Today's Insight
2026/6/15 11:45作成
日米株:イベントフルな週を迎える
■ 日米金融政策決定会合ではコミュニケーションの変化が株価に影響するおそれ
■ 株式需給により、短期的のみならず中期的に指数が下押しされないか警戒したい
今週は日米ともにイベントフルな週となる。金融政策関連では中央銀行による市場との対話に注目したい。15、16日には日銀金融政策決定会合が開催され、政策金利は0.25%引き上げられ1.00%になることが見込まれている。植田日銀総裁の入院により、内田日銀副総裁が代役として記者会見に臨むと報じられている。利上げペース加速への思惑を強める情報発信がなされれば円安基調に歯止めがかかる可能性があり、発言内容に対する市場の反応が注目される。また、16、17日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。政策金利は据え置かれる見込みだが、経済見通し概要(SEP)が更新され、FOMCメンバーの物価や政策金利見通しに変化があるか注目される。ウォーシュ米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見では、足元の物価動向に対する評価を通じて金融政策の方向性を見極めたい。FRB議長の就任初期は市場との対話に苦心するケースも多く、警戒姿勢を高めたい。
また、株式需給の変化による株価変動にも引き続き注目したい。先週末に米宇宙会社は新規株式公開(IPO)を行った。公開価格比上昇して取引を終え需要の強さが確認され、同社株の購入資金を捻出するために保有株式を売却する動きが継続するか見極めたい。また、19日が奴隷解放記念日で米国株式市場が休場となるため、前日の18日が株価指数先物などデリバティブ(金融派生商品)取引の満期が重なるトリプルウィッチングとなる。市場参加者の持ち高整理などが重なり、需給主導で不安定な値動きとなる可能性がある。
なお、株式需給については、この先も株価下落要因となりうる。米宇宙企業の既存株主に対する株式売却制限(ロックアップ)が今夏頃から時間の経過とともに解除され、株価下落要因となりうる。加えて、新興AI企業2社が今秋にもIPOを計画している。上場時の時価総額は米宇宙会社には及ばないものの、1兆ドル超を目標とするとみられる。IPO前の換金売りやロックアップ解除後の売り圧力の高まりが懸念される。また、人工知能(AI)関連の設備投資に向けて複数の大規模クラウド業者(ハイパースケーラー)が新株発行を伴うエクイティファイナンスを発表している。ゆくゆくは設備投資に伴う需要拡大期待が高まり株価押し上げに寄与する可能性はあるが、当面は株式需給悪化による株価下押し要因とみなされよう。その他、巨額のIPOによる発行済み株式数の増加やAI関連設備投資拡大に伴う自社株買いの停滞などにより一株当たり利益(EPS)の押し上げ効果が減退することも考えられる。米企業の資本戦略により指数が下押しされることとならないか、警戒したい。
投資調査部長
山口 真弘



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