Today's Insight
2026/4/15 11:00作成
欧州株:1-3月期決算プレビュー
■ EPS成長に対する原油高の悪影響は織り込まれていない
■ 2026年通年でも同様の傾向がみられ、原油高の長期化がEPS成長の足かせとなるおそれ
金融情報会社LSEGの集計(9日時点)によれば、ストックス欧州600指数構成企業のうち、四半期売上高を発表予定の348社の1-3月期売上高は前年比1.6%増と、前期(同4.6%減)までの減収から4四半期ぶりに増収に転じる見込み。全10セクターのうち生活必需品(Consumer Non-Cyclicals、同12.9%減)や不動産(同11.8%減)など5セクターが減収となり、エネルギー(同12.3%増)やヘルスケア(同8.8%増)など5セクターが増収となるとみられる。また、四半期一株当たり利益(EPS)を発表予定の295社の1-3月期EPSは前年比4.2%増と、2月下旬(同約0.7%増)から上方修正が進展し、前期(同2.0%減)から増益に転じる見込み。エネルギー(同23.6%増)や情報技術(IT、同8.9%増)など3セクターが増益となるものの、生活必需品は変わらず、不動産(同13.6%減)や公益(同12.2%減)など6セクターが減益となる。セクター別寄与度では金融(2.7%)とエネルギー(2.5%)に強く偏り、米国で高い伸びが期待されているIT(0.7%)の重要度は相対的に低い。
市場では、同指数の2026年EPS成長率は13.0%と予想され、米S&P500(13.9%)に近い伸びが期待されている。セクター別寄与度をみると、前年に米国の関税賦課により落ち込んだ一般消費財(4.5%)が高い伸びとなるものの、EPSの実額では2024年に届かず、前年の反動の域を出ない。金融(1.6%)のほか、原油高の長期化によりエネルギー(2.4%)、防衛・インフラ支出増加への期待から資本財(1.4%)、などが全体をけん引する構図が想定されている。原油高の長期化による利益率の低下や域内の低成長がEPS成長の足かせとなるおそれがあり、警戒したい。
ストックス欧州600指数の予想株価収益率(PER)は2月下旬に15.6倍まで上昇していたが、中東情勢の緊迫化を受けて足元では14.0倍と2018年以降の平均水準まで低下しており、割高感は感じられない。原油高の長期化懸念がくすぶるなか欧州中銀(ECB)の利上げ観測が浮上しており、PERの上昇による株高を想定し難く当面は上値の重い展開を見込む。その後はEPSの伸びに沿った緩やかな株価上昇基調に移行するとみて、同指数の年末予想値を660ポイント、年内の上昇余地を700ポイントとの見通しを維持している。
投資調査部長
山口 真弘



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