VPNとは|海外で利用するメリットや使い方、注意点などを解説
「海外出張や旅行でVPNを使いたいけれど、仕組みや選び方がわからない」という悩みを抱えつつ、専門用語の多さから導入をためらっている方もいらっしゃるでしょう。
VPNは、インターネット通信を暗号化しながら、接続元の場所を変えて利用できる仕組みです。
導入すると、海外のフリーWi-Fiのリスクを軽減できたり、現地から日本のWebサービスへアクセスしやすくなったりします。
本記事では、海外でVPNを使うメリットや選び方、使い方、注意点などを紹介します。
海外渡航前にVPNの導入を検討している人はぜひ参考にしてください。
※本記事に記載の内容は、2026年7月現在の情報にもとづくものです。
この記事のポイント
- ● VPNの基本的な仕組みと、海外で利用する主なメリットがわかる
- ● フリーWi-Fi利用時や日本のWebサービス利用時にVPNが役立つ場面がわかる
- ● 海外向けVPNを選ぶ際に確認すべきポイントがわかる
- ● 渡航先の規制や金融サービス利用時の注意点を理解できる
VPNとは
VPNとは「Virtual Private Network(仮想専用線)」の略で、インターネット上に仮想の専用回線をつくり、通信を暗号化する技術です。
暗号化とは、送受信するデータを第三者が読み取れない形に変換する処理を指します。
VPNを利用するとフリーWi-Fiなどを利用する際に、通信内容を盗み見られるリスクを軽減することが可能です。
また、VPNにはIPアドレスを変える役割があります。
IPアドレスはインターネット上の住所にあたる情報で、接続元の国や地域の判定に使われるアドレスです。
海外から日本のVPNサーバーに接続すると、サイト側からは日本国内からのアクセスとして扱われるため、日本の動画配信といったWebサービスを利用できる場合があります。なお、利用する場合は当該サービスの規約を事前に確認するようにしましょう。
ただし、VPNはすべての危険を防ぐ万能なものではありません。
具体的に防げないリスクと対策については、後述する「VPNを海外で利用する際の注意点」で解説します。
海外でVPNを使うメリット
海外でVPNを利用すると、通信の安全性を高めたり、日本国内向けのWebサービスを利用しやすくなったりするメリットがあります。
ここでは、海外でVPNを使うメリットについて詳しく2つ解説します。
フリーWi-Fiのセキュリティ強化ができる
VPNは、フリーWi-Fi利用時のセキュリティ向上に役立ちます。
海外のホテルや空港のフリーWi-Fiには、通信が暗号化されていないものや、正規の名称を装ったものなどがあり、入力したパスワードやカード情報を盗みとられるリスクがあります。
VPNで通信を暗号化すれば、万が一危険なWi-Fiに接続した場合でも、通信内容自体が読み取られるリスクを軽減できるでしょう。
日本限定コンテンツにアクセスできる
一般的にVPNを利用すると、海外から日本限定コンテンツにアクセスしやすくなります。
VPNで日本のサーバーに接続すると、サイト側から日本国内のアクセスと判定され、地域制限を受けにくくなるためです。
このためVPNは、海外に滞在しているときに、契約済みの動画配信サービスを使いたい場合や電子書籍を読みたい場合などに役立つでしょう。
ただし、配信サービスによってはVPN経由の接続を規約で制限しており、必ず視聴できるとは限りません。出国前に各サービスの利用規約を確認しましょう。
海外向けVPNの選び方
VPNは料金だけで選ぶと「現地での通信速度が遅い」「サポートの内容が理解できない」などのトラブルにつながりやすくなります。
海外向けVPNの選び方を知っておくと、自分の渡航スタイルに合うサービスが選びやすくなるでしょう。
ここでは、海外向けVPNの選び方を4つ解説します。
通信速度と安定性を確認する
VPNを選ぶ際は、通信速度と接続の安定性が重要です。
VPNは通信を中継サーバー経由にする仕組みのため、サービスによっては動画が止まったり、Web会議の音声が途切れたりする場合があります。
そのため、公式サイトや利用者の口コミなどで、実際の通信速度や接続の安定性を事前に確認しておくことが大切です。
