Today's Insight
2026/1/22 12:15作成
BOE:労働市場の減速は続くが利下げペースは緩やかに
■ 英労働市場は失業率上昇や就業者数減少が続くが、賃金インフレは鈍化傾向をたどるか
■ 英消費者物価指数は伸びが加速、英景気低迷が危ぶまれるなか追加利下げは3月会合か
20日、英国立統計局(ONS)は2025年9-11月の雇用統計を公表した。失業率は5.1%と8-10月から横ばいながら、2020年11月-2021年1月(5.2%)以来の高水準を付けた。就業者数は前月比8.2万人増へ伸びが加速したものの、英歳入関税庁(HMRC)によれば、2025年12月の就業者数は同4.3万人減と10カ月連続で減少した。ONSは求人数(推計値)は2022年4-6月期以降減少が続いた後、過去6四半期にわたりほぼ横ばいで推移、2025年10-12月期(速報値)は73.4万件と同7-9月期から1万件(前期比1.3%増)の小幅な増加にとどまったと説明している。平均賃金(ボーナス除く)は全部門で前年比4.5%増へ小幅に鈍化、英中銀(BOE)が注視している民間部門では同3.6%増と8-10月(同3.9%増)から鈍化し、2020年9-11月(同3.4%増)以来の低水準を付けた。総じてみれば、労働市場の減速は続いている。
21日公表の昨年12月の英消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比3.4%と、たばこ税の引き上げと航空運賃の上昇を背景に前月(同3.2%)から加速、英中銀(BOE)が注視するサービス価格も同4.5%へ伸びが加速した。昨年11月に公表した金融政策報告では、足元のインフレ率はショックが発生した場合に加速しやすい閾値近辺にあるとBOEは分析。ベイリーBOE総裁は20日の議会財務委員会で、グリーンランドの領有をめぐるトランプ米大統領の発言や貿易戦争のリスクを背景に「地政学的リスクに非常に警戒する必要がある」と述べ、こうした不確実性が及ぼす金融市場への影響を注視する考えを示した。なお、英財務相が昨年11月に発表した秋季予算案では、家計支援のため規定鉄道運賃の値上げ見送りや家庭用エネルギー料金の引き下げを実施するとしており、CPIは4月に中銀目標(2%)付近に鈍化するとの指摘もある。英景気低迷は危ぶまれるが、2月MPCで政策金利は据え置かれ、追加利下げは3月以降とみるべきか。
投資調査部
シニアFXマーケットアナリスト
二宮 圭子



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