Today's Insight

2026/9/3 12:30作成

豪景気は底堅く、豪ドルが一段高となるか雇用に注目

■ 4-6月期豪実質GDPは前年比で伸びが鈍化したが、3四半期連続で2%を維持し底堅い
■ 11月までの豪利上げ織り込みは上昇し、豪ドルが一段高となるか雇用指標に注目

 2日、豪統計局が公表した4-6月期実質GDPは前期比0.4%増と、前期(同0.3%増)からわずかに伸びが加速した。家計消費は同0.4%増と自動車購入(電気・ハイブリッド)による裁量的支出が牽引したものの、暖冬による電気・ガス・その他燃料の需要減が影響し非裁量消費は減少した。民間投資は横ばい。機械・設備投資は自動データ処理装置の輸入が記録的に増加した前期の反動で大きく減少し、データセンター関連の新築工事などにより企業投資は高水準を維持したものの事業投資は減少した。一方、住宅建設は既存の工事案件や新規着工の継続に支えられ増加した。純輸出は同0.3%増。液化天然ガスの代替として火力発電用石炭の需要が高まり、輸出が増加した。家計の電気自動車需要の急増や燃料・肥料の備蓄需要などにより輸入も増加したが、輸入の伸びに届かなかった。実質GDPは前年比では2.1%増と2四半期連続で伸びは鈍化したものの、豪中銀(RBA)が潜在成長率とみなす2.0%程度を3四半期連続で維持したほか、中銀予想(1.9%)も上回り、豪景気の底堅さが確認された。

 豪州では7月の雇用統計で失業率が4.5%と約5年ぶりの高水準へ上昇、また就業者数が前月比で予想外の減少となるなど労働市場の緩みが広がった。一方、消費者物価指数(CPI)のうちRBAが基調インフレとして注視するトリム平均値上昇率は前年比3.6%と13カ月連続で中銀目標(2-3%)を上回る伸びを記録した。RBAはインフレリスクが顕在化すれば追加利上げを辞さない構えをみせている。4-6月期実質GDPの結果を受けて、短期金融市場では28、29日の理事会で政策金利が4.60%へ引き上げられるとの織り込みが60%弱、11月2、3日の理事会では80%弱まで上昇(本稿執筆時点)、豪金利先高観が再燃している。テクニカルに、豪ドル米ドルは3月安値0.6831米ドルと6月安値0.6863米ドルで底入れ感を強めており、5月高値0.7277米ドルを上抜ければ二番底が完成し、豪ドルが一段高となる可能性もあろう。24日公表の8月豪雇用統計は、RBAの政策の道筋や豪ドル高の試金石となるか注目される。


投資調査部
シニアFXマーケットアナリスト
二宮 圭子

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