Today's Insight
2026/8/14 12:00作成
豪州:8月RBA理事会レビューと今後の注目点
■ RBAは8月理事会で政策金利を4.35%で据え置いたが、RBA総裁は金融引き締め姿勢を維持
■ 物価上昇に対する警戒感は根強い一方、景気減速を巡っては住宅市場の動向にも目配りしたい
豪中銀(RBA)は8月10、11日に理事会を開催し、全会一致で政策金利を4.35%で2会合連続の据え置きとした。理事会後に公表された声明では、豪州の景気・物価を巡る評価に対する文言が前回6月時点と大きく変わらなかった。物価上振れリスクが現実化した場合に利上げを実施する方針を追記したものの、当初にみられた豪金利低下・豪ドル安の反応は、金融市場で豪景気減速を見越した動きの可能性がある。
他方、ブロックRBA総裁の記者会見では、RBAがなお利上げへ向けたアプローチを続ける点が金融市場では意識されたとみる。同総裁は「個人的には利上げが必要となる可能性が十分にある」と言及したほか、足元で中東和平へ向けた不確実性が改めて高まっていることから、理事会では利上げの可能性について議論されたことも示した。こうした発言から、総裁記者会見後に豪短期金融市場での年内利上げ織り込みは、結果発表前の水準まで戻した。
RBAが金融引き締め姿勢を続ける要因は、物価上昇に対する警戒感の根強さとみる。消費者物価指数(CPI)のうち、RBAが注視するトリム平均値の前年比上昇率は2025年8月以来、物価目標(2-3%)を上振れたままだ。特に中東情勢緊迫化以降、物価の伸びは一段と加速している。RBAは中東情勢による物価押上げ効果を当初の想定より大きくないと評価しているが、足元のエネルギー価格の動向からインフレ上振れリスクを意識せざるを得ないだろう。
そうしたなか、豪景気減速を巡る動きでは今後、豪住宅市場の動向にも目配りしておきたい。7月28日の総裁講演で、直近で予想を下回る動きをみせている代表例として豪住宅市場を挙げ、弱含みに対して繰り返し言及された。また、8月3日に豪不動産会社が発表した7月の全国住宅価格は、前月比ベースで2022年12月以来の大幅な落ち込みを記録。豪住宅市場減速の動きは主要都市から中規模都市に広がっており、状況悪化の兆しがみられる。RBAは「住宅価格は金融政策のターゲットでない」としており、直ちに豪金融政策動向へ影響を及ぼすことはないだろう。しかしながら、一般的に豪州は全住宅ローンのうち8-9割程度が変動金利型とされるため、ローン金利水準(複数の豪大手銀行は、足元6%台で提示と伝わる)が、来年前半にかけて豪家計へ打撃を与える可能性は無視できないと考える。
投資調査部
シニアマーケットアナリスト
合澤 史登



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