Today's Insight

2026/4/16 12:50作成

BOC:政策金利は4会合連続で据え置きへ

■ 米関税政策を受けた人員削減・採用凍結が続き、企業の採用意欲の減退が確認される
■ 3月以降はインフレ圧力が高まるが、29日の次回会合も政策金利は4会合連続で据え置きへ

 カナダ(加)統計局は10日、3月の雇用統計を公表。就業者数は前月比1.4万人増と3カ月ぶりに増加に転じ、失業率は6.7%と前月並みの水準を維持した。また、平均時給は前年比5.1%増と最低賃金の引き上げが寄与し大幅に伸びが加速した。一方、インディードの賃金トラッカーによれば、求人広告に掲載された賃金・給与上昇率(3カ月移動平均)は2月に前年比2.2%増と2022年8月(同5.0%増)をピークに鈍化傾向をたどる。米関税政策によって貿易依存度の高い製造業や資源・エネルギー産業などの人員削減が相次いでいるほか、連邦政府でも職員削減・採用凍結を実施しており、企業の採用意欲の減退が確認される。

 2月の消費者物価指数(CPI)は前年比1.8%上昇と前月(同2.3%上昇)から伸びが鈍化。2024年12月半ばから2025年2月半ばにかけて実施された、連邦物品サービス税/統一売上税(GST/HST)の減税措置が終了しベース効果が薄れた。ただ、食料品(同5.4%上昇)やヘルス・パーソナルケア(同3.2%上昇)は高止まりしているうえ、中東紛争を背景に3月以降はガソリン・エネルギーの価格上昇も見込まれ、20日公表の3月CPIは伸びが加速する可能性が高い。

 加中銀(BOC)は3月18日に政策金利を3会合連続で2.25%に据え置いた。マックレムBOC総裁は、エネルギー価格高騰が持続的なインフレにつながらないよう利上げの可能性を示唆した。だが、米関税政策や貿易を取り巻く不確実性が続くなか景気下振れリスクも伴っており、同総裁は中央銀行にとってジレンマだと指摘し政策運営の難しさをにじませた。29日の次回会合では金融政策報告書が公表され新たな経済見通しも示される。政策金利は据え置かれる公算が大きく、短期金融市場では9月まで据え置きとの見方が大勢となっている。米国・メキシコ・カナダ3カ国の貿易協定(USMCA)の見直し協議を7月に控えて通商交渉の行方も気掛かりで、引き続き拙速な政策変更は適切ではないとの判断となろう。


投資調査部
シニアFXマーケットアナリスト
二宮 圭子

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