Today's Insight

2019/1/17 10:00作成

年初からの加ドルの上昇基調に歯止めがかかるか

■ 市場予想では、昨年12月のCPIは加中銀の目標を下回る見通し
■ 原油価格の上昇に一服感が広がっており、加ドルの重しに

 カナダ(加)中銀(BOC)は1月9日に声明で「理事会は政策金利を次第に引き上げる必要があると引き続き判断している」と表明。ボロズ総裁は、経済は将来的にフル稼働の状態に達すると強気の姿勢を示した。一方、BOCは声明に「次第に」という文言を新たに付け加えた。これについて同総裁は「時間軸を巡る曖昧さを示すため」と説明しており、追加利上げの時期に関しては今後のデータ次第となろう。こうしたなか、18日に発表される昨年12月の加消費者物価指数(CPI)が注目される。ただ、市場予想によれば同指数は前年比1.7%上昇と2カ月連続でBOCの目標(2%)を下回る見通し。インフレの伸び鈍化が長引けば、BOCの金融引き締め継続スタンスに懐疑的な見方が広がり加ドルの重しとなろう。

 他方、加は原油などの鉱物資源を主要輸出産品としているため、加ドルは原油価格の動きに左右されやすい。BOCは昨年10月以降の原油安について、着実に増加する米国の原油生産が一因と指摘。また、米中貿易摩擦が世界の需要や商品価格に影響を及ぼしているとの見解を示した。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国の協調減産が1月から始まっているものの、14日に米エネルギー情報局は今年と来年の米原油生産量がいずれも過去最高を更新するとの予想を発表。加えて、15日には米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表が、先週行われた米中通商協議について、中国の知的財産権や技術移転の強要を巡り「必要とされる構造改革について進展はなかった」との認識を示していることが明らかになり、先行きに不透明感が残る。そのため、原油価格が年初からの反発基調を維持すると考えるのは早計だろう。上述した要因を踏まえると、年初から加ドルは上昇基調となっているものの、目先の加ドルは上値が重くなると予想。加ドルの目先の上値メドは、対米ドルで1月9日高値1.3180加ドル付近、対円は昨年12月3日高値(86円24銭)から1月3日安値(76円98銭)の下げ幅の61.8%戻し82円70銭や節目の83円ちょうど辺りか。


投資調査部
マーケットアナリスト
池田 崇明