Today's Insight
2026/6/4 12:15作成
豪成長ペースは鈍化するも金融引き締め姿勢は維持へ
■ 1-3月期実質GDPは前期比0.3%増へ伸びが鈍化、内需は底堅くも外需が成長を下押し
■ 6月は政策金利据え置きの公算だが年内の利上げ観測は根強く、豪ドル高を見極める時間帯に
3日、豪統計局(ABS)が公表した1-3月期の実質GDPは前期比0.3%増と前期(同0.9%増)から伸びが鈍化し、市場予想(同0.5%増)を下回った。個人消費は同0.5%増とプラス基調を維持したものの、政府の補助金停止で電気料金が上昇したことや中東情勢を背景にガソリン小売価格が急騰し生活必需品の支出が同0.8%増へ増えたため。裁量支出は同0.1%増にとどまり、家計の消費を抑える姿勢がうかがえた。政府支出は電気料金の補助金停止が影響し同0.2%減となった。一方、民間設備投資は同6.0%増へ伸びが加速。AIブームを背景に2つの州でのデータセンタ―建設需要が急増し、機械・設備が大幅増となった。ただ、データセンター関連機器の輸入が急増したほか、豪ドル高を反映した輸入価格の下落や燃料の輸入増によって輸入は同2.1%増となった。輸出は3月に西オーストラリア州北部で発生したサイクロンの影響で石炭や鉄鉱石の出荷が妨げられ同1.1%減となり、純輸出の寄与度はマイナス0.8%へ拡大し成長を押し下げた。
実質GDPは前年比で2.5%増と前期並み、かつ潜在成長率を上回る堅調さを維持した。ただ、足元の景気減速を受けて、6月15、16日の豪中銀(RBA)理事会では政策金利が4会合ぶりに4.35%に据え置かれる公算が大きい。とはいえ、4月の消費者物価指数(CPI)のうち基調的インフレ率とされるトリム平均値上昇率は3.4%と前月(同3.3%)から小幅に加速し、中銀目標(2-3%)を上回る状況が続いた。エネルギー価格高騰が経済の幅広い範囲に広がっており、企業のコスト上昇を価格転嫁する動きが進めば、年内の追加利上げ観測は根強い。短期金融市場では8月以降の追加利上げを織り込んでおり、インフレ加速と金利上昇が成長の下振れリスクとなり得る。RBAは5月公表の四半期金融政策報告で、トリム平均値上昇率は4-6月期に3.8%、年末には3.5%で高止まり、実質GDPはそれぞれ同1.9%増、同1.3%増へ減速すると予測している。金利先高観と景気減速感が入り混じるなかで、豪ドル米ドルは5月初旬の0.72米ドル台後半を高値に調整売りが進むかどうか、米ドル高基調のなかで確認する時間帯となりそうだ。
投資調査部
シニアFXマーケットアナリスト
二宮 圭子



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