また、サーバーの設置国や台数も確認しておきましょう。サーバー数が多いVPNサービスであれば、つながりにくいときに別の接続先へ切り替えやすくなります。
滞在先から物理的に近い場所のサーバーを選択できるかも確認しておくと、通信の遅延を抑えやすいでしょう。
日本語に対応しているVPNを選ぶ
海外でVPNを利用する場合は、日本語に対応したサービスを選ぶことがおすすめです。
海外のVPNサービスは英語表記の場合が多いため、接続エラーの解消や解約手続きの際に、内容を正確に理解するのが難しい可能性があります。
また、旅行先でトラブルが起きると、時差の影響で問い合わせの回答が遅れかねません。
アプリの設定画面やヘルプページ、チャットサポートの3点が日本語に対応しているか、契約前に確認すると、渡航先でのトラブル発生時も落ち着いて対処できるでしょう。
セキュリティ機能を確認する
VPNは、暗号化方式とキルスイッチがあるものを選びましょう。
暗号化方式とは、通信内容を第三者に読みにくい形へ変える仕組みです。
現在の主流である「AES-256」のような、強度の高い方式を採用しているかが確認の目安になります。
キルスイッチは、VPN接続が切れた際に通信を遮断し、保護されていない状態での情報流出を防ぐ機能です。
また、暗号化方式とキルスイッチに加えて、通信記録を保存しない方針である「ノーログポリシー」を明記しているかも判断材料になります。
料金プランで選ぶ
海外向けVPNは、料金プランの内容を比較して選びましょう。
VPNはサービスごとに契約期間の区分や返金保証の条件が異なり、支払う総額に差が出る可能性があります。
たとえば、1〜2週間程度の海外旅行なら月単位の契約や返金保証付きのプラン、年に何度も海外へ行く場合は年単位のプランを選ぶと、費用を抑えやすくなります。
しかし、初回割引の終了後に自動更新で、通常料金へ戻るケースには注意が必要です。
契約前に、更新後の料金や解約手順、返金保証の適用条件を確認すると、想定外の出費が避けられるはずです。
海外でのVPNの使い方
VPNは契約からアプリ設定、接続までの流れを出発前に確認すると、旅行先で慌てずに利用を開始できます。
現地では通信環境やサービス側の制限で使えない場合もあるため、日本にいる間に動作確認しましょう。
ここでは、海外でのVPNの使い方を3ステップに分けて解説します。
1.VPNサービスを契約する
最初に、利用目的に合ったVPNサービスを公式サイトから契約しましょう。
渡航先から日本の動画配信サービスを使いたい場合は日本サーバーの有無、フリーWi-Fi対策が目的なら暗号化機能の内容を確認します。
返金保証があるサービスなら、旅行先で接続できなかった場合でも費用の負担を抑えられるため、保証の適用条件を事前に確認しましょう。
なお、契約する際は検索広告の偽サイトや非正規の代理店ではなく、公式サイトを利用することが大切です。
2.専用アプリをダウンロードする
契約完了後は、スマートフォンに専用アプリをダウンロードします。
重要なのは、アプリのダウンロードを日本にいる間に済ませておくことです。規制の厳しい国では、現地に到着してからアプリをダウンロードできない場合があります。
出発前にアプリの起動、ログイン、日本サーバーへの接続テストまで確認すると、旅行先で設定に手間取る事態を避けられるでしょう。
ログイン情報は、旅行先でもすぐ確認できる状態にしておくと安心です。
3.接続先の国を選び、接続する
アプリを開いたら、目的に合わせて接続先の国を選択します。
日本の動画配信サービスを使いたい場合は日本サーバー、フリーWi-Fi利用時のセキュリティ対策が目的なら渡航先のサーバーを選ぶと通信が安定しやすいでしょう。
接続後は、利用したいサイトが正常に表示されるかを確認します。つながりにくいときは、同じ国内の別サーバーへ切り替えると改善する場合もあるでしょう。
正しく接続できているかは、IPアドレス確認サイトを開き、接続先に選んだ国が表示されるかを見ると判断できます。
VPNを海外で利用する際の注意点
VPNはフリーWi-Fiの安全対策や日本のサービスへのアクセスに役立つ一方、渡航先の法律やサービス側の利用規約などによっては使えないこともあります。
便利さだけで判断せず、事前に注意点を把握し、リスクに備えましょう。
