Today's Insight

2019/8/16 12:30作成

独経済は、製造業の不振が他にも波及するかに注目

■ 4-6月期の独実質GDP成長率は再び前期比マイナスに
■ 製造業の不振が現時点ではサービス業や雇用などにさほど影響を及ぼしていない

 14日に公表された4-6月期のドイツ(独)実質GDPは個人消費などの内需がプラスに寄与する一方、輸出が減少したことなどから、前期比0.1%減と再びマイナス成長に陥った。独の主要産業である自動車の国別輸出割合(2017年、金額ベース)を確認すると、米国、英国、中国の上位3カ国で4割弱を占める。米国、中国と貿易摩擦の渦中にある2カ国と欧州連合(EU)から10月末に強硬離脱する可能性がある英国が主要な取引相手国であることから、輸出は逆境が続きそうだ。輸出環境の悪化などを背景に、6月の独鉱工業生産指数は前月比1.5%低下となるなど、2018年5月をピークに低下基調をたどっている。また、独製造業PMIも1月から7月まで、7カ月連続で好不況の判断の分かれ目となる50を下回り、製造業企業のマインド悪化が続く。

 一方、7月の独サービス業PMIは54.5と50を上回り、55近辺での推移が続いている。雇用については、7月の独失業率は5.0%と3、4月につけた1990年の東西独統一後の最低水準である4.9%付近にとどまっている。また、6月の独小売売上高は前月比3.5%増と2006年以来の高い伸びとなった。4、5月は前月比ベースで減少していたが、落ち込んだ分以上に6月は持ち直しており、増勢基調を維持している。製造業企業のマインド悪化はサービス業や雇用、個人消費には、現時点ではさほど影響を及ぼしていないと考えられよう。

 今後の独経済の注目点は、製造業の不振がサービス業に波及するかどうか、消費が底堅さを維持できるかだろう。消費の先行きについては8月の独Gfk消費者信頼感指数が6カ月連続で低下していることから、楽観視できない。今後製造業の不振がサービス業に波及する場合は、年後半から独経済の回復を予想する市場の期待が萎み、独経済の先行き懸念がより強まる恐れがあるだろう。

投資調査部
マーケットアナリスト
池田 崇明

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