Today's Insight

2019/4/19 9:30作成

ユーロ圏の景気減速懸念は根強いか

■ ドイツ政府は2019年の経済成長率見通しを下方修正
■ ドイツ、ユーロ圏製造業PMIの50割れが続く

 ドイツ(独)政府は4月17日、2019年の独経済成長率見通しを1.0%から0.5%に引き下げた。製造業の不振による景気減速が鮮明になり過去3カ月で2度目の下方修正を余儀なくされた格好だ。アルトマイヤー経済相は英国の欧州連合(EU)離脱を巡る先行き不透明感や米国の保護主義政策が独経済を圧迫していると指摘。自動車産業への新たな排ガス規制の導入や重要な輸送路となっているライン川の水位が例年よりも低下し、化学関連企業が工場の操業の一時停止を行うなど供給と生産面で支障が出ていることも要因になったと述べた。また、欧州中銀(ECB)の複数の政策当局者が2019年後半にユーロ圏経済が回復するという予想は楽観的過ぎるとみていることを関係筋が明らかにしており、同経済の先行きへの懸念はくすぶる。
 
 4月18日に発表された4月の独製造業PMI(速報値)は44.5と前月(44.1)を上回ったものの、拡大・縮小の判断の分かれ目となる50を4カ月連続で下回ったうえ、市場予想(45.0)ほど持ち直すことはできなかった。4月のユーロ圏製造業PMI(速報値)も47.8と前月(47.5)からは改善したが、3カ月連続で50を下回り、市場予想(48.0)も下振れた。製造業企業のマインド悪化に歯止めがかかったことや構成項目の生産指数が前月から上昇したことは良い材料だが、受注残指数が6年超ぶりの低水準となったほか、新規輸出受注指数も7カ月連続で下げるなど依然ユーロ圏経済が軟調であることが示唆された。

 4月24日に発表される独ifo企業景況感期待指数は昨年8月から2月まで低下が続いたが、3月はようやく低下に歯止めがかかっており、市場予想によれば、4月も96.0と前月(95.6)を上回る見通し。予想通りであればユーロの下支え要因だが、上述した要因を踏まえるとユーロ圏の景気減速懸念は根強いか。目先のユーロは対ドルでは4月2日安値1.1184ドル付近、対円では節目の124円ちょうど辺りを下値メドに弱含みの展開を想定している。

投資調査部
マーケットアナリスト
池田 崇明

ご登録はこちら