外貨コラム ― 外貨を持つ理由
2017年上半期の相場とファンドパフォーマンスの振り返り

更新日:2017/7/24
※本コラムは2017年6月末時点のデータをもとに2017年7月10日に作成したものです。

合澤 史登
合澤 史登
プロダクト統括部ポートフォリオ・ソリューション室
ポートフォリオ・アナリスト

早いもので、2017年も折り返し地点を過ぎました。当コラムでは2回にわたって、上期の金融市場の振り返りと下期の市場環境見通しについて説明したいと思います。今回は、米ドル建ての当行取扱いファンドと資産クラスのパフォーマンスを参照しつつ、上期の相場動向を振り返ります。投資にご関心のある皆さんにとって、参考になれば幸いです。

当行取扱いファンド(米ドル建て)では、海外株式関連ファンドがパフォーマンス上位にランクインしました。

最初に、当行取扱いファンドの上期パフォーマンスをご覧ください(図表1)。

■図表1:弊行取扱いファンド(米ドル建て)のパフォーマンス・ランキング(2016年12月末-2017年6月末)

順位 資産クラス ファンド名 6ヶ月トータル
リターン%*
1 新興国株式 シュローダー・セレクション
グレーター・チャイナ・エクイティ クラスA(米ドル)
24.99
2 新興国株式 シュローダー・セレクション
BRIC・エクイティ クラスA(米ドル)
16.42
3 米国株式 レッド・アーク・グローバル・インベストメンツ(ケイマン)トラスト
米国成長株集中投資ファンド 外貨建てシリーズ(米ドル建て)
14.90
4 米国株式 ジャナス・セレクション ジャナス・トゥエンティ・ファンド クラスA(米ドル) 14.71
5 グローバル株式 レッド・アーク・グローバル・インベストメンツ(ケイマン)トラスト
カントリー・セレクター 外貨建てシリーズ(米ドル建て)
12.70
6 新興国債券 ゴールドマン・サックス・グローバル・ファンズ
GS新成長国通貨債券ファンド(米ドル)
10.85
7 日本株式 プレミアム・ファンズ
シュローダー日本株式ファンド(米ドル建て)
8.27
8 バランス プレミアム・ファンズ
ウェルス・コアポートフォリオ グロース型(米ドル建て)
7.72
9 グローバル株式
(不動産)
ジャナス・セレクション
ジャナス・グローバル・リアルエステート・ファンド クラスA(米ドル)
7.72
10 バランス ブラックロック・グローバル・インベストメント・シリーズ
グローバル・アロケーション・ポートフォリオ (米ドル建て)
7.54
出所:SMBC信託銀行作成
*上記トータルリターンは、基準価額の騰落に分配金(課税前)を加味して計算したものです。税金は考慮しておりません。

パフォーマンス上位の5ファンドは、全て海外株式を投資対象としたものでした。なかでも、パフォーマンス1位の「グレーター・チャイナ・エクイティ」と同2位の「BRIC・エクイティ」では、組入比率の高い中国株と香港株が大幅に上昇したことが、好パフォーマンスにつながりました。また、同3位の「米国成長株集中投資ファンド」と同4位の「ジャナス・トゥエンティ」は、ともに米国株式の中で好調だったITセクターを中心とする銘柄選定が奏功し、15%近いリターンをもたらしました。他にも、日本・米国・欧州の株式や新興国債券など、一般的にリスク性資産と呼ばれる資産を投資対象とするファンドにおいて、高いパフォーマンスが目立ちました。

資産クラス別(米ドル建て)では、世界的に株式のパフォーマンスが良好でした。

また、ファンドの投資対象となる資産クラスを見ると(図2)、9つの資産クラスのうち「商品(総合)」を除く8資産クラスでプラスのパフォーマンスとなりました。こうして振り返ってみると、米国中心に世界的に景気回復が鮮明となるなど、上期の投資環境は全体的に良好であり、それが投資家のリスク選好姿勢につながったと考えられます。

■図表2:各資産クラス(米ドル建て)のパフォーマンス・ランキング(2016年12月末-2017年6月末)

