Today's Insight
2026/5/19 12:20作成
ドル円:全戻しの意味合い
■ 中東紛争に関わるヘッドラインに振らされるも、DXYは「二番底」の様相を呈し底堅い
■ 相場の主体がドル高から円安に移れば、ドル円は4月30日高値に達する可能性もある
金融市場は米・イランを巡る中東紛争に関わるヘッドラインに振らされる状況が続く。ホルムズ海峡は事実上の封鎖状態で供給途絶への懸念から、原油先物価格(WTI)は再び1バレル110ドルを視野に入れる動きとなっている。インフレ圧力は根強く、紛争長期化や貿易摩擦再燃に伴う不確実性によって、世界経済は下振れリスクが高まっているが、先週公表された一連の経済指標からは米景気の底堅さが示された。
為替市場は、WTIが下げに転じるなど「有事のドル買い」が巻き戻される場面ではドル安が進みやすい。昨日、ドルインデックス(DXY)は6営業日ぶりに反落したものの、チャートパターン上は97台半ばで「二番底」の様相を呈しており底堅さを試す動きとなっている。4月7日以降のドル安トレンドは、4月17日と5月6日に97台後半の安値を付けて反転しつつある。DXYはネックラインとなる4月27日高値99.343、4月7日安値99.516も上抜けて「窓」を埋めれば上昇機運がさらに強まり、一段高に向かうとみている。
高市首相は2026年度補正予算の編成を視野に入れると表明、財政拡張への懸念が再燃し、18日の為替市場では円全面安の展開。相場の主体がドル高から円安に移れば、本邦当局による円買い介入の効果は薄れる。相場の格言に「半値戻しは全値戻し」とあるように、ドル円が下落した後に反転し下げ幅の半分まで戻れば、元の水準に戻る可能性もある。ドル円は日銀が市場介入を実施したとされる4月30日以降の下げ幅(160円72銭-155円02銭:5円70銭)に対する半値戻し157円87銭を越えるドル高・円安が進行しており、61.8%戻し158円54銭を上抜ければ、全戻しの展開から4月30日高値160円72銭に達するとの含みを持たせることになろう。市場の円買い介入への警戒感が根強いなかで、先ずはドル円が節目の160円に近付くか注視したい。
投資調査部
シニアFXマーケットアナリスト
二宮 圭子



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