Today's Insight

2020/2/21 10:30作成

RBAの利下げ再開は後ずれの可能性

■ RBAは追加利下げに慎重だが、鈍い賃金上昇率と失業率悪化を受けて、利下げ観測高まる
■ 既往の利下げに加え、復興需要が景気を押し上げ、豪ドルは中期的に底入れ感を強めよう

 1月の豪雇用統計は就業者数が前月比1.4万人増と3カ月連続で市場予想を上回ったものの、昨年11月(同3.7万人増)を直近ピークに鈍化傾向をたどっている。失業率は5.3%と昨年12月から0.2%ポイント悪化。また、昨年10-12月期の賃金指数は前年比2.2%上昇と2四半期連続で同水準にとどまる。豪中銀(RBA)は7日公表の四半期金融政策報告で、2020年4-6月期の消費者物価指数(CPI)上昇率見通しを前年比1.75%と昨年11月時点(同2.0%)から下方修正。市場の追加利下げ観測は再び高まっている。

 4日のRBA理事会で政策金利は過去最低の0.75%に据え置かれたが、18日公表の豪中銀(RBA)理事会議事要旨では、追加利下げの妥当性について協議したことが明らかにされた。豪経済が完全雇用に達し、インフレ目標に届くためには長期にわたる低金利が必要との見方で理事会は一致。ただ、RBAは一段の追加利下げは家計の借り入れを促し、高水準の家計債務がさらに膨らむ恐れがあると指摘、利下げに伴うリスクが利点を上回ると判断した。その結果、2月の会合では政策金利を据え置くべきとの結論に至ったという。

 昨年9月から続いた豪南東部の森林火災は豪雨に見舞われ鎮火したが、新型肺炎で中国からの渡航者が制限されるなど、豪州の観光業や教育業などへの影響が懸念される。ただ、森林火災からの復興需要が景気を押し上げるとの期待も高く、こうした不確実性による景気減速が一時的であるかどうかの見極めに。RBAは3月3日の理事会で追加利下げに踏み切ると当行は予想していたが、3月6日発表の昨年10-12月期の実質GDPをはじめ、1-3月期(6月発表)や4-6月期(9月発表)、雇用・物価指標の発表を踏まえ、そのタイミングは年後半に後ずれする公算が大きくなったとみている。豪ドル円は上昇に転じているが、豪ドル米ドルが節目の0.65米ドルを意識した豪ドル安に拍車が掛かり、節目の75円で頭打ちとなる可能性もある。ただ、円安基調が続けば1月安値72円台前半で底入れし、昨年末高値76円台半ばを目指そう。


投資調査部
シニアFXマーケットアナリスト
二宮 圭子

ご登録はこちら