ここでは、VPNを海外で利用する際の注意点を4つ解説します。
渡航先がVPNを規制している場合がある
VPNの扱いは国によって異なり、中国やロシアなどでは政府の認可を受けていないVPNの利用が制限されています。
規制が厳しい国では、現地でVPNの公式サイト自体にアクセスできず、渡航後の情報収集も難しくなりかねません。
旅行の計画段階で、渡航先の規制に関する情報を調べ、あわせてVPN事業者の公式情報で最新の接続状況を確認しましょう。
VPNだけでは防げないリスクがある
VPNが守れるのは通信経路であり、ネット上のすべての危険を防げるわけではありません。
本物に似せた偽サイトへ自分でパスワードを入力した場合や、不審な添付ファイルを開いてウイルスに感染した場合の被害は、VPNでは防ぐことができません。
旅行先では慣れない言語の画面に焦り、誤って情報を入力してしまう例もあります。
公式URLの確認や二段階認証の設定、OSとアプリの更新などの対策をVPNと組み合わせると、被害に遭う可能性を抑えられるでしょう。
通信料やバッテリー消費が増える場合がある
VPNは通信を中継サーバー経由にするため、通信量が増えたり、端末のバッテリー消費が早くなったりする場合があります。
とくに、旅行中に動画視聴や地図アプリの利用を長時間続けると、速度の低下やバッテリーの減りの速さを感じるでしょう。
海外用eSIMや現地SIMのようにデータ容量に上限があるプランでは、残量の確認も欠かせません。
長時間外出する日はモバイルバッテリーを用意し、VPNが不要な場面では接続をオフにするといった、使い分けを意識するとバッテリーへの負担を抑えられるでしょう。
現地到着後のアプリのダウンロードは制限される場合がある
インターネット規制が厳しい国では、現地到着後にVPNの公式サイトやアプリストアに接続できず、アプリをダウンロードできない場合があります。
準備をしないまま出発すると、渡航先でフリーWi-Fiの安全対策や日本のサービス利用ができない可能性もあります。
対策としては、渡航前にアプリのダウンロードを済ませることです。
規制が厳しい国へ行く場合は、VPN事業者が規制国向けに案内している接続方法(通信をVPNと判別されにくくする難読化機能など)の有無まで確認しておくと、現地でつながらない事態に備えられるでしょう。
金融サービス利用時の注意
海外旅行では、ネットバンキングでの残高確認やクレジットカード決済など、金融サービスを利用する場面が少なくありません。
注意したいのは、VPNで通信経路を守っていても、金融サービス側が不正利用対策としてVPN経由のアクセスを制限し、ログインできない場合がある点です。
また、決済時の不正利用への備えとしては、利用のたびに通知が届く設定や利用明細の確認など、通信の保護とは別の対策が必要になります。
海外で安心してお金を使うには、VPNによる通信対策とあわせて、海外利用を前提とした安全な支払い手段の備えをしましょう。
海外に持っていくカードならセキュリティも安心な「GLOBAL PASS」がおすすめ
海外旅行では、VPNで通信を守るだけでなく、支払いに使うカードの安全性も確認しておくことが大切です。
VPNは通信経路を保護する対策、カードの管理は決済時のリスクを減らす対策と、それぞれ役割が異なります。
そこで、海外旅行に持っていくカードとしておすすめなのが、世界17通貨に対応したSMBC信託銀行プレスティアのデビット機能付き国際型キャッシュカードGLOBAL PASS(グローバルパス)です。
GLOBAL PASSは利用のたびに口座から即時に引き落とされ、海外にいてもアプリから利用状況を確認できるため旅行中の予算管理にも役立ちます。
[ご参考:あんしんの各種サービス]
GLOBAL PASSの一番の魅力は、ご自身の外貨預金(*1)をそのまま海外での支払いに充てることができる仕組みを有している点です。
世界17通貨の外貨預金を、現地での支払いにそのまま使うことができます。
しかも対象の17通貨を購入する際の為替手数料は、SMBC信託銀行プレスティアの「為替手数料無料プログラム」の適用により、いつでも無料です。(*2)
関連記事:外貨のことならSMBC信託銀行プレスティア!手数料無料で17通貨を購入する方法を解説!
