Today's Insight
2026/2/5 11:20作成
豪州:2月RBA理事会レビュー
■ RBAは2月理事会で政策金利を3.85%へ引き上げ、物価上昇への警戒を強調した
■ 金融市場では豪金利先高観が強まるが、2026年後半以降の景気減速見通しにも注意
豪中銀(RBA)は2月2、3日に理事会を開催し、政策金利を3.85%に引き上げた。政策金利の変更は最後の利下げとなった昨年8月(3.85%から3.60%へ)以来、利上げ実施は2023年11月(4.10%から4.35%へ)以来だった。事前の予想では政策金利を3.60%で据え置くとの見方と0.25%ポイント引き上げるとの見方で分かれていたが、RBAは足元の豪州における景気・物価の過熱感に対する警戒から、当面は物価上昇の抑制を優先する方針を示した。
今後の政策姿勢を巡り、声明、四半期金融政策報告書(SMP)、ブロックRBA総裁の記者会見が注目された。声明では、「2025年後半にインフレ率が大幅に上昇した」と、前回昨年12月理事会時点から判断を進めた点が大きな修正とみる。豪州では昨年11月公表分から月次消費者物価指数(CPI)が改定されたばかりだったことから、RBAはインフレリスクを巡る判断を慎重に行うともみられていた。併せてSMPでは、従前よりRBAが指摘していた2025年後半の民間需要の伸びについて、予想よりもはるかに強いとの認識が明確に示された。具体的には、家計部門の所得の伸び、住宅価格と投資の予想を上回る上昇、データセンター関連投資の加速などが挙げられた。また、2026年6月時点の物価見通しでは、CPI上昇率が3.7%から4.2%へ、RBAが基調インフレ率として注目するトリム平均値上昇率が3.2%から3.7%へ大きく上方修正され、RBAの物価目標(2-3%)から一段と上振れるとした。民間需要の強い伸びと供給能力のひっ迫を受けて、短期的な過熱感へ警戒を示したと捉えている。
ブロックRBA総裁は記者会見で、追加利上げに慎重なアプローチをとるとしたが、インフレ率の高止まりを予想外の事態とした。豪金利先高観は強く、本稿執筆時点の豪短期金融市場では5月の追加利上げ実施が8割程度織り込まれた。また、豪国債利回りでは、3年国債が2011年8月以来となる4.5%台、10年国債が2011年7月以来となる5.0%台が目前に迫る。そうしたなか、SMPにおける経済見通しで、2026年後半以降の見通し期間全般(2028年6月まで)にわたり、緩やかながら下方修正された点に注意したい。RBAは今後、民間需要の伸びとそれに伴う物価上昇圧力が一時的にとどまるか否かを注視する方針とみるが、金融環境の引き締まりが想定以上に進んだ場合、先々の景気減速懸念への目配りも必要となろう。RBAにとって、2026年は金融政策の舵取りが難しい時期となりそうだ。
投資調査部
シニアマーケットアナリスト
合澤 史登



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