Today's Insight

2026/7/24 12:40作成

ドル高・円安の調整余地は160円台半ばに

■ 7月のドル円は上昇率が低いものの下値と上値を切り上げる動きが続き、節目の165円を視野へ
■ 日米協調介入の可能性は低いが、当局のレートチェックは円安に歯止めを掛ける一定の効果に

 ドル円は23日の米国時間に164円ちょうど近くまで上値を伸ばし、1986年11月高値164円74銭に近づいた。中東情勢の緊迫化を背景に原油先物価格(WTI)が1バレル92ドル台へ急騰しインフレ懸念が再燃、米連邦準備理事会(FRB)が9月にも政策金利を引き上げるとの織り込みが80%超へ上昇。一方、日銀は追加利上げに慎重姿勢を維持しており、市場の大勢は10月か12月の決定を見込む。日米短期金利差拡大が意識されるなかで、ドル円の上昇率は7月が0.8%(23日時点)と6月(2.1%)や5月(1.7%)と比べて低いものの、下値と上値を切り上げる動きは続いている。一段高となれば、節目の165円を視野に入れる展開となりそうだ。

 23日、米財務省は半期毎の外国為替政策報告書を公表した。1月公表の前回報告書と同様、日本は為替政策などを重点的に監視する「監視リスト」に指定された。円相場については「金融市場の変動や原油価格など世界的要因が影響している模様だが、円相場の過度な変動は望ましくない」との見解を示した。第2次トランプ政権下でこのような表現は初めてだが、米財務省が為替介入は極めて例外的な環境のみ適切であるとの姿勢を堅持しており、日米協調介入の可能性は低いだろう。

 トランプ米政権による財政拡張は国債増発を招くとの懸念がくすぶるなか、米国債利回りにおけるタームプレミアムは拡大した状況が続いている。こうしたなか、日米当局によるレートチェックが1月のように行われるほか、ベッセント財務長官が日銀の適切な金融政策と金利正常化を通して円安は調整されるべきなど、改めて言及すれば、足元の円安に歯止めを掛ける一定の効果は期待できよう。また、中東紛争終結や世界的株安などを背景に足元のドル高・円安が巻き戻される場合、ドル円の当面の下値メドは3日安値160円51銭になるとみている。


投資調査部
シニアFXマーケットアナリスト
二宮 圭子

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