Today's Insight

2026/6/18 12:20作成

米国:6月FOMCレビュー

■ 政策金利は市場予想通りに据え置かれた一方で、年内利上げの可能性が示されて市場は反応
■ FRBは年内利下げ予想を公式に撤回したが新議長はSEP予測を未提出、当面は見極めが必要

 6月16、17日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、市場予想通りに政策金利は3.50-3.75%で据え置かれた。票決は全会一致。ただ、公表された「経済見通し概要(SEP)」はタカ派的(=金融引き締めに前向き)と解釈され、金融市場では米国債利回り上昇、米ドル高、米国株安で反応した。また、6月FOMCはウォーシュ新米連邦準備理事会(FRB)議長にとって初めてであったため、新たな方針が示される点でも注目を集めた。

 6月FOMCがタカ派的と解釈されたポイントは、SEPでの政策金利見通しで予想中央値が全期間にわたって引き上げられた点とみている。前回提示された3月時点と比較すると、2026年が3.4%から3.8%へ、2027年が3.1%から3.6%へ、2028年が3.1%から3.4%へ、修正された。そうしたなか、金融市場が注目したのは2026年の予想値全体の構成で、予想(ドット)を提出した18名(議長は提出せず)のうち半数の9名が年内1回の利上げ予想を示した点であろう。同時に2026年の物価見通しではコア個人消費支出(PCE)デフレーターが2.7%から3.3%へ上方修正された点も、金融市場でのタカ派的な解釈を後押ししたとみる。

 なお、声明文では前回までのフォワードガイダンス(金融政策方針や見通しの説明)に関する記載が削除された。声明文の単語数自体が前回の341から130へ大幅に減少したほか、結果発表にかかわる箇所を「FOMCは12対0の賛成多数で承認」と簡素化した。これらは、ウォーシュ議長が記者会見で表明した5つの分野のおけるタスクホース設置と同じく、FRB改革の一環と捉えられよう。また、ウォーシュFRB議長は今後、フォワードガイダンスを示すとしても限定的なものにとどめるとの姿勢を表明したと考えている。

 今回議長自身はSEPでの予測を提出せず、今後の金融政策姿勢に含みを持たせている。また、米・イランの和平協議進展を受けて原油先物価格はすでに3月上旬以来の安値圏まで下落し、物価上昇への懸念は和らぎつつある。そうしたなか、FRBは今回、従来示していた年内利下げ見通しを公式に撤回したことになる。今回、SEPで年内利上げ予想を示した9名のうち2026年のFOMCでの投票権者が何名含まれるかなど、今後のFRB高官の発言や、米経済指標の動向を、当面の間は見極める必要があるだろう。


投資調査部
シニアマーケットアナリスト
合澤 史登

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