Today's Insight

2019/7/18 12:00作成

7月のFOMCで0.50%の利下げを正当化するのは難しい

■ 市場では7月のFOMCでの利下げ幅を巡り、見方が分かれている
■ 小売売上高などハードデータは底堅さを示し、ソフトデータも持ち直すことが見込まれている

 7月10日、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は議会証言で、金融緩和実施への姿勢を維持した。7月30、31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)における、0.50%の利下げの可能性について問われると、今後のデータを詳細に分析するとし、その可能性について含みを持たせた。同議長は、16日の講演でも金融緩和姿勢は崩していない。金利先物市場から予想される、7月に少なくとも0.25%の利下げが行われる確率は引き続き10割となっている。0.50%の利下げについては、パウエル議長の議会証言後は3割弱だったものの、4割弱(7月17日時点)へ上昇しており、市場の見方が分かれていることがうかがえる。

 議会証言後に公表された米経済指標をみると、実体経済の動向を示すハードデータは、物価関連では、6月のコア消費者物価指数(除く食品、エネルギー)上昇率が前年比2.1%と前月(同2.0%)から伸びが加速した。消費関連でも、6月の米小売売上高が前月比0.4%増、GDPの消費支出に最も近いとされるコア小売売上高(除く自動車、ガソリン、建材、食品サービス)は同0.7%増と高い伸びとなった。企業関連では、6月の製造業生産は前月比0.4%増と2カ月連続で増加し、昨年12月以来の大幅な伸びとなった。しかし、住宅関連では、6月の住宅着工件数が前月比0.9%減と2カ月連続で落ち込んだうえ、同許可件数は同6.1%減と低調な結果となった。企業や家計のマインドを示すソフトデータは6月に急激な落ち込みとなったが、7月は悪化に歯止めがかかることが見込まれている。6月に過去最大の低下幅を記録したNY連銀製造業景況感指数は4.3と前月(マイナス8.6)から持ち直した。市場では、7月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数も5.0と前月(0.3)を上回ると予想されている。7月のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)も現況指数が112.8、期待指数が90.0とそれぞれ前月(111.9、89.3)を上回る見通し。

 パウエル議長の議会証言後に公表された経済指標のうち、住宅関連指標は低調だったものの、米経済で最大部分を占める個人消費に関連する小売売上高は堅調。その他の経済指標も前月を上回る指標が多く、現時点では、筆者は7月のFOMCで0.50%の利下げを正当化するのは難しいと考えている。


投資調査部
マーケットアナリスト
池田 崇明

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