Today's Insight

2018/11/9 12:00作成

ドル円は上値余地を試す展開へ

■ 米FOMCの12月利上げは既定路線
■ 来週予定されるFOMCメンバーの講演に注目

 米連邦公開市場委員会(FOMC)は11月8日の会合で、政策金利を2.0-2.25%のレンジ目標に据え置いた。声明文は9月の内容をほぼ踏襲。設備投資に対する判断を、「力強く伸びてきた」から「年前半の急速なペースからやや鈍化」に変更したが、足元の経済指標を反映したものであった。また、市場環境や貿易摩擦にかかわる言及もなく、今後も漸進的な利上げを継続していく姿勢が示された。12月18、19日に開催される次回会合で25bpsの利上げが決定される可能性は高いだろう。

 一方、FOMCメンバーが予想する通り、2019年の利上げが3回(25bps×3)となれば、3.0%の「中立金利」(景気が過熱も冷やしもしない)を上回ることになる。市場予想によれば、米国で来週発表される消費者物価指数や小売売上高など10月の経済指標は堅調となる見通し。こうしたなか、来週は14日に米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長(日本時間15日8時)、また複数のFOMCメンバーが講演を行う予定で、足元で加速する賃金の伸びなどに対して当局がどのような見解を持っているのか注目される。

 FOMCの政策決定を受けて、ドル円は1カ月ぶりに114円台を回復した。今月末の米中首脳会談を前にこう着している通商交渉、12月7日に迫る暫定予算期限、さらに来年1月に始まる「ねじれ議会」など、こうした不確実性がドル円の上伸を間々阻むこととなろう。テクニカルにも、ドル円の下振れリスクは払しょくされていないが、日足一目均衡表の雲(112円17銭-113円01銭)で下げ渋れば、10月高値114円55銭や心理的節目115円を目標に上値余地を試す展開になるとみている。

投資調査部
シニアFXマーケットアナリスト
二宮 圭子