Today's Insight
2026/10/22 12:00作成
カナダ:10月理事会での利上げ観測が急浮上
■ 加中銀は10月理事会で政策金利を2.50%へ引き上げる見通し、利上げ実施なら2023年7月以来
■ 米欧豪などと比較して利上げ実施にブレーキをかける要因は多く、調整利上げにとどまろう
カナダ(加)中銀(BOC)は、28日(現地時間)に米連邦公開市場委員会(FOMC)に先駆けて理事会の結果を発表する予定である。市場予想では、政策金利を2.50%へ引き上げるとの見通しが浮上した。利上げ実施となれば2023年7月以来となる。そうしたなか、当方は当面の利上げは一回にとどまる公算が大きいとみており、BOCからの情報発信に注目している。
政策金利を据え置いてきたBOCの利上げに関する姿勢の変化は、物価を巡る動向が背景とみる。17日にマックレムBOC総裁は今月公表される四半期のインフレ見通しを大幅に引き上げる見込みと表明した。19日に公表された9月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、総合が前年比3.1%へ加速しBOCの物価目標レンジ(1-3%)から上振れた。豪州、ユーロ圏、米国など複数の主要国で利上げが実施されていることも相まって、BOCが従来からの中立金利推計値(2.25-3.25%)のレンジ下限から政策金利水準を引き上げるとの見方につながっている。
一方で、他の主要国に比べると今後の利上げ実施にブレーキをかける要因も多いとみる。9日に公表された9月の雇用統計は失業率が6.5%へ悪化したうえ、雇用者数が前月比6.83万人減と8月分(同4.17万人減)に続く減少となった。また、総合の伸びが加速した9月CPI上昇率でも、BOCがコアインフレとして注視するトリム値は前年比1.8%にとどまり、現時点で物価の二次的波及は限定的との解釈もある。さらに、BOCが注視する米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)を含めた対米貿易交渉の不調も解消されていない。これらの要因から、仮にBOCが今回利上げに踏み込んだとしても、利上げサイクル再開ではなく調整利上げにとどまろう。
加国債市場では、10年債利回りが2023年11月以来となる高水準圏にある一方で、金融政策の動向に影響を受けやすいとされる2年債利回りは3.45%付近までの上昇に抑えられている。また、加ドル相場は対米ドルと対円ともに200日移動平均線(本稿執筆時点:1.3880加ドル、114円21銭)対比で加ドル安水準での推移が続いている。10月理事会でBOCが政策金利引き上げを決定した場合、これまでの反動から国債利回り上昇と加ドル高の反応はみられよう。ただ、インフレ抑制のための調整利上げとの見方を踏まえると、こうした反応は一時的にとどまると予想する。
投資調査部
シニアマーケットアナリスト
合澤 史登



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