Today's Insight

2026/6/23 12:00作成

スイスフラン安を考える

■ SNBは18日、政策金利を4会合連続で0.00%に据え置き、CHF高抑制の介入姿勢を維持
■ 物価が低位安定で景気の底堅さが再認識されれば、CHFは対ドル・対ユーロで底入れを探ろう

 スイス中銀(SNB)は18日、政策金利を4会合連続で0.00%に据え置いた。声明では、中期的なインフレ圧力は前回3月19日の政策決定時と比べて実質的に変化していないとの認識を示した。5月の消費者物価指数(CPI)上昇率は石油製品の価格高騰で前年比0.6%へ加速したものの、その他の財やサービスはインフレ率の上昇に寄与しなかったと説明。金融政策はインフレ率を物価安定と整合的な範囲内に維持するため適切で、経済発展を支えているとした。物価安定確保のため、引き続き状況を注視し、必要に応じて金融政策を調整していくほか、為替介入をより積極的に行う方針を示し、物価安定を脅かす恐れのあるスイス・フラン(CHF)の急激かつ過度な高騰に対抗するとの姿勢を示した。

 中東紛争にもかかわらず、スイスの経済活動は堅調さを維持しているとSNBは指摘。今後数四半期は世界経済の伸びがやや鈍化し、スイスの経済成長も抑えられるが、金融政策が下支えとなるとの考えである。失業率は若干上昇しているものの、中期的には世界経済の回復が追い風になると見込み、GDP成長率を2026年は約1%、2027年は約1.5%とSNBは予測している。景気見通しの主なリスクは、中東情勢が再び悪化し世界経済の動向を強く抑えるほか、CHF高、米国の通商政策も引き続き不確実性の要因となるとしている。

 CHFは対ドルで1月(0.7603CHF)、対ユーロでは3月(0.8979CHF)にピークアウトしCHF安傾向が続く。対円は4月に204円42銭の史上最高値を付けて高止まりしているが、本邦当局による円買い介入への警戒も相まって節目の205円に距離感を残す。主要中銀とSNBとの金融政策の方向性の違いやSNBのCHF売り介入がCHF安要因。CHF安が続けば輸入物価の上昇を通じてインフレ圧力は高まるが、エネルギー価格上昇の影響は時間の経過とともに弱まるとSNBは分析している。CPI上昇率は2026、2027年が0.6%、2028年は0.7%と予測しており、物価が低位安定で景気の底堅さが再認識されれば、CHFは対ドル・対ユーロで底入れを探り反発余地を試すと予想する。


投資調査部
シニアFXマーケットアナリスト
二宮 圭子

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