Today's Insight

2020/5/26 12:00作成

為替市場は200日移動平均線に注目

■ 米中関係の悪化は懸念されるが、為替市場は円安地合いが継続、ドル円は108円台をうかがう
■ 200日移動平均線は、ユーロ円が119円台前半、豪ドル円は72円台前半で推移

 昨日は米英市場が祝日休場で薄商いとなったが、本日の東京市場では円安地合いが継続。米欧に続き、日本でも経済活動再開への動きが広がりつつある。新型コロナウイルス感染拡大の第2波への警戒感はくすぶるが、各国の政府、中銀による政策期待が相場を下支えし、ドル円は108円台をうかがうドル高・円安が進行。主要通貨のなかで最弱だった豪ドル円は再び71円を視野に入れるなど、クロス円は強弱の違いはあれ、上値余地を探る動きとなっている。

 こうしたなか、中国人民銀行(中銀)は人民元の基準値を1ドル=7.1293元と、昨日に続き12年3カ月ぶりの元安・ドル高に設定したことは気掛かり。当局は元安を容認する姿勢を示したと判断されるが、香港国家安全法を巡る米中対立の先鋭化が懸念されており、両国の通商協議に再び暗雲が垂れ込める。元安とドル高は表裏一体だが、円安の持続性はドル高・アジア通貨安によるものなのか、株高を背景とする市場心理の改善に伴う円安によるものなのか、見極めが重要となる。

 投資家の不安心理を表すとされるVIX指数は3月18日の85.47をピークに低下基調をたどり、先週末は28.16で引けた。日米欧など主要株価は3月の底値からほぼ一本調子に上昇し、クロス円での円安地合いをけん引した構図である。ただ、平時の20を依然として上回っており、投資家が積極的にリターンを追及するほどリスク許容度が高まったと判断するには早計で、円安の持続性には不透明感がくすぶる。6月に入れば、4日は欧州中銀(ECB)理事会、9、10日には米連邦公開市場委員会(FOMC)など、主要中銀の金融政策が決定されるほか、4、5月の経済指標の発表を控える。クロス円の上昇がいつまで、どの程度続くのか、テクニカルには200日移動平均線が上伸を阻む可能性もあり、固唾を呑む局面といえそうだ。


投資調査部
シニアFXマーケットアナリスト
二宮 圭子

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