順位 資産クラス パフォーマンス(%)
<米ドル建て>
★「日本株式」・「日本国債」は、BloombergのNY Closeレートを使用し、米ドル換算しました。
(ドル円レート 2016年12月30日;116.96 / 2017年6月30日;112.39)
1 新興国株式 18.60 *各資産クラスは、以下の指数を参照しています。
2 日本株式 11.73 日本株式
先進国株式(除く日本)
新興国株式
日本国債
先進国国債(除く日本)
新興国債券
先進国社債(除く日本)
商品(総合)
米国HY債
;TOPIX配当込み株価指数
;MSCI-KOKUSAI指数
;MSCI エマージング・マーケット・インデックス
;NOMURA-BPI総合
;ブルームバーグ・バークレイズ・グローバル国債総合インデックス(除く日本)
;J.P.モルガン EMBI ディバーシファイド
;ブルームバーグ・バークレイズ・グローバル社債総合インデックス(除く日本)
;S&P GSCI 商品指数
;ブルームバーグ・バークレイズ・米国ハイイールド社債インデックス
3 先進国株式
(除く日本)
11.10
4 新興国債券 6.19
5 先進国社債
(除く日本)
5.19
6 米国ハイイールド債券 4.93
7 先進国国債
(除く日本)
4.92 本図表で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。
8 日本国債 3.72
9 商品(総合) ▲10.24
出所:各種情報資料並びにBloombergより、SMBC信託銀行作成
順位 資産クラス パフォーマンス(%)
<米ドル建て>
1 新興国株式 18.60
2 日本株式 11.73
3 先進国株式
(除く日本)
11.10
4 新興国債券 6.19
5 先進国社債
(除く日本)
5.19
6 米国ハイイールド債券 4.93
7 先進国国債
(除く日本)
4.92
8 日本国債 3.72
9 商品(総合) ▲10.24
★「日本株式」・「日本国債」は、BloombergのNY Closeレートを使用し、米ドル換算しました。
(ドル円レート 2016年12月30日;116.96 / 2017年6月30日;112.39)
*各資産クラスは、以下の指数を参照しています。
日本株式;TOPIX配当込み株価指数
先進国株式(除く日本);MSCI-KOKUSAI指数
新興国株式;MSCI エマージング・マーケット・インデックス
日本国債;NOMURA-BPI総合
先進国国債(除く日本);ブルームバーグ・バークレイズ・グローバル国債総合インデックス(除く日本)
新興国債券;J.P.モルガン EMBI ディバーシファイド
先進国社債(除く日本);ブルームバーグ・バークレイズ・グローバル社債総合インデックス(除く日本)
商品(総合);S&P GSCI 商品指数
米国HY債;ブルームバーグ・バークレイズ・米国ハイイールド社債インデックス
本図表で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。
出所:各種情報資料並びにBloombergより、SMBC信託銀行作成

結果だけを見ると、上期は「リスクオン」に見えますが…。

このように、いわゆる投資家の「リスクオン」の姿勢が続いたこの半年間は投資にとって追い風であったように思われます。しかし、上期には投資家が警戒した市場イベントもありました。特に皆さんの印象に残ったイベントは、欧米を中心とする「政治リスク」ではないでしょうか。具体的には、米国のトランプ政権の政策運営をめぐる動向や欧州のポピュリズム台頭に伴うEU分裂への危機感などが挙げられ、実際に投資家がリスク回避に動いた局面もありました。

上期の市場動向の背景には、「過剰流動性相場」と「投資家のリスク選好姿勢」があると考えます。

では、投資家のリスク回避姿勢が一時的に留まり、結果としてリスク性資産への選好を強めた理由は何でしょうか。その鍵は、「過剰流動性相場」にあると考えます。「過剰流動性相場」とは、先進国の中央銀行による金融緩和策を背景に低金利・資金余剰環境が続き、リスク性資産の価格がバリュエーション面から支えられた市場環境のことを言います。米国が金融引締め姿勢へ移行した一方で、2017年6月時点でも日本、欧州、英国では量的金融緩和のもとで金融市場への資金供給が続いています。また、低金利環境が続くことで投資家は、金利低下以前と同等の収益を上げるにはリスクを取らざるを得ない状況に置かれ、やむを得ずリスク性資産への選好姿勢を強めているとも言えます。幸い、今のところ世界的に景気は回復局面にあるため、多くの投資家によるリスク性資産への選好姿勢は株価上昇等の好循環を生んでいると言えそうです。

次回は、年後半の相場シナリオについて考えてみます。

年後半もこのような市場環境が継続するかどうかが注目点の一つになると考えています。次回は、いくつかの年後半の相場シナリオについて考えてみたいと思います。

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