Today's Insight

2026/2/19 11:20作成

2月RBNZレビュー:市場の早期利上げ観測をけん制

■ RBNZは政策金利を2.25%で据え置いたうえで、利下げサイクル終了を示唆したと捉えている
■ RBNZ総裁は年末までの利上げの可能性を表明したが、当面は緩和的な金融政策姿勢を志向

 ニュージーランド(NZ)中銀(RBNZ)は、2月18日に金融政策委員会(以下、政策会合)の結果を公表した。事前予想通りに政策金利(OCR)は2.25%で据え置かれたが、据え置き決定は4会合ぶりだった。今回は昨年12月に就任したブレマンRBNZ総裁の初めてとなる政策会合だったほか、四半期に一度となる金融政策報告(MPS)が公表される政策会合だったことから、新体制下でのRBNZの政策姿勢を巡るヒントに注目が集まっていた。

 金融市場では、今回RBNZは積極的な利上げ姿勢へ舵を切るとの見通しが大勢だった。これは、昨年10-12月の消費者物価指数(CPI)上昇率が前年比3.1%上昇とRBNZの中期目標レンジ(1-3%)を上回ったほか、直近のRBNZ調査におけるインフレ予想が全期間にわたって上昇していた点が背景だったとみる。そうしたなか、ブレマンRBNZ総裁は記者会見で年末までの利上げの可能性を指摘した。また、議事要旨では、政策が過度に緩和的であり続けた場合のインフレ高進への懸念も指摘された。

 一方で、金融市場の反応がNZ国債利回り低下、NZドル下落となった背景は、声明文と議事要旨の文言やMPCが示した経済・物価見通しを受けて、事前予想以上に政策姿勢が金融緩和的と捉えられた可能性が高い。具体的に、議事要旨では「経済の持続的な回復を支えるため、金融政策スタンスは当面緩和的な姿勢を維持する必要があるという点で委員は一致」と明確に示した。また、「2026年には成長が加速と予想」としたが、MPSの経済成長率見通しでは2026年1-3月期に1.1%へ再加速後、同4-6月期から2029年1-3月期までを0.6%から0.7%程度の成長にとどめた。加えて、大幅な経済の余剰生産能力を依然警戒している点も指摘されており、これらの点からRBNZが利上げを急ぐ状況ではないとの解釈が広がったとみる。

 全体を通じてみると、RBNZは早期の利上げ実施を巡る金融市場の思惑に釘を刺した形と捉えている。ただ、前回(昨年11月)の政策会合と異なり、今回の政策会合で利下げを巡る議論が行われた形跡は確認されず、RBNZは2024年8月に開始した利下げサイクル終了を示唆したとみておきたい。短期金融市場では今年後半の利上げ再開が見通されており、当面はNZの景気回復を巡る動向がRBNZの利上げ再開時期の思惑に影響する展開となる見込み。


投資調査部
シニアマーケットアナリスト
合澤 史登

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