ストックオプション・RSU・ESPPにより取得した外国株式の売却代金を外貨のまま受取るには?おすすめの方法や留意点を解説

今日では、外資系企業を中心に、従業員や役員のモチベーション向上、資産形成の手段として、ストックオプション等の株式報酬制度が導入されるケースが増えています。
この記事では、ストックオプション・RSU・ESPPにより外国株式を取得するケースに着目し、その売却代金を米ドルやユーロなどの外貨のまま受取る場合のメリットや留意点について解説するとともに、資金を受取る金融機関を選ぶうえでのポイントやおすすめの銀行を紹介します。
ストックオプションと、RSUやESPPの違い
ストックオプションとは
ストックオプションとは、企業が従業員や役員に対して付与する、あらかじめ決められた期間に決められた価格で自社の株式を購入できる権利(=自社株購入権)を指します。Stock Optionの頭文字をとり、SOと表記する場合もあります。
自社の株価が上昇したタイミングで、ストックオプションを行使して取得した株式を売却すれば、利益を得ることができます。このため、ストックオプションの付与は、従業員や役員にとって業績向上に対する実質的なインセンティブとなります。
RSUとは
RSUとは、Restricted Stock Unitの略で、譲渡制限付株式ユニットを指します。
一定期間の継続勤務などを条件とし、その条件を達成した後に株式を受取る権利を付与される制度です。譲渡制限付株式(RS)とは違い、規定に従ってユニットが付与され、上述の条件の達成後に当該ユニットに応じた株式を受取ることができるもののことです。
ESPPとは
ESPPとはEmployee Stock Purchase Planの略で、従業員株式購入プランを指します。
従業員による自社株(割引き)購入制度のことで、一定の時期に自社株を割引価格で購入できる権利が付与され、権利行使によって市場価格よりも低い金額で自社株が取得できるものをいいます。
外国株式の売却代金は円と外貨、どちらで受取る?
ストックオプションやRSU、ESPPといった株式報酬制度で株式を取得する場合、権利行使および株式売却のタイミングが重要です。これは日本でも海外でも同じです。
外国株式を取得する際には、これに加えて、株式の売却代金を日本に送金する際の方法について注意が必要です。株式の売却代金(外貨建)について、日本の銀行の円預金口座への送金を指定したことで、意図せずに円転されてしまったというのは、割とよくある失敗談です。
円貨、外貨のどちらで売却代金を受取るかの選択は、ただちに円貨で使いたいのか、当面は外貨建のまま運用を継続したいのかといった意向によって変わってくるものであり、慎重に検討すべき重要なポイントと言えるでしょう。
以下では、ストックオプション等で取得した外国株式の売却資金を米ドル等の外貨で受取るケースに着目し、そのメリットと留意点について解説します。
外国株式の売却代金を外貨のまま受取るメリット

円に交換するタイミングを選べる
外貨のまま受取る場合、自分で円に交換するタイミングを決めることができます。市場の動向や為替レートを見極め、納得のいくタイミングで円に交換できるということは、資産の運用や管理の観点で大きなメリットになります。
外貨建で運用を継続できる
諸外国と比べると、日本は相対的に金利が低い状況が続いています。このため、使い道の決まっていない外貨を円に交換したとしても、積極的にリスクを取らない限り、その円建の資産を効率的に運用する手段は乏しいというのが実情です。
一方で、資産の一部を外貨のまま保有すれば、運用や管理の選択肢が増えるとともに、相対的に高い金利の恩恵を享受することができることから、日本国内におけるインフレ対策としての効果も期待できます。
外国株式の売却代金を外貨のまま受取る場合の留意点
為替変動リスクを認識しておきましょう
外貨のまま受取る場合は、為替リスクについて正しく理解しておくことが重要です。為替リスクとは、為替相場が変動することにより、外貨建資産を円換算した際の価値が増減するリスクを指します。
資産の一部を外貨のまま保有することには、当該為替リスク(円換算で資産が増えることもあれば減ることもあるリスク)が内包される点は認識しておきましょう。
確定申告を適切に行いましょう
ストックオプションの行使等により外国株式を取得した場合、あるいはこれを売却した場合には一般的に、確定申告が必要となります。税金関係の処理が複雑になることもあるため、国際税務に精通した専門家に相談するなどして、適切な手続きを踏むようにしましょう。
外国株式の売却代金を外貨のまま受取る方法

