Today's Insight

2026/9/16 13:25作成

ドル円:下降トレンドへ向かう分岐点

■ ドル円はH&Sを完成し上昇トレンドの終了を示唆したが、8日以降は巻き戻しの動きが強まる
■ 上昇トレンドに戻るか下落トレンドへ転じるか、ドル円は158円台前半が分岐点となろう

 7月31日、日米当局は協調介入を実施し円安が是正されるなか、ドル円は介入前の7月23日高値163円98銭(=年初来高値)をピークに8月3日には155円21銭の安値を付けた。その後も、高田日銀審議委員の発言を受けて、日銀の利上げペースが加速するとの見方が広がったほか、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による資産構成見直しへの思惑が再燃し、ドル円は9月2日に160円39銭で上値を抑えられ再急落、9月8日に152円87銭の安値を付けた。

 米商品先物取引委員会(CFTC)が14日に公表した建玉報告によれば、IMM通貨先物非商業部門の取り組み(8日時点)は、円の買い越しが1.0796万枚となり、前週(9.2227万枚の売り越し)から反転した。投機筋の売買動向を映すとされる同取り組みで円が買い越しに転じたのは2月24日以来となる。米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀金融政策決定会合の結果公表をそれぞれ16日(米国時間)と18日に控えて、いずれも0.25%の利上げは織り込み済みだが、米連邦準備理事会(FRB)による大幅な利上げ観測が浮上し、ドル円は16日のアジア時間に155円48銭まで反転上昇している。

 テクニカル分析上、ドル円はヘッドアンドショルダーズ(H&S)を完成し、上昇トレンドの終了を示唆したと判断される(9月10日発行のPRESTIA Insight*)。ドルや円の保有持ち高や既存取引の解消・反対売買による動きが強まる一方、足元はドル高・円安が優勢の展開。だが、フォーメーション分析では「下降のN波動」を形成中であり、下降トレンドに向かっていると判断すれば、足元の上昇は反発の域を抜けないとみることも可能である。上値メドは、8月3日安値155円21銭から9月2日高値160円39銭までの上昇幅5円18銭を9月8日安値152円87銭から上方に引き上げた158円05銭が目標値として意識されよう。同水準は200日移動平均線158円39銭(9月15日時点)や週足一目均衡表の基準線・転換線158円43銭とほぼ一致しており、ドル円が下降トレンドに向かう分岐点とみている。

*PRESTIA Insight 2026.09.10 「ドル円:ドル安・円高へのトレンド転換を判断へ」


投資調査部
シニアFXマーケットアナリスト
二宮 圭子

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