Today's Insight

2026/1/26 11:50作成

日本:1月日銀金融政策決定会合レビュー

■ 日銀は早期利上げを具体的に示唆しなかった一方、追加利上げへ向かう姿勢は維持した
■ 総裁記者会見までは円安進行も、日米協調介入に対する警戒感が高まり円高へ転じた

 1月22、23日に日本銀行(以下、日銀)は金融政策決定会合(以下、政策会合)を開催し、政策金利である無担保コール翌日物は事前の予想通りに0.75%で据え置かれた。今回の注目点は主に(1)利上げ提案の有無、(2)展望レポートでの景気・物価見通し、(3)植田日銀総裁の記者会見、の3点とみていた。結論から記すと、日銀が早期利上げを具体的に示唆することはなかったものの、今後も追加利上げへ向かう姿勢の維持は確認されたと認識している。

 上記3点を確認する。(1)髙田審議委員が「物価安定の目標」が概ね達成されていることなどを理由に、0.25%の利上げを提案した。(2)政策委員の予想中央値では、消費者物価指数(CPI)見通しのうち、生鮮食品を除くコアCPIは2026年度(1.8%から1.9%へ)、生鮮食品・エネルギーを除くコアコアCPIは2025年度(2.8%から3.0%へ)、2026年度(2.0%から2.2%へ)、2027年度(2.0%から2.1%へ)が、それぞれ上方修正された。また、経済成長率見通しでは、2025年度と2026年度が上方修正、2027年度が下方修正され、景気・物価のリスクバランスは「上下にバランス」に修正された。(3)円安進行が輸入物価を通じて基調物価に与える影響については、従前同様の見解が示された。また、直近の日本国債利回りの動向について、「利回り上昇ペースは速い」としたが、「超長期国債市場は年度末で流動性が薄い」、「政府と連携を取って対処したい」との認識を示し、臨時の国債買入オペに対する言及は最小限にとどめた。これらの結果を踏まえて円相場は、ドル円が158円台半ばから後半の間で推移後、植田日銀総裁記者会見の間に159円台前半まで上昇した。

 なお、外国為替市場で円高が大きく進行したのは、植田日銀総裁の記者会見後と同日の米国時間午後だった。特に後者では米財務省の代理人としてNY連銀が実弾介入の前段階とされる「レートチェック」を実施したと伝わる。米当局が円相場の「レートチェック」を行うのは極めて異例であり、外国為替市場では日米当局による協調姿勢が意識されたとみている。日本国債利回り上昇と円安進行への警戒が当面続くとみられるなか、植田日銀総裁は「政府との役割分担を意識しつつ、密接に連携を取る」方針を示す。日本当局の動向を含めて、日本の金融市場に対して世界の投資家から注目が集まる状況は続く見込み。


投資調査部
シニアマーケットアナリスト
合澤 史登

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