加えて、VisaまたはPLUSマークのついた現地のATMを利用して現金を引き出すことができます。しかも、その際の海外ATM手数料は無料です。(*3)
高額な現金を持ち歩くリスクを減らしつつ、通信はVPN、支払いはGLOBAL PASSと両面の備えをして、海外旅行を楽しみましょう。
[ご参考:SMBC信託銀行プレスティアの外貨普通預金で取扱いのある通貨]
米ドル、オーストラリアドル、ニュージーランドドル、英ポンド、カナダドル、ユーロ、スイスフラン、シンガポールドル、香港ドル、オフショア中国人民元(*4)、タイバーツ、南アフリカランド、トルコリラ、メキシコペソ、ノルウェークローネ、スウェーデンクローネ、デンマーククローネ
(*1)外貨預金に関する注意事項についてはこちらをご参照ください。
(*2) 「為替手数料無料プログラム」の適用条件についてはこちらをご参照ください。
(*3)海外ATM手数料は無料ですが、別途ATMオーナー手数料がかかることがあります。ただし、プレスティアデジタルゴールド、プレスティアゴールド、プレスティアゴールドプレミアムのお客さまで条件を満たされた場合(詳細はこちら)、あるいは、インターネット口座開設特典が適用された場合(詳細はこちら)には、償還されます。
(*4)SMBC信託銀行プレスティアの取り扱いはオフショア中国人民元のみとなります。中国国内での利用の場合、オフショア人民元普通預金から決済可能です。
海外旅行者におすすめの関連記事
VPNに関するよくある質問
ここでは、VPNに関するよくある質問に回答します。
VPNの無料と有料の違いは何ですか?
無料VPNと有料VPNの主な違いは、以下の4つです。
- ● 通信の安定性
- ● データ容量
- ● 安全性
- ● サポート体制
無料VPNは速度や容量に制限がある場合が多く、運営元による通信データの扱いが不明確なサービスも存在します。一方、有料VPNはノーログポリシーやキルスイッチなどの機能がついているでしょう。
短時間のメール確認程度なら無料VPNも選択肢になるものの、旅行中にネットバンキングやクレジットカード決済など個人情報を扱う場合は、有料VPNのほうがおすすめです。
VPN接続で履歴は他者に知られる可能性はありますか?
VPNを使っても、閲覧履歴が他者に知られる可能性はゼロではありません。
通信自体は暗号化され、フリーWi-Fi上の第三者には読み取られにくくなるものの、VPN事業者側に通信記録が保存されていれば履歴が残る場合があります。
ノーログポリシーの明記と、第三者機関による監査の有無を確認しましょう。監査とは、ポリシーどおりに通信記録を残していないかを外部の専門機関が検証する取り組みで、事業者の信頼性を判断する材料になります。
VPNが禁止されている国はどこですか?
VPNの利用可否や規制内容は国・地域によって異なり、変更される可能性があります。
北朝鮮やトルクメニスタンなどでは、VPNの利用自体が禁止または厳しく制限されています。
中国やロシア、イランは、政府が認可したVPNのみを許可する規制がとられています。
日本やアメリカ、ヨーロッパの多くの国では一般的に利用されているものの、規制状況は政治情勢によって変動します。
違反時の罰則の有無も国ごとに異なるため、旅行の計画段階でVPN事業者や公的機関(外務省等)の最新情報から、渡航先のルールを確認しましょう。
VPNの海外利用で、動画配信サービスは視聴できますか?
日本のサーバーに接続すれば、海外から日本の動画配信サービスへアクセスできる場合があります。ただし、視聴を保証できるものではありません。配信各社はライセンス契約にもとづいて地域制限を設けており、VPN経由と判定した接続をブロックする対策を進めている可能性があります。
また、規約でVPN利用を制限しているサービスもあり、違反するとアカウント停止のリスクが生じます。
旅行前に各サービスの規約を確認したうえで、視聴の可否は現地での接続状況にあわせて判断しましょう。
海外のVPNはどれが無料ですか?
無料で使えるVPNは存在するものの、海外旅行での利用では選定に注意が必要です。
無料VPNには、通信容量の制限や速度の低下、広告表示の多さといった制約があるほか、運営元が通信データをどのように扱うか不明確なサービスもあります。
無料のVPNを選ぶ際は、以下の3点を確認しましょう。
- ● 運営元の会社情報が明示されているか
- ● 通信データの扱いがプライバシーポリシーで説明されているか
- ● 通信容量の上限が旅行中の利用に足りそうか
また、返金保証付きの有料VPNを保証期間内に試し、合わなければ解約する方法なら、実質的な負担を抑えながら有料の品質を確認できます。


