フランス旅行にはいくら必要?予算や、節約方法を解説

フランス旅行にかかる費用は、滞在期間や滞在都市、シーズン、滞在先でのアクティビティなどプランによって変わり、短期間の旅行では23万円程度が目安です。
この記事では、フランス旅行の費用相場や最近の物価事情、また、費用を安く抑える方法や現地での決済手段、現金の準備方法なども紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
※本記事に記載の費用は、2025年1月時点における大人一人当たりの費用(目安)となります。
フランスの基本情報

フランスはヨーロッパで最も広い国土面積を誇る国です。歴史的建造物や文化施設が多く、首都のパリはもちろん、東西南北のさまざまな地域で、魅力的な風景や街並みを楽しめます。
また芸術や美食の国としても有名で、世界中の観光客から人気を集めています。
公用語はフランス語ですが、観光客が多く集まる地域では、英語をはじめ、さまざまな言語を耳にする機会があるでしょう。
フランスと日本との時差は8時間です。なお、フランスのサマータイム期間(3月最終日曜日~10月最終日曜日まで)は7時間差になります。
日本からのアクセス
日本からフランスへのアクセスは、目的地によって大きく異なります。首都パリへは東京や大阪からの直行便が就航しており、飛行時間は航空会社や就航都市によって差はありますが、12~13時間前後です。
その他、世界のさまざまな航空会社の経由便を利用すれば、リヨンやボルドー、ニース、マルセイユなど、フランスのさまざまな都市へのアクセスが可能です。
フランスのベストシーズン

フランスは日本と同様に四季折々の変化を楽しめる国ですが、国土面積が日本の約1.7倍と広いため、地域によって気候や景観が大きく異なります。
春や秋は気温が穏やかで観光に適したシーズンです。夏は夜21時頃まで日が昇っており、各地でイベントが開催されるため、観光気分を盛り上げてくれるでしょう。冬はアルプスやピレネーでウィンタースポーツを楽しめます。
また、フランスは年間を通して各地で芸術や音楽、グルメ、ワインなどといったさまざまなイベントが開催されています。フランス旅行の目的に合わせ、自分にとってのベストシーズンを選んで訪れるとよいでしょう。
通貨の単位
フランスの通貨は、「ユーロ」および1ユーロ以下の通貨単位として「セント」が使われています。100セント=1ユーロです。
紙幣は5ユーロ、10ユーロ、20ユーロ、50ユーロ、100ユーロ、200ユーロ、500ユーロの7種類、硬貨は1セント、2セント、5セント、10セント、20セント、50セントおよび1ユーロ、2ユーロの8種類があります。
なお、為替レートは常時変動しているため、両替時にチェックしておきましょう。日本円からユーロへ両替する場合には、国内の両替所であれば表示されている「Selling」というレート、海外の両替所であれば「Buying」というレートに注目しましょう。
※2025年1月29日時点では、1ユーロ=約162円です。
フランスの物価事情
フランスは付加価値税の標準税率が20%(食品や医薬品などは軽減税率が適用)と高く、また円安の影響もありますが、フランスの物価はヨーロッパの中でも高めです。
地域や店舗によっても価格は異なりますが、目安は以下のとおりです。
項目 | 相場 | 1ユーロ=162円換算 |
---|---|---|
ミネラルウォーター(1.5L) | 1ユーロ前後 | 162円前後 |
コーヒー(カフェで注文した場合) | 3ユーロ前後 | 486円前後 |
地下鉄(乗車1回) | 2.15ユーロ前後 | 348円前後 |
なお、観光客が多く集まる地域や店舗、自動販売機などでは、上記よりも高い値段が設定されている場合も多くあります。逆に、観光客が少ない地域ではより安価な場合もあります。
フランス旅行の費用はいくら?

