Today's Insight

2026/4/9 10:15作成

米国株:1-3月期決算プレビュー

■ AI関連に加え、プライベートクレジットや原油高などが企業業績に及ぼす影響を注視
■ 割安感は概ね解消、目先は伸び悩むものの業績拡大ペースに沿った株高予想を維持

 13日の金融大手を皮切りに、米主要企業の1-3月期決算発表が本格化する。第3週(13-17日)には各種金融のほか、オランダの半導体製造装置大手や台湾の半導体受託生産大手、第4週(20-25日)にはハイテク・半導体、電気自動車、投資会社大手、第5週(27日-5月1日)にはハイテク・半導体、スマートフォン、EC、物流、など、注目企業の決算発表が目白押しとなる。「マグニフィセント・セブン」と呼ばれるハイテク大手7社のうち6社が4月中に決算発表を終え、いったん山場を迎える。その後も小売や半導体大手が続き、5月20日にマグニフィセント・セブンの残り1社の半導体大手に至るまで、米国株式市場は決算発表を手掛かりに動意付くことが見込まれる。人工知能(AI)向け半導体の需要自体は非常に強いと伝わる一方、過剰投資の収益化や企業財務悪化に対する懸念がくすぶる。また、プライベートクレジットに関わる信用悪化や原油高の長期化による利益率低下など注目すべき点は多く、足元の決算内容に加えて今後の事業環境に関する経営陣からの情報発信を見極めたい。

 金融情報会社LSEG I/B/E/Sの集計(2日時点)によれば、S&P500構成企業の1-3月期予想一株あたり利益(EPS)成長率は前年比14.4%と、1月初めから同水準が保たれている。ただ、情報技術(IT、同35.8%→46.3%)やエネルギー(同1.3%→5.5%)の上方修正が進む一方、一般消費財(同6.3%→1.9%)や資本財(同7.6%→4.9%)などの景気敏感セクターや生活必需品(同6.6%→1.9%)などで下方修正されており、中東情勢の緊迫化などにより明暗が分かれている。セクター別寄与度をみると、ITセクターが10.8%ポイントと全体をけん引する一方、ITを除く10セクターの合計で3.6%ポイントにとどまる。ITセクターの業績拡大の継続性に加え、AIの普及が他のセクターの利益率向上につながるか注目される。

 向こう1年予想株価収益率(PER)は19.4倍と昨年10月の直近ピーク(23.3倍)から水準を切り下げ、ITセクターは20.9倍と同時期(31.8倍)から大幅に低下し2023年1月以来の低水準となっている。AI関連の収益拡大に対する市場期待が調整され、割高感は概ね解消されたと解釈できる。中東情勢の不透明な状況が続くなか、株価は短期的には下落局面をこなしつつ上値重く推移するとみる。一方で、中期的には企業業績の拡大ペースに沿った株高基調は保たれると想定し、S&P500の年末予想値を7200ポイントに維持している。


投資調査部長
山口 真弘

プレスティア インサイトについて

マーケット情報