Today's Insight
2026/6/25 11:10作成
日本国債市場:直近の主要投資家動向を確認する
■ 金利先高観が意識されるなか、日本国債市場の投資家動向は公社債店頭売買高で確認できる
■ 直近で「信託銀行」「外国人」は投資需要が旺盛、「生命保険・損害保険」は投資に消極的な印象
本稿では、6月22日に公表された5月公社債店頭売買高を踏まえて、日本国債市場の直近の投資家動向を整理したい。5月以降、本邦10年国債利回りが1997年5月以来の高水準圏で推移するなか、19日発行のPRESTIA Insight*でも示した通り、日本国債市場の需給動向が話題となる状況も増えてくる公算が大きい。24日に公表された6月の日銀金融政策決定会合(6月15、16日開催分)の「主な意見」では、引き続き利上げ実施を目指す姿勢も確認されており、日本国債市場では金利先高観が意識される展開が続くとみられる。
投資主体である業態のなかでは、「信託銀行」「外国人」「生命保険・損害保険」の3つに注目したい。「信託銀行」は一般的に年金基金等の動向を示すとされる。5月は利付中期(買い越し額:4412億円)、利付長期(同:5688億円)、超長期(同:1兆1217億円)でいずれも買い越しとなったが、株高・金利上昇を受けたポートフォリオ・リバランスの影響が大きかったと推測する。日本取引所による5月の投資部門別株式売買状況では、信託銀行は約4338億円の売り越しが確認されていたためだ。「外国人」は日本国債を選好する動きをみせている。従来から為替ヘッジを用いたとみられる国庫短期証券(T-Bill)への投資が続く(同:約17.3兆円)ほか、利付中期(同:2776億円)、利付長期(同:7061億円)、超長期(同:8249億円)のいずれも買い越しを記録した。「外国人」は相場動向次第でポジションを機動的に動かす傾向がある投資主体だが、少なくとも直近では、日本国債市場の需給好転を支える要因の一つとなっている。
他方、「生命保険・損害保険」は足元で日本国債市場への投資を抑えていると解釈できるのではないか。一般的に生命保険会社は、販売する保険との兼ね合いで超長期国債への投資需要を恒常的に抱える投資主体とされる。5月は利付中期(同:1053億円)、利付長期(同:2112億円)がともに買い越しとなったものの、主要な投資対象である超長期は2012億円の売り越しとなった点から、日本国債への投資は金利先高観が意識されるなかで様子見となっている印象がある。5月下旬時点の報道で大手生保4社の国債含み損が14兆円まで拡大したとの指摘もあり、株式投資での利益確定と合わせて国債のポジション整理を進めている状況と推測する。特に超長期国債の売買において、日銀の国債買入減額を埋める投資家層として期待されることから、今後も「生命保険・損害保険」業態の投資動向は留意しておきたい。
* 「PRESTIA Insight 2026.06.19_日本:日銀のQT進展に伴う国債需給の変化」を参照。
投資調査部
シニアマーケットアナリスト
合澤 史登



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