フランス旅行でかかる費用は、旅行の時期や利用する航空会社、ホテルのランク、滞在日数、現地での過ごし方などによって変わります。
以下では、航空券やホテルを自分自身で手配した場合の費用の目安を紹介します。なお、滞在先はパリを想定しており、航空券は東京からパリへの直行便の相場を記載しています。
3泊4日(3泊5日)滞在する場合
3泊4日(3泊5日)の場合は、パリ観光だけの想定でシミュレーションすると、費用は大人1人あたり22万7,600円~が目安です。
航空券(往復・エコノミー) | 12万6,000円~ |
ホテル代(スタンダード、ツイン) | 6万円~ |
食事代(昼・夜) | 2万円~ |
観光代 | 1万5,000円~ |
Wi-Fi・通信費 | 5,000円~ |
海外旅行保険 | 1,600円~ |
計 | 22万7,600円~ |
4泊5日(4泊6日)滞在する場合
4泊5日(4泊6日)の場合は、パリ滞在中に、モンサンミッシェルなどの近郊地域に日帰り旅行をすることもあるでしょう。その想定でシミュレーションすると、かかる費用は大人1人あたり27万9,000円~が目安です。
航空券(往復・エコノミー) | 12万6,000円~ |
ホテル代(スタンダード、ツイン) | 8万円~ |
食事代(昼・夜) | 2万5,000円~ |
観光代(日帰りツアー代を含む) | 4万円~ |
Wi-Fi・通信費 | 6,000円~ |
海外旅行保険 | 2,000円~ |
計 | 27万9,000円~ |
1週間(5泊7日)滞在する場合
1週間(5泊7日)の滞在では、パリから列車で移動し、別の都市にも滞在してみてもよいかもしれません。その想定でシミュレーションすると、かかる費用は大人1人あたり30万6,600円~が目安となります。
航空券(往復・エコノミー) | 12万6,000円~ |
ホテル代(スタンダード、ツイン) | 10万円~ |
食事代(昼・夜) | 3万円~ |
列車代(パリとの往復) | 1万6,000円~ |
観光代 | 2万5,000円~ |
Wi-Fi・通信費 | 7,000円~ |
海外旅行保険 | 2,600円~ |
計 | 30万6,600円~ |
フランス旅行に必要な費用の内訳

ここからは、フランス旅行に必要となる費用を項目別に紹介します。
航空券
フランスへの航空券は利用する航空会社や搭乗クラス、旅行時期、予約のタイミングなどにもより幅があります。オフシーズンの場合、東京からパリへの直行便(エコノミークラス)で往復12万6,000円からが相場ですが、経由便を利用すれば、費用を抑えられる可能性があります。
なお、一般的には正月明けや4月上中旬、11月~12月頃がオフシーズンとされていますが、旅行先の休暇やイベントなどによっても変わるため、目的地のイベントカレンダーなどもチェックしておくとよいでしょう。
海外旅行保険
フランスを旅行する際は、スリや盗難のリスク、アクシデントによるケガ、病気などに備えて出発前に海外旅行保険に加入しておくと安心です。保険料は加入する保険会社やプランによりますが、滞在期間に応じて2,000~3,000円程度を見積もっておくとよいでしょう。
ビザの申請代
2025年以降、日本国籍の方がフランスを含むヨーロッパ30ヵ国へ渡航する際は、ETIAS(エティアス)と呼ばれる事前渡航認証の取得が必須となります。(*)
ETIASはビザのような役割を果たす制度で、申請手続きはオンラインのみです。
申請費用は一律7ユーロで、18歳未満と70歳以上の方は無料です。1ユーロ162円換算の場合、約1,134円が目安となります。
(*) ETIAS(エティアス)は2025年度中に導入される予定です。
ホテルの宿泊費
ホテルの宿泊費は都市および立地、ホテルや部屋のランク、宿泊時期や予約時期などによって大きく変わります。
パリやリヨン、ニースなど、観光客に人気のある都市では、スタンダードな三つ星ホテル(日本のビジネスホテルに相当)で、1人1泊1万5,000円~2万円程度を目安にするとよいでしょう。
通信費
フランスではホテルや公共施設などで無料Wi-Fiを提供しているところも多くあります。しかし観光先での通信のためには携帯電話会社の定額データサービスへの加入や、SIMカード・ポケットWi-Fiをレンタルしておくと安心です。料金は提供する企業やプランによって異なりますが、フランスで利用できるポケットWi-Fiのレンタル料金は、1日あたり1,500~2,500円が目安です。
食費

美食の国フランスへ旅行するなら、本場のフランス料理を堪能したいと考える方が多いかもしれません。かかる費用は利用するレストランなどによっても異なりますが、1日あたり1万円ほどを目安としておくとよいでしょう。
交通費
パリをはじめとしたフランスの大きな都市では、地下鉄やトラム、バスなどの公共交通機関が充実しています。旅行者向けのお得なパスを提供している都市も多いため、上手に活用しましょう。
なお、料金は都市によって異なるため、訪れたい観光スポットや滞在日数を考慮して、事前に確認しておくことをおすすめします。
例えば、パリ交通公団(RATP)の「Paris Visite package」は、地下鉄や電車、トラム、バスなどを自由に乗り降りできるパスです。料金は、パリ中心ゾーンの3日券の場合、大人1人あたり30.9ユーロ(5,006円相当)です。
観光・オプショナルツアー費

