicals、同2.9%減)を除く8セクターの増収が見込まれる。また、四半期一株当たり利益(EPS)を発表予定の339社の4-6月期EPSは同17.3%増と、4月初め(同約12.7%増)から上方修正が進展し、前期(同11.8%増)に続く増益となる見込み。エネルギー(同122.6%増)や素材(同49.4%増)など、ヘルスケア(同1.8%減)を除く9セクターの増益が見込まれている。セクター別寄与度ではエネルギー(10.7%)と金融(2.7%)に大きく偏っており、世界的に大幅な増益となっているIT(1.3%)の存在感は薄い。
市場では、ストックス欧州600指数の2026年EPSは前年比15.0%増と予想され、前年(同0.7%減)の反動で高い伸びが期待されている。セクター別寄与度をみると、前年に米国の関税賦課により落ち込んだ一般消費財(4.3%)が高い伸びとなるものの、EPSの実額(59.7ポイント)では2024年(67.1ポイント)には大きく及ばず、前年の反動の域を出ない。原油高の長期化によりエネルギー(2.4%)、金利上昇や市場変動性の高まりなどにより金融(1.9%)、防衛・インフラ支出増加への期待により資本財(1.4%)、などが全体をけん引する構図が想定されている。原油高が長期化すれば上記の構図が継続する可能性はある一方、交易条件の悪化に伴う域内の低成長によりEPSの足かせとなるおそれがある。中東情勢には引き続き警戒したい。
ストックス欧州600指数の向こう1年予想株価収益率(PER)は2月下旬に15.6倍まで上昇していたが、中東情勢の緊迫化を受けて足元では14.7倍と2018年以降の平均水準(14.0倍)をやや上回り、14-16倍の割高ゾーンで推移している。原油高の長期化懸念がくすぶるなか欧州中銀(ECB)の利上げ観測が根強く、PERの上昇による株高を見通し難い。EPSの伸びに沿った緩やかな株価上昇を想定し、同指数の年末値を660ポイント、年内の上昇余地を700ポイントと予想している。
投資調査部長
山口 真弘



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