Today's Insight

2019/2/14 10:30作成

米国経済の底堅さがドルを下支えか

■ 1月にドルインデックスは低下したものの、足元は回復する展開となっている
■ 日米欧を比較すると米国企業の景況感は、相対的に明るい

 1月29、30日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)で、一段の金融引き締めに対して慎重な姿勢が改めて示されるとの見方を背景に、米ドルの総合的な価値を示すドルインデックスは1月上旬と下旬にそれぞれ95ポイント台前半まで低下した。FF金利先物市場では、昨年後半まで「2019年に利上げが何回行われるか」が焦点だったが、今では利下げが意識されている。しかしながら、米国の利下げ観測を手掛かりとしたドル安の流れは一巡し、今週には97ポイント台を回復する展開となっている。ドルが持ち直した要因として、相対的にみた米国の景況感の明るさは見逃せない。

 各国の景況感を比較する一つの指標として、英調査会社のマークイット社が公表しているPMIがあり、拡大・縮小の判断の分かれ目は50となる。日米欧の製造業PMIの一年前(2018年1月)と直近の結果(2019年1月)を比較すると、米国は55.5から54.9と0.6ポイントの低下に止まる一方、ユーロ圏は59.6から50.5と9.1ポイント、日本は54.8から50.3と4.5ポイント低下した。各国とも節目の50を上回っているため、製造業活動の拡大が示唆されるものの、ユーロ圏と日本は境目の50をわずかに上回る水準まで低下している。また、昨年12月と1月の指数を比較すると、米国では上昇した一方でユーロ圏・日本では低下しており、現時点では米国の景況感が相対的に明るいことが分かる。

 ドル円は1月31日に108円台半ばと直近安値を付けた後、111円ちょうど付近と昨年12月以来の高値圏で推移している。米連邦準備理事会(FRB)の金融政策スタンスの変化を踏まえると、金利差拡大を意識したドル買いにはつながりにくいものの、相対的な米国経済の底堅さがドルを下支えするのではないか。チャート上、目先のドル円は節目の110円ちょうど付近を下値メドに底堅く推移する展開を予想。

投資調査部
マーケットアナリスト
池田 崇明