フランスでは美術館や歴史的建造物、庭園など、魅力的な観光スポットが多くあります。せっかくフランスで旅行をするなら、訪ねてみるのもよいでしょう。
例として、ルーヴル美術館の入館料は大人1人あたり22ユーロ(3,564円相当)、エッフェル塔のリフト券は、最上階までエレベーターでアクセスできるものが大人1人あたり36.1ユーロ(5,848円相当)です。
フランス旅行中に複数の観光スポットを見て回りたい場合は、観光バスやオプショナルツアーを利用するのも効率的です。
お土産代

フランスには高級ブランドをはじめ、地域色あふれるお土産物が豊富です。
お土産代は買う品物によって大きく変わりますが、観光客向けのショップで売られているものは一般的に割高です。特定のブランドなどにこだわりがない場合は、地元のマルシェやスーパーマーケットなどでお土産を購入すると、比較的リーズナブルに済むでしょう。
フランス旅行の費用を節約するためのポイント

フランス旅行中、グルメや観光、ショッピングなどを堪能しようと思うほど予算は膨らみがちです。フランス旅行の費用を節約したい場合は、以下のような工夫をしてみましょう。
- ● オフシーズンを選ぶ
- ● 早割を利用する
- ● 宿泊先や部屋のグレードを見直す(ただし、セキュリティ面には十分注意)
- ● 公共交通機関のお得なパスを活用する
- ● 美術館や博物館は無料開放日に行く
- ● 食事はレストランだけでなく、パン屋やマルシェの惣菜などを楽しむ
- ● 手数料のかからない決済方法を選ぶ
フランスで現金の両替は必要?

フランスではキャッシュレス化が進んでおり、さまざまな店舗や施設でデビットカードやクレジットカードを利用できます。しかし、一部の店舗ではキャッシュレス決済に対応していなかったり、「●●ユーロ未満はキャッシュレス決済不可」など、キャッシュレス決済の最低金額が設定されている場合があります。
そのため、最低限の現金は持ち歩いておくと安心です。
フランスの決済事情

古くからキャッシュレス化が進んでいるフランスでは、あらゆる場面でデビットカード(CBというデビット機能付のキャッシュカード)、またはクレジットカードを利用する人が多い傾向にあります。
また、コロナ禍以降はタッチ決済を利用する人も増えました。なお現時点では支払額に上限が設けられており、50ユーロ(8,100円相当)までタッチ決済が可能となっておりますが、将来的にはこの上限は撤廃される見込みです。
ユーロ(現金)のおすすめの準備方法
ユーロを現金で用意する場合、フランスの空港や両替所でも両替できます。ただし、為替レートの面で考えると、事前に日本で両替をしておくほうがよい場合があります。
なお、フランスではスリや置き引きの被害が少なくありません。そのため、地元に住んでいる人であっても、大金を持ち歩かないケースがほとんどのようです。
特に、観光客の多いスポットでは、スリや盗難のリスクが高い傾向にあります。そのため、日本から持参する現金は最低限とし、残りは現地のATMで必要なときに必要な分だけ引き出すのがおすすめです。
なお、フランスには、日本語表示が可能なATMも多く設置されています。フランス語が不安な方でも、安心してATMを利用できるでしょう。
フランス旅行にはプレスティアの「GLOBAL PASS」がおすすめ

フランス旅行の際には、SMBC信託銀行プレスティアの「GLOBAL PASS」の利用がおすすめです。
「GLOBAL PASS」はデビット機能付きの国際キャッシュカードで、ホテルや観光施設、ショッピングなど、幅広いシーンでのキャッシュレス決済に利用できます。現地の「Visa」または「PLUS」マークのあるATMでは、現金の引出しも可能なので、事前に外貨両替をする手間が省け、スリや盗難のリスクも軽減できます。
さらに、プレスティア マルチマネー口座へユーロを事前に預けておけば、現地での利用額や引出し額がそのまま引落とされるため、為替レートや手数料を気にせず利用できるのも魅力です。