Today's Insight

2026/2/13 13:15作成

BOC:政策金利は当面据え置きの公算へ

■ 地政学的混乱やCUSMA見直し、貿易混乱などインフレには上下双方のリスクがあるとの考え
■ BOCは2027年までの予測期間を通じて、CPIが中銀目標付近で推移すると見込む

 11日、カナダ(加)中銀(BOC)は金融政策会合の議事要旨(1月28日分)を公表した。同会合では政策金利が2会合連続で2.25%に据え置かれ、現行政策金利は中銀の見通しに基づき適切との認識が示された。BOCメンバーは昨年10月以降の加経済が概ね見通し通りに推移しているとしたものの、(1)地政学的混乱、(2)加・米国・メキシコ協定(CUSMA)の見直し、(3)貿易混乱への経済調整、に関わる3つのリスクについて議論。米政府が引きおこした地政学的リスクの高まりや米連邦準備理事会(FRB)の独立性に対する脅威は世界をより不安定にし、不確実性の再燃を引き起こしたと判断。米通商政策は一段と予測困難となり、こうした緊張感はグローバルサプライチェーンの混乱を招き、供給能力を低下させる一方で経済活動の重しとなってインフレに上下双方のリスクをもたらす可能性があると懸念をにじませた。

 CUSMAの見直しは、企業に加米の貿易関係について明確に見通せるまで資本投入に慎重な姿勢を続けるだろうと指摘。加米の貿易依存度を低減する取り組みは、より長期的な視点で輸出成長と投資を支える可能性があるが、経済成長に対する下方リスクをもたらす点で政策委員は合意した。景気減速によってインフレ率は押し下げられる可能性があるが、輸入コストの上昇、潜在的な対抗関税、サプライチェーンの混乱はインフレ率を押し上げる要因となり得る。BOCは見通しに関するリスクが高まったと結論づけたものの、消費者物価指数(CPI)は2027年までの予測期間を通じて中銀目標(2%)付近で推移する見込みだとした。

 昨年12月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比2.4%と、前年の税制優遇措置(GST/HST免税)の反動によるベース効果を主因に加速したが、BOCが基調的な物価動向とみなすCPIトリム値(同2.7%)や同中央値(同2.5%)は鈍化傾向をたどる。短期金融市場では、少数派ながら10、12月の利上げを予想する向きもあるが、16日公表の1月CPIが中銀目標のレンジ(1-3%)内に収まれば、BOCが年末まで政策金利を2.25%に据え置くとのコンセンサスが揺らぐことはないだろう。


投資調査部
シニアFXマーケットアナリスト
二宮 圭子

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