Today's Insight
2026/8/6 12:05作成
RBNZ:労働市場の緩みが意識されるも追加利上げへ
■ 失業率は悪化、賃金上昇率はCPIを下回る伸びにとどまるも、9月の追加利上げ観測は根強い
■ 7-9月期の雇用統計は、年内最後の金融政策委員会だけでなく、11月の総選挙の結果を左右か
5日、ニュージーランド(NZ)統計局が公表した4-6月期の雇用統計は、就業者数が前期比0.5%増と前期(同0.2%増)から伸びが加速した。求職者が急増し労働参加率は70.7%と約5四半期ぶりの高水準へ上昇したため、失業率が5.6%と前期から0.2%ポイント上昇し2015年7-9月期以来約11年ぶりの高水準を記録し、労働市場の緩みが意識された。賃金上昇率は前年比2.0%増と4-6月期消費者物価指数(CPI、同4.1%上昇)を大幅に下回る伸びにとどまり、住宅ローン金利の高止まりが警戒されるなか、個人消費への影響が懸念される。ただ、世界的な原油価格の急騰でNZ国内でのガソリンや燃料価格は高騰しており、インフレ抑制はRBNZの喫緊の課題である。短期金融市場ではNZ中銀(RBNZ)が7月8日に続き、9月2日の金融政策委員会でも0.25%の連続利上げを決定するとの見方は根強いが、雇用統計を受けて短期金融市場の利上げ織り込みは83%超へ小幅に低下した。
7月21日公表の4-6月期CPI上昇率が加速し、個人消費が落ち込むなど景気回復の足取りは鈍くなりそうななかで、ウィリス財務相は政府が生活支援策に全力を注ぐ姿勢を示した。ロイ・モーガン社のNZ世論調査(6月29日-7月26日)によれば、国民党・ACT党・NZファースト党による連立与党の支持率は49%と前回から2ポイント低下したものの、労働党・緑の党・など野党連合の41%に対してリードを保っている。ただし、同調査会社によれば、ラクソン首相率いる与党・国民党も、野党・労働党も過半数の議席を獲得できない見通し。こうしたなかで、NZは11月7日に総選挙を迎える。中道政党のオポチュニティ党(TOP)の支持率は8%と10議席の推計で、他の複数の世論調査でも議席獲得に必要な5%に近付く支持率を獲得していると伝えられており、ロイ・モーガン社はTOPがキャスティングボードを握ると指摘。7-9月期の雇用統計は総選挙直前の11月4日に公表予定で、12月9日に行われる年内最後の金融政策委員会だけでなく選挙結果を左右することになりそうだ。
投資調査部
シニアFXマーケットアナリスト
二宮 圭子



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