Today's Insight
2026/1/5 11:00作成
日米中銀:日銀会合の「主な意見」とFOMC議事要旨
■ 日銀は景気や為替動向、政権の意向を見極めつつ、緩やかなペースで利上げ継続か
■ FOMC議事要旨ではデータ次第で利下げ継続の可能性が残され、経済指標の結果が重要に
昨年末に日米金融政策に関する重要な情報発信がなされた。日銀は昨年12月29日に金融政策決定会合(同12月18、19日開催分)の「主な意見」を公表した。委員の1人は「日本の実質政策金利(政策金利-物価上昇率)は群を抜いて世界最低水準」と指摘した。円安や長期金利の上昇に影響しているとの見方に加え、政策が後手に回るビハインド・ザ・カーブになることを回避すべく着実な利上げが望ましいとの見解が示されたほか、中立金利までにまだかなりの距離があり、当面は数カ月に1回のペースを念頭に利上げすべきとの意見もみられた。市場では今後の利上げ継続姿勢を示す内容と受け止められたが、中立金利水準の特定が困難との見解がみられたほか、内閣府からは設備投資や企業収益の動向を注視する必要があるとの意見が示された。今後の利上げは景気への影響や為替動向を見極めながら、高市政権と緊密に連携しつつ慎重に行われるとみられる。
米連邦準備理事会(FRB)は昨年12月30日に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(同12月9、10日開催分)を公表した。大部分(Most)の参加者は、より中立的な政策スタンスへと移行することで、労働市場の状況が大きく悪化する事態を未然に防ぐ一助となると指摘した。一方、2-3名(a few)の参加者は、これまでの利下げが労働市場を下支えする効果を評価するために利下げを停止すべきと主張したほか、数名(Several)の参加者は高インフレが定着するリスクを指摘し、インフレ指標が高止まりする中で政策金利をさらに引き下げれば、2%のインフレ目標に対する当局者のコミットメントが弱まったと受け止められかねないとの考えを示した。パウエルFRB議長が同会合後の記者会見で、労働市場のより深刻な悪化を防ぐために十分な利下げを行ってきた一方で、インフレ抑制を継続するのに十分な高金利を維持していると示唆したことと整合的である。政策金利の据え置きを支持、もしくは支持し得た一部の参加者は、次回1月27、28日のFOMC会合までに労働市場やインフレに関する相当量のデータが公表され、利下げが妥当かどうかを判断する上で有益になるとの見解を示した。政府機関の一部閉鎖によるデータの精度への懸念が解消に向かうなか、1月に公表される雇用・物価関連の経済指標の結果次第では、3月のFOMCでの利下げ再開を織り込む市場の利下げ観測が変化し金融市場に影響が及ぶ可能性があるため、注目しておきたい。
投資調査部長
山口 真弘



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