以下では、ストックオプション等で取得した外国株式を売却し、売却代金を受取る方法について紹介します。
外国株式の売却
まずは、ストックオプションの行使等により取得した外国株式を、海外の証券口座にて売却し、現金化しましょう。
海外の証券口座を通じて株式を売却した時点では、当該売却代金については通常、外貨のままで保有していることとなります。
売却代金の受取り方法|送金を利用する場合
外国株式の売却代金を日本へ送金する場合にはまず、資金を受取る日本の銀行口座を決めましょう。
このとき、円貨での受取りを希望する場合は円預金口座、外貨のままでの受取りを希望する場合は外貨預金口座(送金する外国株式の売却代金と同じ通貨の外貨預金口座)を指定します。
インターネット経由での送金は通常、1日に送金できる金額について限度額が設定されているため、高額の場合は上限額を引き上げるか、複数回に分けて送金するといった対応が必要になります。
なお、送金した資金の受取先に円預金口座を指定した場合は、原則として外貨から円貨に自動的に交換されたうえで口座に入金されるため、一般的に当該銀行が独自に定める為替手数料を支払う必要があるほか、通貨交換のタイミングを選ぶことはできないことを考慮しておきましょう。
一方、外貨預金口座を指定して、外貨のままで受取る場合は、先述の通りご自身の納得のいくタイミングで円貨に交換できるほか、金融機関によっては海外旅行や海外出張の際のお買物等でその外貨を使うといったことも可能です。
このため、資金の使い道等を踏まえ、適切に円預金口座または外貨預金口座を選択するように心がけましょう。
売却代金の受取り方法|外国小切手を利用する場合
何らかの事情でインターネット経由での送金が難しい場合には、小切手を郵送で受取る方法もあります。
ただし、日本国内のほとんどの金融機関は現在、外国小切手の取扱いを行っておらず、換金の際に苦労するため、極力海外送金を選択することをおすすめします。
海外から送金した資金を外貨で受取る銀行を選ぶポイント

海外から送金した資金を外貨のままで受取りたい方は、以下に挙げる点をしっかり確認して、送金先として指定する銀行を選択しましょう。
- ① 海外からの送金を受取る際にかかる手数料はどれくらいか
- ② 受取った外貨を外貨のままショッピング等で使う手段があるか
- ③ 外貨に関する情報提供は十分か
- ④ 外貨建の商品ラインナップは充実しているか
- ⑤ 困ったときに頼れるコンサルタントは存在するか
- ⑥ その他外貨を入金することに伴うメリットが見いだせるか
なお、海外から送金した資金を受取る際の手数料や注意点については、「【海外から日本へ送金】受取方法や手数料を徹底解説&おすすめの銀行を紹介」で詳しく説明していますので、あわせてご覧ください
海外から送金した資金を受取るなら、SMBC信託銀行プレスティアがおすすめ

海外から送金した資金を受取るなら、SMBC信託銀行がおすすめです。
SMBC信託銀行プレスティアは、特に外資系企業にお勤めの方や海外勤務の経験をお持ちの方から、外貨決済や外貨建の資産運用に強いと定評のある銀行です。米ドルやユーロをはじめとする17通貨であれば海外から送金した資金を外貨のままで受取ることが可能であるほか、一部の通貨に関しては外国小切手の買い取りにも対応しています。
ちなみにSMBC信託銀行プレスティアでは、海外の金融機関からの外貨資金の預け替えに対して最大10万円まで(プレスティアゴールドプレミアムに該当する方は、最大25万円まで)のキャッシュプレゼントの特典があり、また、一般的に数千円程度かかる為替取扱手数料(リフティングチャージ)が無料というから驚きです。
なお、SMBC信託銀行プレスティアは、外貨建の商品ラインナップ数が国内有数の規模であるうえ、外貨にも強いコンサルタントによる資産運用・管理のサポートが受けられるのも利点でしょう。
このほか、SMBC信託銀行プレスティアが発行するデビット機能付き国際型キャッシュカード、GLOBAL PASSを使えば、ご自身の外貨預金(*1)をそのまま海外での支払いに充てることができます。
GLOBAL PASSはタッチ決済にも対応しているため国内外でのお買物等もスムーズに行えるほか、海外で現地通貨の現金が必要になった際には、海外ATM手数料無料で、世界の200以上の国や地域のVisaまたはPLUSマークのついたATMを利用して引き出すことが可能(*2)です。
(*1) SMBC信託銀行プレスティアの外貨普通預金で取扱いのある通貨は、以下の17種類です。
米ドル、オーストラリアドル、ニュージーランドドル、英ポンド、カナダドル、ユーロ、スイスフラン、シンガポールドル、香港ドル、オフショア中国人民元、タイバーツ、南アフリカランド、トルコリラ、メキシコペソ、ノルウェークローネ、スウェーデンクローネ、デンマーククローネ
(*2) 海外ATM手数料は無料ですが、別途ATMオーナー手数料がかかることがあります。ただし、プレスティアデジタルゴールド、プレスティアゴールド、プレスティアゴールドプレミアムのお客さまで条件を満たされた場合(詳細はこちら)、あるいは、インターネット口座開設特典が適用された場合(詳細はこちら)には、償還されます。
まとめSUMMARY
今日では、外資系企業を中心に、ストックオプション等の株式報酬制度が導入されるケースが増えています。ストックオプション等の付与を受け、権利行使により取得した外国株式を売却する場合は、資金の使い道等を踏まえ、円貨・外貨のいずれかで売却代金を受取るか、適切に選択しましょう。
海外から送金した資金を受取るなら、SMBC信託銀行がおすすめです。外貨建の商品ラインナップ数が国内有数の規模であるうえ、外貨にも強いコンサルタントによる資産運用・管理のサポートが受けられるほか、デビット機能を備えた国際型キャッシュカード、GLOBAL PASSを利用すれば、口座に預けた外貨は外貨のまま、海外でのお買物やATMでの現金の出金に使うことができて便利です。
外資系企業にお勤めの方等、ストックオプションの行使等により外国株式を取得された方、あるいはそのご予定のある方は、是非SMBC信託銀行プレスティアの預金口座開設およびGLOBAL PASSのお申込みをご検討ください。