Today's Insight

2019/4/17 12:00作成

NZインフレ指標は低調だったが

■ 1-3月期のNZ消費者物価指数は前年比で伸びが鈍化、市場の利下げ観測が一段と高まった
■ 今後発表の企業や消費者の景況感、雇用が堅調であれば5月8日もNZ政策金利は据え置きか

 1-3月期のニュージーランド(NZ)消費者物価指数(CPI)上昇率は、前期比0.1%と前期と同じ伸びにとどまった。一方、前年比では1.5%と3四半期ぶりの低い伸びに鈍化、NZ準備銀行(RBNZ)の見通し(2月時点:同1.6%)を下回った。2017年から4年間にわたり毎年10%引き上げられる「たばこ税」によるたばこ価格上昇が、ガソリン価格と国際航空運賃の下落に相殺された。ただ、ガソリン店頭価格については、3月下旬の上昇が4月前半も続いたと、NZ統計局は指摘している。

 昨年10-12月期のNZ実質GDPは前期比0.6%増と前期(同0.3%増)から回復、個人消費が堅調だったほか設備投資の持ち直しが成長を下支えした。世界的な景気減速感がくすぶるなか、ANZが発表した3月の企業景況感は2カ月連続で悪化したが、消費者信頼感は3カ月ぶりに改善。NZ準備銀行(RBNZ)は3月27日に政策金利を1.75%に据え置いたが、オア総裁は声明で「景気見通しのリスクバランスは下方に傾いたため、次の政策変更は利下げの可能性が高い」と指摘。ただ、「企業がコストの上昇を価格転嫁できれば、インフレ率は予想以上に加速する可能性もある」との見解を示した。

 昨年10-12月期の失業率は4.3%と2008年7-9月期以来の低水準だった前期(4.0%)から悪化したが、2000年以降の平均(5.0%)を下回る低水準を維持。労働参加率は70.9%と遡及可能な1985年10-12月期以来の最高水準であることに鑑みれば、雇用改善は続いていると判断できる。5月1日に発表される1-3月期の雇用統計で、失業率低下と賃金増が確認されるかどうか注目。4月以降、RBNZは総裁が決定権を持つ枠組みから、金融政策委員会(MPC)による政策決定に移った。市場の利下げ観測は根強いが、1-3月期のCPIはRBNZのインフレ目標(1.0-3.0%)内にとどまっている。労働市場も堅調であればRBNZは2つの目標達成に向けて当面は政策変更を急ぐ必要はなく、5月8日の次回MPCでも政策金利は据え置かれよう。

投資調査部
シニアFXマーケットアナリスト
二宮 圭子

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