Today's Insight

2026/7/17 14:45作成

ドル円の上昇を後押しするもの

■ 7月以降、ドル円は160円台半ばから162円台後半でこう着商状が続くなか、中銀会合を控える
■ チャートフォーメーション上、ドル円は強気の三角持ち合いを形成中で上放れの展開を予想

 ドル円は1日に162円83銭へ上昇後、3日には160円51銭まで押し戻された。きっかけは、6月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に下回ったため。米連邦準備理事会(FRB)の早期利上げ観測が後退し、ドル安が進んだ。一方、10日には片山財務相が年金基金による国内金融資産への投資を後押しする意向を表明、また日銀の独立性を示唆したものの円高は一時的で、ドル円は161円26銭の安値を付けて切り返した。ただ、今週は161円台後半から162円台後半の狭い値幅でこう着商状となった。

 ドルインデックス(DXY)は6月24日に101.80でピークアウトし、約2カ月ぶりに20日移動平均線101.06を下回るドル安を示唆している。23日には欧州中銀(ECB)理事会、28、29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)や、30、31日の日銀金融政策決定会合が後に続く。短期金融市場では、ECBは9月理事会で追加利上げに踏み切ると織り込まれており、ユーロ圏と米国の金利差縮小を意識したユーロ高・ドル安が展開するか、声明やラガルド総裁の会見は注目される。一方、日銀は政策が後手に回らないよう適切に運営していくとの姿勢を示しているが、政策金利は日銀が推計する中立金利の下限を下回っているうえ、実質金利がマイナス圏にとどまる限り円安基調は続くとみている。

 米・イランの軍事衝突が再開し、原油先物価格(WTI)は1バレル80ドル台へ上昇しており、一段高となればドル高・ユーロ安に作用するだろう。こうしたなかで、DXYが20日移動平均線101.06を再び上抜けてドル高に戻り、ドル円の上昇を後押しするかどうか、向こう2週間にわたり開かれる主要中銀の政策決定次第となろう。チャートフォーメーション上、ドル円は高値が一定で下値を切り上げる強気の三角持ち合いを形成中であり、1日高値162円83銭の上抜けを試すとみている。


投資調査部
シニアFXマーケットアナリスト
二宮 圭子

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