Today's Insight
2026/9/18 12:30作成
英国:9月英中銀(BOE)レビュー
■ BOEの金利決定は概ね市場予想通りの結果だったが、次回以降の利上げ警戒が高まった
■ サプライズはQT政策の修正で、英国債売却を巡る財務省や債務管理庁との協議継続にも注目
英中銀(BOE)は、9月17日に金融政策委員会(MPC)の結果を公表した。政策金利であるバンクレートは3.75%で6会合連続の据え置きとなったうえ、票決では据え置き賛成が6票、0.25%ポイントの利上げ賛成が3票と、金利決定を巡っては概ね市場予想通りの結果だった。
ただ、9月MPCを受けて次回以降の利上げに対する警戒感は高まったと思われる。議事要旨では、BOE内で7月の金融政策報告書で提示したシナリオを基に議論を進めた結果、「中心的な見通し(central projection)」よりも「悪化シナリオ(adverse scenario)」に近づいたと指摘され、消費者物価指数(CPI)上昇率の見通しを2027年初頭に4%台でピークを付けると上方改定された。また、据え置きに賛成した6名のうち、外部委員のディングラ氏とテイラー氏が二次的波及効果(second-round effects)の強まる可能性を指摘したことで、北海ブレント原油価格(14日終了時点:1バレル106ドル)と英国卸売ガス価格(同:1サーム207ペンス)が高止まりとなれば、次回11月MPC以降に利上げ賛成票が過半数を上回る可能性が示唆されたと捉えている。こうしたなか、英短期金融市場では年末までに1回以上の利上げが織り込まれた。
9月MPCの結果発表を受けて、いったんポンド安と英国債利回り低下がみられた。これは(1)他の主要中央銀行との相対的な比較、(2)量的引き締め(QT)政策の修正、が影響したと整理したい。特に(2)はサプライズであろう。(1)9、10日に開催された欧州中銀(ECB)理事会と15、16日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、ともに0.25%ポイントの利上げが決定された。そのため、BOEが政策金利を据え置いたうえで次回以降の利上げ実施を直接的に言及せず、金融引き締めに対して消極的と解釈された可能性がある。また、17、18日に開催された日銀金融政策決定会合でも0.25%ポイントの利上げが決定された。今後、BOEも利上げに追随するか否かで、ポンド相場の反応も変化しよう。(2)BOEはQTのペースを従来の年間700億ポンドから「2034年まで同460億ポンド」へ修正し、2049年以降に償還を迎える英国債の市場売却の停止を全会一致で決定した。その結果、超長期国債を中心に市場安定と金利上昇圧力に配慮したとの見方が広がったとみる。また、BOEは保有英国債の売却に関して今後も財務省(HMT)や債務管理庁(DMO)と協議を継続する見込み。特に英国債利回りは財政の影響で一段高への警戒が続き、英当局全体での対応が一段と注目される。
投資調査部
シニアマーケットアナリスト
合澤 史登



Japanese
English
