Today's Insight

2026/3/24 14:00作成

NZ:景気減速とインフレ加速への懸念

■ 2025年10-12月期実質GDPは2四半期連続でプラス成長ながら大幅減速、先行き懸念が残る
■ NZ中銀は利上げと利下げの双方を排除せず、1-3月期CPIが金融政策方針の見極めに

 19日、ニュージーランド(NZ)統計局が公表した2025年10-12月期実質GDPは前期比年率1.0%増と2四半期連続でプラス成長となった。だが、前期(前期比年率3.5%増)から大幅に伸びが鈍化した。個人消費(同0.4%減)と設備投資(同2.1%減)の民間需要が低迷しただけでなく、純輸出も同1.5%減と成長の足かせとなった。直近データでは、2月の貿易収支が8.5億NZドルの赤字となり、乳製品などの落ち込みにより前月(3.4億NZドル)から赤字幅が拡大した。NZの主要輸出先である中国では政府が経済構造の転換を図るため、短期的な景気減速を容認するとしており、NZの景気先行きへの懸念が残る。

 NZ中銀(RBNZ)は2月18日の金融政策委員会で、政策金利を4会合ぶりに2.25%に据え置いた。昨年10-12月期の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比3.1%と中銀目標(1-3%)を上回った。四半期金融政策報告では利上げペースが緩慢となる可能性が示唆され、政策金利は2026年10-12月期に2.38%に達すると予測した。2月28日以降の中東情勢悪化が長期化するとの警戒が続くなか、特に地方の軽油不足が顕在化し、NZ政府は燃料の供給逼迫に対応するため輸入先の多様化を検討している模様。エネルギー依存度の高い同国では、冬を迎える5-6月に需給が最も厳しくなるとも伝えられており、インフレ加速に伴うスタグフレーションリスクがくすぶる。

 ブレマンRBNZ総裁は24日、エネルギー価格の一時的高騰について金融政策上は無視できるが、インフレが定着する恐れがあれば利上げが必要になる可能性があると警告した。中東紛争ぼっ発前の2月会合時には金融政策は当面緩和的であるとの認識が示されたが、同総裁は「世界的な不確実性を踏まえ、利上げも利下げも排除しない」とも述べた。短期金融市場では、RBNZが4月8日の金融政策委員会で政策金利を2.25%に据え置くとの織り込みは90%近くだが、5月27の会合では0.25%の利上げが50%に達する。4月21日公表の1-3月期CPIが今後の政策方針を見極める手掛かりとなりそうだ。


投資調査部
シニアFXマーケットアナリスト
二宮 圭子

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