Today's Insight
2026/11/5 13:05作成
米中間選挙後のドル円
■ 民主党は上下両院で圧勝、2028年の米大統領選に向けて共和党の政策運営は困難に
■ 欧米市場は株高・債券高・ドル安の展開、長期的には政策期待がドル高につながる可能性も
11月3日に投開票が行われた米中間選挙は、事前予想に反して民主党が上下両院で共和党を制し圧勝した。テキサス州など激戦州で相次いで勝利、下院では過半数(218議席)を大幅に超える237議席、上院も過半数(51議席)を上回る54議席を獲得する見通し。上下両院で民主党が主導権を握るのは4年ぶり。また、民主党はデータセンターに関わる5州の知事選でも勝利する公算が大きい。トランプ大統領は民主党に対し融和的姿勢を示す一方、大統領の拒否権を行使する構え。民主党による財政政策への監視強化で予算を巡る対立や政府機関閉鎖のリスクは高まり、共和党は2028年の大統領選挙に向けて厳しい政権運営を迫られる。2027年会計年度の歳出を巡り、国防費増額などつなぎ予算の合意期限が12月11日に近付いており、トランプ政権にとって今年末までの関連法案の成立は不可避である。民主党は2年後の政権奪還を見据え、2027年1月から始まる新議会で財政政策を強化し歳出拡大を制限する可能性が高い。
欧米市場では株高・債券高、ドル安の展開。財政拡張路線の変更や人工知能(AI)の規制強化は警戒されたが、選挙結果を受け入れたトランプ米大統領の表明によって政治的混乱がいったんは回避された。一方、経済成長が鈍化するとの見方に加え、原油先物価格の大幅安を受けて米利上げ観測は後退し、今朝のアジア市場もドルインデックスとドル円の下げは続いている。AIの急速な普及に伴うデータセンターの建設は、電気料金高騰や水不足を招くとの懸念から全米で反発が広がっており、データセンター関連を巡る政策推進は鈍化するとの見方がある。だが、AI関連投資が米経済の成長を下支えしたことに鑑みれば、全面的禁止は難しいとの指摘もある。政策推進の不確実性は財政懸念を強めるなどドル安要因だが、政策期待に変われば景気拡大を見込みドル高要因ともなりうる。2006年から2022年まで過去5回の中間選挙後のドル円について、翌年1月から1年後の上昇率は平均値で5%弱に達しており、2027年もアノマリーが当てはまるか注視していきたい。
投資調査部
シニアFXマーケットアナリスト
二宮 圭子



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