Today's Insight

2026/8/20 13:20作成

RBA:物価動向を踏まえ政策金利は年内据え置きか

■ 4-6月期の豪賃金指数は市場予想通りとなったが、前年比ベースでは鈍化傾向が続く
■ RBAは賃金インフレの加速を警戒している様子、労働需給のひっ迫感が解消されるかにも注目

 豪統計局が19日に公表した4-6月期の賃金指数は5四半期連続で前期比0.8%上昇した。前年比では2四半期連続で3.2%上昇となったが、2023年10-12月期(同4.2%)をピークに鈍化傾向が続いた。

 豪州では会計年度(7月-翌6月)毎に年次賃金の見直しが義務づけられている。公正労働委員会(FWC)は6月、新年度が始まる7月1日より最低賃金の引き上げを実施すると発表。今回の見直しによって、労働裁定(Modern Awards)に基づく最低賃金は4.75%引き上げられた。対象労働者は約280万人、豪州全従業員の約21.1%にあたる。また、最低賃金区分を段階的に廃止することで、最低賃金は時給26.44豪ドルと現行の24.95豪ドルから引き上げられた。FWCによれば、昨年の見直しでは実質賃金が引き上げられ2025年7月1日適用時点で実質賃金(最低賃金上昇率と物価上昇率の差)は大幅に改善したものの、それ以降のインフレ加速によって再び悪化している。豪中銀(RBA)のインフレ予測を踏まえると、5%を上回る賃金上昇率が必要で、Modern Awardsの下で最低賃金の労働環境を守るための追加措置を講じるべきだとしている。

 RBAは最低賃金の引き上げによって7-9月期は賃金インフレの加速を警戒しているとの指摘もある。ハウザーRBA副総裁は19日の講演で、中東紛争、世界的な人工知能ブーム、生産性の低さの3つがインフレの上振れリスクだと指摘。国内のインフレ率は依然として高すぎるとの認識を示し、現実となれば再び利上げを行わざるを得ないとの考えを示した。短期金融市場では、年末までの利上げ織り込みは約45%へわずかに低下している。だが、RBAが基調インフレとして注視する消費者物価指数(CPI)トリム平均値は6月に前年比3.6%上昇と中銀目標(2-3%)を上回る状況が続いており、26日公表の7月CPIの注目度は一段と高まる。


投資調査部
シニアFXマーケットアナリスト
二宮 圭子

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